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若くして成功を手に入れた人は興味の対象になりやすいもの。しかし、今回ご紹介するフレイザー・ダハティ氏が他の若い成功者と少し違うのは、祖母から教えてもらったジャムのレシピを元に起業したというユニークなエピソードだ。23歳にして、イギリスで最も成功した若い起業家のひとりと言われているフレイザー氏に、"成功の秘密"について聞いた。

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英国最大のタブロイド紙「サン」の一面を飾ったこともあるフレイザー氏。その際、550万人の読者全員に一瓶ずつジャムをプレゼントした



フレイザー氏は昨年末に『スーパービジネス それはおばあちゃんのレシピからはじまった』(毎日新聞社)を発売。同書で触れられている彼の経歴はとても興味深い。幼いころからビジネスに興味を持ち、祖母のレシピに感動したことをきっかけに自らの会社「スーパージャム」を設立したのはわずか14歳のとき。彼が発売したのは、100%果物でできた無添加の、おいしくてヘルシーなジャムだった。その後、17歳で大手スーパーマーケット・チェーン「ウェイトローズ」に売り込み、成功。イギリスの大手スーパーに対するサプライヤーとして最年少記録を樹立。現在は8ヵ国で販売を行い、日本での発売も視野に入れているという。


―――著書を読んで、13歳ですでに起業家の下で仕事をしたり、販路拡大のために大手スーパーに売り込みをしたり、今何をするべきなのかを的確に見据えている姿に驚きました。その若さで、なぜ次に何をするべきかを判断できるのでしょう?

フレイザー氏:自分が何に情熱を感じているかを自覚できているのであれば、後はそれに添って物事をたどっていけばいいのだと思います。私の場合は幼いころから世界にインパクトを与えるようなビジネスをしたいと思っていました。でも最初は何の人脈もなかったし、親から資金提供があったわけでもありません。身の丈にあった規模、つまり使えるだけの時間と資金でできることをひとつずつ行っていったのです。

―――「情熱をかけるものが見つからない」という若者も多いです。

フレイザー氏:情熱をかけるものを探すということに関しては、無限に情報があります。それこそインターネットの中にも。私は旅が好きで、これまでビジネスに関連したものも含めて40ヵ国を訪れています。旅に出て違うものを見たり感じたりすることで、自分の興味に気づくこともありますよね。

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フレイザー氏は旅をする際、世界各国の一般家庭に宿泊を申し込むサービスAirbnbを利用することが多く、今回の来日時も都内の一般家庭に宿泊したのだそう


フレイザー氏:また、例えばビジネスを始めようとするときに、「おおよそのことはすでに誰かになされている(だから自分は情熱を持てない)」と思うものだし、それは事実かもしれない。でも、そのビジネスがどのように行われているかについては追求していく余地があります。それが成功しているのか、非常にまずい感じなのかを調べることは重要だし、そうしているうちに自分がするべきことが具体的になっていくのではないでしょうか。

―――フレイザーさんも、「甘ったるくて果物をあまり使わない今までのジャム」(著書より)をはじめとするこれまでの瓶詰食品の業界を変えたいと思ったと著書で書いていらっしゃいますね。もし、おばあさんのレシピがなかったら、どんなビジネスをやっていたと思いますか?

フレイザー氏:8歳のとき、初めて自分でお金を生むという経験をしました。学校のイベントでケーキを焼いて売ったんです。そのときに何を喚起されたかというと、自分が作り出したものに対価が発生したという感動です。祖母のレシピがなかったとしても何らかのビジネスをしていたと思いますが、お金を追求することではなく、買うに値するものを作り出すこと自体を楽しむことに変わりはないと思います。

―――先ほど、世界にインパクトを与えるようなビジネスをしたいと思ったという話がありましたが、その思うようになったきっかけを教えてください。

フレイザー氏:ひとつは両親の影響です。両親は自分と弟に「朝起きて、自分はこれをやりたいと思うことをやりなさい」と教えました。高い地位を築くことをしたければやればいいけれど、それが全てではないと。また、祖父母に連れられて幼いころから老人施設によく行きました。そういう場所には孤独な老人がたくさんいて、彼らにお茶やお菓子をふるまったり、ギターを聞いてもらったりしました。このことで教えられたのは、誰もが他者に対して責任を持って生まれて来ているということです。

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フレイザー氏は数年前から、ひとり暮らしや施設生活を送る老人のために無料のお茶とダンスの会を開催。これまでに数百回以上行っており、「お金もうけのための事業運営よりもはるかに充実感がある」という


―――日本は現在不況で、若い人に就職先がないとも言われています。日本の若者を元気づけるような言葉をください。

フレイザー氏:日本の不況のことは知っているけれど、イギリスも同じです。私の友だちも大学を卒業すれば就職できることが当たり前だと思っていたけれどそうではなかった。私たちの親の世代とは起こっていることが違います。ただ、変化には対応できるはずですし、挑戦への機会は常にどこかにある。たとえば、私は日本に来る前に中国に寄ったのですが、中国という非常に新しい可能性を秘めた国が日本にとっては真横にあると考えることができます。今いる場所が難しければ他でというように、可能性を十分に考えることが重要です。

高級車を持つことや高いホテルに泊まることには興味がなく、日本食ではたこ焼きとどら焼きを気に入ったというフレイザー氏。明るくフレンドリーな笑顔からは、成功した起業家というおごりはまったく感じられなかった。どんな状況にも可能性を見いだすポジティブさを持って、具体的にどのように起業を成功させたのかについては、ぜひ『スーパービジネス』を読んでみてほしい。

(蒲田和歌+プレスラボ)

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