ここから本文です

先日、ツイッター上での「漫画を読めない子どもが増えている」といったツイートがきっかけでプロの漫画家を巻き込んだ議論に発展するなど、ネット上で話題となった。

 「塾講師から、『漫画を読めない子ども』が増えてるって話を聞いた。コマをきちんと追って、間を想像して話を読み進めることができないそうだ。だから本を読まない子が漫画も読まないのは、漫画すら読めない可能性がある」「漫画も小説も読むことができない、つまり文字や絵の流れをつなげて話にできないと聞いた」

 11日にあるTwitterユーザーがつぶやいたこのツイートに端を発し、Twitter上では侃々諤々の議論が繰り広げられた。
 その中で、漫画家のうおりゃー!大橋氏は「『漫画を読めない子ども』が増えてるのは、10年くらい前から言われてた」とし、そうした子どもが増えた理由について「漫画の入り口の役目を果たすような雑誌の漫画が、アニメ調の演出の漫画だらけになってしまい漫画の入り口にふさわしい漫画が極端に少なくなったのが原因で。新規参入してくる漫画読者が減ってしまった」と論じた。

 では、「漫画の入り口にふさわしい漫画」とはどのようなものか。大橋氏によると、

・コマ割が単純
・人物の書き分けが単純にできていて、ややこしくない
・切り返しがない
・回想シーンは書かない
・話が時系列にそって展開する
・描かれる人間関係はシンプル


といった要素を持つものであるとし、これらを満たしている漫画とは「藤子F先生が描く、幼年漫画か小学校低学年むけの漫画みたいなモノのこと。『たとえ、字が読めなくても、わかる』『字を読むのが苦手でも、伝わる』という漫画。とにかくカンタンなものが、入り口にふさわしい漫画」だとした。

 そうした"入り口"的な漫画が減り、昨今は「アニメ調の演出をした漫画」が増えていると同氏はいう。「アニメ調の演出をした漫画」がどのようなものかということについての解説は、詳しくは同氏のTwitterをご参照いただきたいが、要約すると次の通り。

たとえば漫画には「フキダシ」から突き出た三角の部分の向きによってどの登場人物のセリフであるかを示したり、また、フキダシの形によって、そのセリフを発した人物の感情などを表すなど、漫画独特のルールがある。しかし、現代の漫画で、そうしたフキダシの三角の部分などを分かりやすくクッキリと描くと「レトロ調」とも感じられるため、「誰がしゃべってんのか、イマイチわかりにくい」形のフキダシにすることも少なくないという。もしアニメであれば、声優の声の違いによって「誰がしゃべっているのか」を判別できるが、漫画ではそれが難しく、特に漫画やアニメを見慣れていない子どもにとってはさらに困難なものとなってしまう。そうした"アニメ調"の演出は、フキダシの形に限らず背景や人物の描き方、コマ割り等々において見られ、そうした演出が漫画を読み慣れている人でなければわかりにくい物にしてしまっている、という訳だ。

 「幼児にわかるようにするには、『人形劇風』にするのが良い」と同氏は言う。
 「(キャラの)表情は大げさなほうがいいし、感情表現も全身の芝居で見せた方が良い。ようするに『舞台劇』に近い感じになる。ロングショットで識別可能で、感情表現にも強い造形にしよう......となると、人形劇みたいな『チビ』『デブ』『ノッポ』『マッチョ』みたいなシルエット重視のものが良い...という話にもなる。つまり、藤子F先生の漫画だね。最近のアニメに多い、ゴテゴテデザインは色がついてたり、声優さんの声が助けてくれるアニメなら問題ないけど。一色の漫画だと、わかりにくいだけなんだよ。幼児には」

 時代は変われど、やはり子どもたちには『ドラえもん』や『パーマン』のような漫画が必要のようだ。

※参照元:うおりゃー!大橋氏Twitter
(文/H14+HEW)



【関連記事】


Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ