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ももクロに新たな試練だ――。5月11日に幕張メッセで開催される世界的ロックフェス「OZZFEST JAPAN 2013」(通称:オズフェス)に出場することが決まったアイドルグループ・ももいろクローバーZ。しかし、発表直後から同フェスを楽しみにするハードロック/ヘヴィメタルファンからは容赦無いバッシングが浴びせられている。

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ももクロのオズフェス参戦が発表されるや、同フェスの公式Facebook上のコメント欄や、掲示板サイトなどが沸いた。そのコメントの多くは、プロモーターへの不信感、そしてももクロやそのファンへの嫌悪感をあらわにしたものだった。

20年来のロックファン・メタルファンである筆者としても、無理もない、と思う。なぜなら、ももクロが参戦するオズフェスとは、言わずと知れたHR/HM界のカリスマ、オジー・オズボーンが主催する世界的なロックフェスで、1996年の初開催からこれまでブラック・サバスはもちろん、スレイヤーやパンテラ、セパルトゥラ、メガデス、モーターヘッドなどなど、あげればきりがないほど、HR/HM界を代表するそうそうたるメンツが出場している、ファンにとっては"聖域"ともされるイベントなのだから。

そんなイベントが今年日本で初開催されることが決まった時、メタルファンは歓喜したのだ。しかし、その後は次第に雲行きが怪しくなる。出演バンドがアナウンスされるたびに、ラウドでヘヴィなバンドがこぞって出場することを望んでいた、あるいは当然そうなるだろうと踏んでいたファンは戸惑った。あれ? メタルじゃないじゃん、と。
確かに、ラインアップをみてみると、いわゆる"メタル"というジャンルに当てはまるバンドは少ない。もちろん、イベント自体が"メタルフェス"だとはうたっていないのだから、それは特におかしなことではないのだけれど、多くのメタルファンは落胆し、プロモーターへの不満を募らせた。俺たちのメタルフェスをどうする気だ、と。チケットを買い控える人も少なくなかった。

そんな矢先のももクロ参戦の知らせ――。よりによってアイドルとは! 積もりに積もった憤懣(ふんまん)が、ももクロめがけて一気に噴出した形だ。彼らの怒りのはけ口として、ももクロは最適だったのだ。だって、彼らの"聖域"を侵害するものとして、アイドルというのはこれ以上ない存在なのだから。冒頭に「無理もない」と書いたのは、そうした経緯を見てきたものとして、彼らの落胆ぶりがありありとわかるからだ。

無理もない。が、賛同は一切出来ない。モノノフ(※ももクロのファンのこと)でもある筆者としては、今回の件でももクロやモノノフを批判しているメタルファンに苦言を呈さなければいけない。最も大事なものを見落としてしまっている、と。音楽に、聖域なんてないんだ。それは常に進化し、変化するもの。思い出してみなさいよ、スリップノットが登場してきたとき、多くのメタルファンは"イロモノ"だと笑ったじゃないか。サバスだって、ハト食ってた昔は完全に"イロモノ"扱いだったじゃないか。でも、彼らが打ち出し続けた音楽が本物だったから、多くのファンはそれを受け入れた。そうやって新しい血が入り込んだからこそ、今があるんじゃないですか? 自分が知らないもの、理解できないものを怖がって拒絶し、今あるものだけを握り締め続けるんですか? 握りつぶしてしまうほどに。

もちろん、変わらないもの、変わってはいけないものだってある。それが何かということを言葉にするのはあまりに陳腐なので控えたい。ただ、もし音楽の"聖域"というものがあるとするなら、それは、その"変わってはいけないもの"を持ち続けている人たちで構成されるのではないでしょうか。ジャンルなどではなくて。さらに言えば、ギターのゆがみ方うんぬんではなくて。バスドラが何回鳴るかというようなものではなくて。デス声かどうかなんてものではなくて。

ももクロのことを知らずに批判している人もいるかもしれないので、後編ではももクロについてちょっと触れておきたい。

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