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TwitterをはじめとしたSNSは、今最も強い"口コミの場"と言えます。ということは、口コミで広がる=Twitterで広がるためには、Twitterウケの良さが大きく関わってくるはず。そして、Twitterでウケる作品には、"イベント"と"ツッコミ"という2つのタイプがあることがわかりました。

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―Twitterウケの重要キーワード"実況"とは?

ネットでよく使われる言葉のひとつに「実況向き」というものがあります。"実況"とは、番組を見ながらTwitterなどに自分の感想をリアルタイムに投稿していくことなのですが、興味深いのはどうやら実況するのに"向いた作品と向いていない作品"があるということ。

例えば友人たちと一緒にDVDを見るときのことを想像してみてください。誰もが知っている歴史的名作よりも、ちょっとチープな作品に皆でツッコミを入れながら見るほうが盛り上がる場合が多いんじゃないでしょうか? ネット上で飛び交う「できは決して良くないんだけれど、実況向けだから見る」といったコメントからもわかるように、質の高さは必ずしも実況人気にはつながりません。

では、Twitterで実況される作品とは具体的にどんな要素を持つのでしょう? 実は昨年大ヒットしたTBS系ドラマ「半沢直樹」とNHK連続テレビ小説「あまちゃん」はそれぞれ異なる"実況ウケするポイント"を持っているんです。

―"イベント"と"ツッコミ"がツイートを誘う!

■セリフを一緒に......イベントタイプの「半沢直樹」

「2013 ユーキャン新語・流行語大賞」に選ばれるだけあって、「半沢直樹」の名セリフ「倍返し」はTwitterユーザーにも頻繁に使用されていました。なんと放送が開始された2013年7月1日から8月31日までのたった2カ月間で33万以上のツイート件数を記録したことがわかっています(トライバルメディアハウス調べ)

注目したいのは、ドラマでちょうど堺雅人演じる主人公・半沢直樹が「倍返し」のセリフを言ったタイミングでツイート件数が急増するというデータ。「倍返しクル?」「倍返しキター!」とまるでサッカーの試合でゴールが決まったかのような盛り上がりを見せていました。

こういったイベントタイプの作品の代表がスタジオジブリの映画「天空の城ラピュタ」。地上波で放送される際は、主人公たちが「バルス」と呪文を唱えるのと同時に自分たちも「バルス」とSNSに投稿するというのがお約束として浸透しており、放送日は「今年の『バルス』は23時22分45秒前後」なんてツイートが事前に出回る始末。さらに放送中は「バルス待機」というつぶやきが増えるように、内容とは別にある種イベントのように受け止められています。

■ひとこと言いたい......ツッコミタイプの「あまちゃん」

「あまちゃん」といえば、パロディの多さで有名。けれどその元ネタのほとんどが作中で説明されないせいか、ファンの間では「潮騒のメモリーズの決めポーズがPerfumeと同じだ!」「今のシーン、『探偵物語』だね」という風に元ネタ探しがとても活発。ツイートまとめサービス「Togetter」で検索すると、Twitter上で数々の考察がされてきたことがわかります。

若者のテレビ離れが騒がれていますが、Twitterではテレビ画面のキャプチャーに一言ツッコミを入れるタイプのツイートが人気です。1月12日の「新堂本兄弟」(フジテレビ系)では、T.M.Revolution・西川貴教の短パンが短すぎると話題に。Twitterで「シャツだけ着てるみたいになってる」「ノーパンに見える」と"ツッコミ"が入り、本人が後日リアクションするほどまでに拡散されました。

視聴者のツッコむポイントを残した、ある意味、視聴者参加型といえる番組が"ツッコミタイプ"。「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)「NHK紅白歌合戦」といった生放送番組も実況が盛り上がりますが、それは生だからこその予期せぬトラブルが視聴者のツッコミどころとして機能するからなのでしょう。

もちろん、イベントタイプとツッコミタイプは厳密に分けられる概念ではありません。「主にこのように楽しまれる傾向があった」というだけで、「半沢直樹」にだって過剰ともいえるほどの熱演に「顔芸」とツッコミを入れて楽しむファンはいましたし、「あまちゃん」にだって登場人物と同じタイミングで「じぇじぇ」のセリフを投稿するファンはいました。そう考えると、「半沢直樹」と「あまちゃん」は、2つのTwitterウケする要素を両方持っていたからヒットしたとも言えそうです。

―口コミの場から、人気を測る場へ

Twitterとテレビの関係は深く、一部では「Twitterという仮想的な"お茶の間"が復活したことで、テレビはまた勢いを取り戻す」という意見も。
テレビ番組の視聴率調査を行うビデオリサーチは、米Twitterと協業して、Twitter上でのテレビ番組の反応を測る新サービス「Twitter TV指標」を今年6月から提供すると発表しています。
「視聴率とツイート件数は必ずしも連動しない」という反論もありますが、録画派も多い現代、そもそも視聴率は番組の人気を正確に表しているのかというと確かに疑問。人気を測るひとつの指標として、ツイート件数は確かに有効なのかも。

"口コミの場"から"人気を測る場"へと役割を変えつつあるTwitter。Twitterウケする番組作りという考え方には、今後ますます注目が集まることでしょう。

(文/原田美紗@HEW )

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