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浮世絵、屏風絵、絵巻物など、海外でも評価の高い日本の芸術作品。しかし最近ではちょっと変わった技法で日本的なモチーフを表現して、世界で評価されているアーティストもいる。

サムネイル
こちらは日本人芸術家、深堀隆介(ふかほり・りゅうすけ)さんの作品。

深堀隆介さんの制作過程がわかる映像はコチラ(英語サイト)>>

立体に見える金魚は全てアクリル絵の具で描かれた平面の金魚。エポキシ樹脂を固めた桶の中に直接絵の具で金魚を描き、上からさらに樹脂で閉じ込めるという、今までにない美術技法で描かれている。今にも動き出しそうなほどリアルな金魚が印象的だ。
作品について、深堀さんに話を聞いた。

――この技法はどのようにして誕生したのですか?

「もともと僕は樹脂を使ってディスプレイなどを制作する造形屋にいました。みずみずしい印象の金魚の作品を作ろうと思った際に、つるんとした感触のエポキシ樹脂を思い出し使ったのです。その後はエポキシ樹脂に合う絵の具を選び、この技法が誕生しました」

――ここまでの技法を確立するまでには苦労もあったのでは?

「失敗もありましたね。最初はエポキシ樹脂に絵を描くなんて無理だろうと思い、フィルムに金魚の絵を描いて中に閉じ込めたんですけど、立体感もなく、フィルムが入っていると素人目に見ても明らか。その後思い切って直接書いてみたのですが、油絵の具では色が乗らない、日本画のような粉もいまいち。試行錯誤のうえ、アクリル絵の具で描くようになりました」

――どうして金魚を題材にしたのですか?

「芸術の壁にぶつかっていたある日、ふと家の汚い水槽で飼っていた金魚に目がいったんです。地味で珍しくもない普通の金魚だったんですが、よく見るとすごくキレイだと気付き、作品にしてみようと思い立ちました」

――金魚の美しさってどういうものなんでしょう?

「金魚はもともと人間が品種改良の末に作った魚。そこには単なる美しさだけじゃなく、人間の罪悪が隠されているような気がしたんです。妖しさやもの悲しさのある美しさ、それを表現したかった」

――ニューヨークのミュージアムショップでも作品が発売されるなど海外でも話題になっていますよね

「そうですね。ありがたいです。僕は新しい技法を作ることを目標にしてきました。海外では、先人の考えを継承しつつ新しい芸術ジャンルを確立することが好まれますから、きっと僕の作品にうなずけるところがあったんじゃないでしょうか」

――今後の目標についても教えてください。

「金魚を突き詰めて描きたいので、金魚の表現の方法として新しいものを発見できるといいですね。今回の樹脂に飽きたらず、これからも新しいジャンルを確立できるアーティストになりたいと思います」

――期待しています。ありがとうございました。

誰も見たことがないような技法を突き詰めようとする深堀さん。きっとこれからも、私たちをアッと驚かせるような作品を次々と生み出してくれるに違いない。

(山本莉会/プレスラボ)



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