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前編では、アイドルグループ・ももいろクローバーZが5月11日開催のメタルフェス「OZZFEST JAPAN 2013」へ出場することが決定したことで、メタルファンからバッシングが巻き起こっている現状に触れた。後編では、ももクロのことを知らずに批判しているかもしれないメタラーのために、ももクロの軌跡などについて少し触れておきたい。

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これまでももクロが歩んできた軌跡をたどれば、数々の試練が彼女たちを成長させてきたことは明らかだ。それは旧メンバー・早見あかりの脱退のように不測の出来事もあったが、それ以外に、運営側は事あるごとにももクロにあえて障壁を用意し、それを乗り越えさせることでグループとしての体力増強を促してきた。
例えば路上でゲリラ的にライブを行い、バンで全国を回り、ビラを配ってファンを集めるといったことからはじまり、神聖かまってちゃんや氣志團といった畑違いのロックバンドとの"対バン"、ロックフェス「サマーソニック」やメタルフェス「ラウドパーク」への参戦、そのほか、格闘技大会K-1のリングでのライブや、フォークライブイベント「坂崎幸之助のお台場フォーク村デラックス」への出演など、あえて通常のアイドルファンとは客層の異なる"アウェー"の場に乗り込んで行った。当然、バッシングや無関心も承知の上で。
そうやって、他ジャンルのファンを確実に取り込んできたから、今、西武ドーム2日間でのべ約6万人を動員するほどの快進撃がある。まさに、虎穴に入らずんば虎児を得ず、を地で行くものだろう。それは、かつてロックバンドやパンクバンド、特にインディーズにうごめく血の気の多いロッカー/パンクスたちがごく当たり前のように行なってきたことだ。それを、年端もいかない少女たちが、笑いながら、時に泣きながらやっているのだ。
常に挑戦する姿勢。そして喰らいついてでもその向こう側に行ってやろうという気概。これをロックと言わず、何と言う? アイドルだから、女の子だから、そんなことで本質を見落としてしまってはいけない。国内外のいろいろなバンドを見てきた筆者から言わせてもらえば、こんなロックなヤツら、そうそう居ませんよ。ロックって、タトゥーを彫ることでもドラッグをキメることでもケンカをすることでもない。既存の何かをぶち壊そうとする、その気迫のことを指したはずだ。たとえ無謀な戦いと分かっていたとしても、あえてそれに立ち向かうから、僕たちはロックに感動し、魅了されるんじゃないか。

ももクロ参戦を受け、それに反発するメタルファンが、ももクロやモノノフに対して妨害行為、暴力行為などを働いてやるなどとする物騒な書き込みもネット上には散見される。もちろん、ごくごく一部のユーザーによるものだと思う。そして、残念なことに、それに応戦するようなモノノフの書き込みもある。また、怒るメタルファンに遠慮して、応援を控えようと呼びかける声もある。
そうしたモノノフにも、一体今までももクロの何を見てきたのかと苦言を呈したい。そんなことが現場で巻き起こされるなら、それこそが"冒涜"だ。全力でパフォーマンスを見せてくれるアーティストに対しても、音楽に対しても。
アーティストを、音楽を本当にリスペクトしているのなら、どんなジャンルのファンであろうとも、ファンはそのパフォーマンスを全力で楽しむことしか考えないはずだ。

さて、筆者の主観で勝手なことを書かせていただいたが、最後にひとつだけ付け加えさせて欲しい。モノノフもメタラーも双方の人たちをよく知るものとしては、本来どちらも基本的に気の良い人種です、と。
モノノフの皆さん、メタラーは格好はイカツイですが、実に紳士的な考えを持っている人たちです。メタルの不遇な時代にもじっと耐えてきた人たちですから、時に偏屈ですが、優しさを知っています。
メタラーの皆さん、モノノフってとにかく助け合いの精神がハンパないんです。チャラく見えるかもしれませんが、実は骨太なロックファン・メタルファンも多い。きっと仲良くなれるはずです。

お互い、一部の声に踊らされず、音楽で踊りましょう。全力でヘドバンしましょう。全力でウリャオイしましょう。自分たちの愛する音楽をどれだけ楽しめるかを競いあいましょう。イベントが終わった時、新しいメタラー、新しいモノノフが増えていることを期待して。

冒頭で「ももクロに新たな試練だ」などと書いたが、実は今回、最も大きな試練を与えられているのは、ももクロではなく、僕たちファンなのかもしれない――。

(花@HEW)

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