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テレビ東京のある旅番組が、「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)をも抑えて1月4日の同時間放送帯の視聴率トップに躍り出たことが話題になりました。その番組とは、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」。人気のヒミツは、漫画家・蛭子能収のやりたい放題ぶりにあるようです。

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同番組は、2007年よりテレ東の旅番組枠「土曜スペシャル」で不定期放送中。知る人ぞ知る番組でしたが徐々に視聴率を伸ばし、1月4日に放送された第16弾は「めちゃイケ」600回SPの12.2%(以下、ビデオリサーチ調べ、関東地区)に対し、13.0%を記録。なんと同時間放送帯の視聴率トップに輝きました。

■旅というより"移動"? 異様にハード
バスの旅番組が視聴率1位なんて......。でもこの番組、よくあるゆる~い観光番組と思って見ると予想を裏切られるんです。

番組レギュラーは、俳優・太川陽介と漫画家・蛭子能収の2人。そこに女性ゲスト1名を加え、皆でバスを乗り継ぎ目的地を目指します。"京都~出雲""名古屋~能登半島"など出発地と目的地が決められ、基本ルールは「3泊4日でゴールを目指す」「バス以外の移動手段は徒歩のみ」「携帯・スマートフォンで情報収集をしてはいけない」の3つ。これがなかなかハードで、数時間歩くのは普通。ルートを間違えて何時間ぶんの行程をふいにするのも普通。ゴールすることを優先しているので、観光スポットを素通りするのも普通。ひたすら3人が移動する様子を見せつけられます。

■旅番組というより"移動番組"、その面白さを支えるポイントとは?
実はタレント・伊集院光がこの番組のファンで、TBSラジオ「月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力」でも大絶賛。とくに「蛭子さんがすごい」「蛭子さんを楽しむ番組」と、テレビの常識から考えるとありえない蛭子の奔放さに番組の魅力があると熱弁しています。どんな風に自由かと言うと......

・名物を食べない
「この場所は○○が有名だから、それを食べよう」という発想がそもそも皆無。飲食店では食べたいものを素直に注文するので、太川とマドンナは名物料理を食べていても、蛭子ひとりだけオムライスなんかを食べています。

・ビジネスホテルがお気に入り
「遠くまで来たんだから、せっかくだし歴史と風情のある旅館に泊まって......」という発想もなし。宿泊先を決めるのは主に蛭子の役目なのですが、無難という理由でビジネスホテルを選びがち。これがまた番組の「"旅"というより"移動"」感を強めているような。

・基本的に失礼
バスに乗ったら「バス小さい」、バナナをもらえば「なんか固い」、地元の人にスイカをもらえば「どうしてこの辺りの人、おっぱい大きいんですか?」。トレードマークのニコニコ顔でも隠し切れない失礼さ。伊集院いわく「カットされた部分でもっとすごいこと言ってると思う」。

・文句が多い
歩きが続くとブツブツ......、路線を間違えた太川にブツブツ......。挙句の果てには「帰ろうよ」。任せきりのわりには文句が多い! でも最近は成長(?)してきたのか、愚痴らずに歩いたのを太川から褒められたり。ほほえましいやり取りです。

・パチンコ休憩を要求
ファンの多くが名シーンに挙げるのが、青森~新潟を旅した第7弾での"パチンコ休憩"。パチンコ店を見つけた蛭子が「パチンコやりたい」と駄々をこねる場面です。結局、太川が折れて休憩を許すのですが、その後最終バスを逃して時間内にゴールにたどり着くことができませんでした。熱心なファンの間では「蛭子さんがパチンコをしなければゴールできたか」が度々検証されています。

蛭子と対照的に、生真面目な太川。リーダーとして皆を導き、蛭子のワガママにも寛容です。けれど、第12弾と第16弾では、甘えるわりに他人のミスに厳しい蛭子についに激怒。「今回で最終回です」とあわや打ち切りの危機を迎えたりしました。それでもなんだかんだ旅は続いたのですが......。また、問題児・蛭子がシリーズを通してちょっとずつ常識を身に付けつつあるという指摘も。喜ぶべき出来事と思いきや、ファンは「『ありがとう』が言える蛭子さんなんて蛭子さんじゃない」と嘆いているとのこと。蛭子さん、愛されていますね......。

■ゆるいのにスリリング
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」がスゴイのは、とにかく"ガチ"なこと。蛭子の暴言も、たまに太川が怒るのも、ルートを間違えるのも、結局ゴールにたどりつけないのもそのまんま放送。派手な味付けがないので出演者たちの素の表情が堪能できます。テレビのお約束がないからこそ、地味なのに、次になにが起こるかわからない。"ゆるい"と"ハラハラ"が共存する不思議な空気が漂っています。

1月7日の「深夜の馬鹿力」で伊集院はまた番組について触れたのですが、「人気になっても蛭子さんはそのままで」と語っています。それは多くのファンが望むところ。たとえ蛭子さんがいないほうがスムーズに旅が進むとしても、番組の空気も穏やかになるとしても、蛭子さんよ、どうかそのままで......。

(文/原田美紗@HEW )

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