ここから本文です

代官山の複数のエリアで同時におこなわれたイベント「THE BIG PARADE(ザ・ビッグ・パレード)」。15日に「日本発! レーベルとマネジメントの両輪による世界征服」と題するトークセッションがおこなわれた。

サムネイル
サムネイル

登壇したのはアソビシステム株式会社の代表取締役社長・中川悠介氏と、株式会社ワーナーミュージック・ジャパンの邦楽第1クリエイティブルーム本部長/unBORDEレーベルヘッド・鈴木竜馬氏。モデレーターのふくりゅう氏(音楽コンシェルジュ)の司会進行によって、きゃりーぱみゅぱみゅをワールドワイドに展開させた手法や「裏話」などが次々と明かされる、非常に興味深い1時間となった。

中川氏は、「青文字カルチャー」の生みの親であり、HARAJUKU KAWAii!! カルチャーを世界に向けて発信し続ける仕掛け人。日本独自の文化である"HARAJUKU CULTURE"に焦点をあて、ファッションや音楽、ライフスタイルなど原宿発信のコンテンツを国内はもとより、海外に向けても積極的に配信し続けている。鈴木氏は99年にワーナーミュージック・ジャパン入社。RIP SLYMEのデビューから、山下達郎、竹内まりやなどの販売促進担当として各プロジェクトに携わってきた。04年にはBONNIE PINKのA&Rを担当。「デビュー10周年プロジェクト」を成功に導いている。

マネジメントサイドの中川氏とレーベルサイドの鈴木氏が、「両輪」となって挑戦したのが、きゃりーぱみゅぱみゅによる「世界征服」だ。
中田ヤスタカが主宰する、未成年のためのクラブイベント「TAKENOKO!!!」を通じてきゃりー(当時高校三年生)と知り合った中川氏は、彼女を音楽アーティストとして売り出していくにあたり、最初からワールドワイドな展開を考えていたという。きゃりーが発信するブログに早くから注目していた鈴木氏も、中川氏と意気投合しレーベル契約を交わす。

「当時多くのレコード会社が名乗りを上げたが、きゃりーのパーソナリティーを買ってくれて、デモテープも聴かずに採用決定したのは、竜馬さんだけだった」と、中川氏は明かす。また、きゃりーの音楽プロデューサーである中田ヤスタカも、彼らと同じように「日本で作っているものを、"加工せずそのまま"海外へ紹介したい」という揺るぎないコンセプトを持っていた。これまでの「海外進出」というと、欧米用に加工することで"日本らしさ"を薄めてしまうことが多かったが、敢えてそのまま、歌詞も日本語のまま輸出したことが成功の要因だという。現在は「クール・ジャパン」なるキーワードも一般化し、ジャパニーズ・カルチャーが海外で魅力的なコンテンツとなっているのは自明だが、そこにいち早く気付き、戦略として打って出た中川氏、中田ヤスタカ、そして鈴木氏の先見の明は特筆すべきだろう。
そんな「きゃりーぱみゅぱみゅ世界征服プロジェクト」にとって、最初のターニングポイントとなったのが、フランスで毎年おこなわれている「JAPAN EXPO」での成功だった。そのために中川氏がおこなったのが、仏メディアへのプロモーション。サブカルを含めた日本のカルチャーを主に扱うテレビネットワーク「Nolife」に働きかけ、人気番組「Japan in Motion」のレギュラー出演を獲得。そうした事前の仕込みが「JAPAN EXPO」での驚異的な動員へとつながった。
そして、そこでの成功を日本にフィードバックさせるために、鈴木氏がおこなったのが日本メディアへの積極的な働きかけだ。日本テレビでは「ZIP!」が、フジテレビでは「めざましテレビ」が「JAPAN EXPO」でのきゃりーを大きく紹介したことが、彼女の知名度を飛躍的に上昇させたという。そしてそれが、彼女のファーストアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」の好セールス(オリコン2位)という結果へと実を結ぶのである。

その後もトークセッションは盛り上がり、きゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアー成功や、サードアルバム「ピカピカふぁんたじん」の販促に向けたエピソードにもおよんだ。そんな中、鈴木氏が繰り返し強調していたのは、「『JAPAN EXPO』にしても、ワールドツアーにしても、"紹介してもらったらいいな""売れたらいいな"ではダメ。"これを必ず成功させる""必ず売る"という、確固たる意志を持ち、ちゃんと仕込んで仕掛けてきたからこそ、状況を動かすことが出来た」ということだった。
レーベルとマネジメントの両輪による世界征服。そのドラマチックなエピソードの数々を、集まった参加者は皆熱心に聞いていた。

(取材・文/黒田隆憲@HEW)

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ