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歌やリズムにのせたネタでのお笑いコンテスト「歌ネタ王決定戦2014」を制したのは、なんとミュージシャン。手賀沼ジュンが回文ソングでグランプリを獲得した。
手賀沼はかつて小島よしおやお笑いコンビ・かもめんたるたちとともにコントグループ・WAGEとして活躍していたが、現在はお笑いライブよりも音楽ライブをメインに活動。バンドを従え自作のメッセージソングを歌っているが、音楽ライブでも"少しのユーモア"をテーマのひとつに、やはり回文ネタを披露するなど観客を笑わせることに力を惜しまない。

芸人なのか? ミュージシャンなのか? ふたつの境界に立つ手賀沼ジュンに、理想のエンターテインメントについて聞いた。

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"GYAO"をテーマに即興で回文を披露!


――回文作りにハマったきっかけは?

「2011年頃かな。バイト先が電車で1時間かかるところで、その間暇だから回文を作りはじめたんです。もともと言葉遊びが好きだし、大学の先輩がTwitterに自作の回文をアップしているのが面白そうだったから。

第1作目は、『朝 デカとたぬきうどん どう? 砧(きぬた)とかでさあ』っていうの。最初はやっぱり難しくて苦労しました」

――回文ソングを初披露したときのお客さんの反応は?

「回文を歌にのせたらどうなるかなって考えたんです。ただ、回文の歌を音楽ライブで初めて披露したときは、僕がスケッチブック取り出したところで、『なにが始まるんだ?』みたいに客席がざわざわしちゃって(笑)。最初こそポカンとされましたけど、段々ウケてきてよかったです。

回文の歌は音楽ライブで、『ここらで確実な笑いがほしい!』みたいなところでお遊び的にはさんでたんですけど、お客さんが笑っているのをみたら、これはむしろお笑いライブでやったほうがウケるのかもしれないなと。それで、久しぶりにお笑いライブに出るようになったんです。ただ、回文以外の僕の歌はオチとかあるわけじゃないんで......。だから今、回文の歌くらいしかお笑いライブでやるネタないんですよ」

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――手賀沼さんは、ミュージシャンなのでしょうか? お笑い芸人なのでしょうか?

「もともとミュージシャン志望だったんです。中学生のときにギターなんて買っちゃって。でもお笑いを見るのも好きだったんで、大学では音楽とお笑いのサークル両方に入りました。そのお笑いサークルがWAGEの母体で、芸能事務所から声がかかったんです。

そこからお笑いをずっとやっていましたけど、WAGEが解散となったとき、お笑いでは僕ひとりで切り開いていける力があるわけでもないなと考えて。音楽だって別に才能あるとは思っていなかったんですけど、ひとりでやるとなったら音楽だなと。

『歌ネタ王決定戦2014』で優勝はしたんですけど、僕としては、お笑いに完全に戻ったって気持ちでもないんです。芸人かミュージシャンか自分の中で迷っているというか、どっちも続けていきたいし、そのふたつの活動が重なる部分も大切にしていきたい」

――近いスタイルのアーティストや芸人はいますか?

「音楽とお笑いをどういう割合で融合させていくかっていう悩みはあるんですけど、僕が一番『あっ、このぐらいの割合でやりたい!』と感じるスタイルでやっている方がほかにいないというか、先輩ミュージシャンには『いないんじゃなくて、そこでは成功しないってだけ』って言われちゃいました。......でもマキタスポーツさんは近いのかな? 笑えるネタっていうだけでなく、音楽としてもしっかり作っていらっしゃいますし。

だけど普段出ているライブが音楽のライブっていう芸人はいないし、なかなか特殊な活動をしていると思います」

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――お笑いを経たことで音楽の方向性が変わったということは?

「お笑いを始める前、それこそ高校生の頃は長渕剛さんみたいな男臭いフォークソングが作りたかったんです。でもお笑いをやってみて、人が笑うっていうのは本当に素晴らしいと思った。人に笑ってもらいたいって気持ちがすごくあるんです。WAGEが解散して、ミュージシャンとしてイチからスタートしたときも『笑ってもらいたい』って思いは消えませんでした。

それで、音楽で笑わせるにはどうしたらいいかって考えたときに段々今の形に近づいていきました。回文以外でも僕の歌って、片思いの曲なのにタイトルが『寿司』とか、愛の歌なのにタイトルが『うんこ』とかユーモアの要素を大切にしています。『ネタで笑いをとるぞ!』ってほどではないにしても、ちょっとニヤニヤしちゃうような感じっていうのはミュージシャンとして活動するなかでも全部の曲に入れているつもりです。でもよくよく聞くと、『あっ、これは愛の歌なんだ』みたいにわかるような......。お客さんに『男はつらいよ』の映画を見たときの気持ちになってほしいんです。基本コメディなんだけど最後はホロリと。

音楽のライブで客席から笑いが起こったときは、ものすごくうれしいです。きっと欲張りなんですね、僕。笑いも感動もどっちも味わわせたいんです」

――今後の目標は?

「回文の歌でCDを出したり、ネタをいろんなところで披露させてもらえれば。バラエティ番組に出てトークで笑わせるっていうのができるタイプでもないので、作ったものを見せるというスタイルでやっていきたいです。

夢は3つあって、ひとつはNHK紅白歌合戦、ひとつは『みんなのうた』、ひとつは『ドラえもん』の映画の主題歌。いろんな人たちに僕の歌を聞いて、笑ったり泣いたりしてほしい。子供からお年寄りまで皆が覚えて口ずさんでくれるような歌を作っていきたいな。活動自体は特殊ですが、狙っていることは王道なんです」

現在、ラジオ番組に出演中

☆「手賀沼ジュンのウナンサッタリ・パンツ」、毎週土曜25時~30時にNACK5で放送中。

(取材・文/原田美紗@HEW)
写真:トレンドニュース


手賀沼ジュン(てがぬま・じゅん)
1979年7月24日、ネパール出身(よく間違われるが本人は日本人。両親が当時たまたまネパール赴任中だった)。2001年、コントグループ・WAGEの一員としてデビュー。2006年にWAGEが無期限活動休止した後は、長年の夢であったミュージシャンに転向。しかし回文ネタでお笑いライブにも時折出演し、今年「歌ネタ王決定戦2014」で優勝を果たした。
座右の銘は、「好きこそ物の上手なれ」と「継続は力なり」。


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>> 手賀沼ジュンが出演する、GYAO配信番組「ぶるぺん」


歌ネタ王が優勝の回文ネタを披露!(00:02:17)>>


40文字を超える長い回文を作るコツ(00:01:43)>>


 ※その他の出演番組>>

・歌ネタ王が明かす回文を作るコツ
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