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「日本で声優になりたい」。その一心で夢をかなえてしまったロシア人女性がいる。彼女の名はジェーニャ。2009年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』でデビューしたものの、その後の声優活動は決して順風満帆なものではない。しかし彼女は諦めることなく前を向き続けている。

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下記は2014夏コミケ(コミックマーケット86)で「ラブライブ!」のエリーチカ(絢瀬絵里)のコスプレをしたときのもの

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――きっかけはセーラームーンなんですよね。

「16歳のときに見た『美少女戦士セーラームーン』がすべての始まり。それまでもロシアで日本のアニメは放送されていたけど、キャラクターのかわいさが別格だったんです。作品を好きになり、キャラクターを好きになる延長で、言葉も好きになりました。当時は"ボイスオーバー"といって、元の言語も重ねて放送されていたんです。あと、オープニングテーマとエンディングテーマがオリジナルのまま放送されていたのも大きいですね。日本語の響きがすごく新鮮だったのと同時に、自分の感覚に合っている言葉だと思いました。カワイイし、とても優しい感じで」

――それでアニメファンサイトまで作ってしまった。

「当時アニメといえば『攻殻機動隊』とか『AKIRA』とか男性向けというイメージが強かった。だから私は、『セーラームーン』もそうだし、『ラブひな』など、ロボットだけじゃなくてカワイイものも多いんだよということを紹介したかったんです。あと、アニソンを耳コピして"歌ってみた"をアップしたり。YouTubeもニコ動もない時代ですよ。動画じゃなくて音声のみですが、"歌ってみた"の走りでしたね」

――それを日本人が見つけ、2ちゃんねるで紹介された。

「普段1日2000アクセスくらいだったのが、いきなりケタが何個も違うんですよ。これがあの"朝起きたら有名に"ってやつだ! と思いました(笑)。そこから、『オタク大賞 国際貢献賞』をいただき、それをきっかけに日本に呼んでもらえるようになったんです。まさに、夢がかなった瞬間でした。」

「"いつか日本で声優をやりたい"というのは最初から思っていました。外国へのあこがれが強かったというのもあります。日本に行きたいから日本語も勉強してたし、声優になりたいからアニソンも歌ってアップしてた。それはあくまで"夢"だったんですが、言ったもん勝ちというか、言い続ければかなうと信じていたんです」

――日本で活動されてみてどうでしたか。

「アニメやゲームの声優をやったり、裏方として作品のロシア語の監修をしたり、ロシア語講座の番組に出演したりしていますが、声優として大成したかというとそうではない。今度は頑張っても頑張っても声優になれないという壁にぶちあたっています。」

「自分の実力不足もある。日本語をほめてもらえるけど完璧ではない。正直、外国人が日本で声優なんてできるわけないという偏見もある。ロシア人なのにロシア人役を取れず悔しい思いもしました。そんななか、去年はいろいろなチャンスを何もつかめなかったんです。そうすると自分を責めるしかない。それで責めすぎちゃって、この半年は病んでました(笑)」

――どのように立ち直ったのですか?

「ある人が、人に夢を与えるためには自分が輝かなきゃだめなんだよって言ってくれたんです。楽しくやらなきゃだめだって。現実を見過ぎて、楽しくなかったということに気づいた。とにかく楽しくやろう、無理するんじゃなくて自分のできることをやろうと思うようになったんです」

――それで声優事務所を辞めるという決断をしています。

「みんなあこがれる、大手の声優事務所でした。それを自分から辞めるのはぜいたくだとも言われました。でも、私には何かを変える必要があった。全部見なおして、なにをすればいいのか考えたときに、いったん声優事務所を辞めてタレントを目指そうという結論に至ったんです。もちろん、声優が第一の夢なのは変わらない。でも、遠回りかもしれないけど、そこで活躍すれば、絶対誰か認めてくれると思っています。今はそういう道がある。あきらめない人がいつか報われるんだなって信じるしかないと思っています。」

「ドラマの『孤独のグルメ』がすごい好きなんですけど、松重豊さんてこれが初めての主演なんです。素晴らしい芝居を長年続けながら、松重さんも50年待ってたんですよね」

――ところで、ジェーニャさんといえば、"共産趣味"で知られる声優の上坂すみれさんとのからみを期待してしまいます。上坂さんはライバルですか?

「ネガティブな感じじゃなくて、自分が頑張らなきゃなと思えるという意味でライバルだと思ってます。面白くてかわいい子ですよね! 彼女がロシアに憧れ、ロシアについて盛り上げてくれるのはうれしいですよ。そのおかげで私までひっぱられたというのもあります(笑)。ただ、頑張ってロシア盛り上げてとは思うけど、ぶっちゃけの本音では"一緒に盛り上げたいな"と思ったりもします。夢のひとつとして、いつか彼女と一緒に何かをやってみたいですね」

(取材・文/大木信景@HEW)
写真:トレンドニュース

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