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芥川賞作家の柳美里氏が10月15日、エッセイを連載中の月刊誌『創』(創出版)から何年も原稿料を支払われていないことを、自身のブログで暴露。10月17日、同誌公式サイトにて編集長が謝罪した。

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柳氏は、2007年より同誌でエッセイ「今日のできごと」を連載中。しかし、10月7日に発売された『創』11月号では休載となっていた。その理由を「実は、もう何年も稿料が支払われていないのです」と明かしている。

柳氏は9月に意を決し、編集長宛に原稿料の支払いを要求するメールを送ったそう。その際、「原稿料が全額振り込まれるまでは、次の原稿を書くことはできない」とまで伝えたのだが、返信は、「ショッキングなメールでしたので、考える時間が必要でした。おっしゃること、もっともだと思います。何とかしようとは思っているのですが、大変な時期に力になれずにいて申し訳ありません」というものだった。

その言い分に抗議するように、編集長の実名を出して、「何故、支払ってもらえない稿料を支払ってください、とお願いすることが 『ショッキング』なのでしょうか?」と語る柳氏。「筆者に稿料を支払うことは、筆者の『力になる』ことではありません。労働の対価を支払うことです」と訴えている。

その後、10月に入ってようやく編集長から「弊社から『黒子のバスケ』脅迫犯の手記がようやく発売になり、これが売れるとある程度入金もあると思いますので、可能になり次第、原稿料を振り込んでいきます」という連絡があったとのこと。だが柳氏は、「もし、手記が売れなかったら、原稿料は支払われないのでしょうか?」と疑問を投げかけ、「いくらが未払いで、いつまでに支払うのか」を明確にしてほしいと主張している。

また、柳氏は、「読者には、編集長として休載(あるいは、連載終了)の理由を説明すべきだと思います」と出版社側から紙面で説明がされなかったことにも異議を申し立てる。今回の暴露に至ったのも、このままでは柳氏が原稿を締め切りに間に合わせることができなかったと読者に誤解されると考えたからだそうだ。

その後、10月17日、『創』公式サイトにて、「柳さんの主張は正当です」と編集長が経緯を説明。同誌が経済的にかなり厳しい状況にあることを明かした。

柳氏が問題にしている休載理由を本誌で説明しなかった点については、一度話し合いをしたうえで今後について決定したいと考えたからだという。柳氏と編集長とは長い付き合いだそうで、「それゆえ連載終了と言われて、私の説明ができていなかったことや認識不足を思い知らされてショックを受け、一度お会いして話をしてからと思っていました」と釈明している。

そして、「プロの書き手として柳さんが言われていることは当然のことで、異論の余地はありません」と柳氏の言い分を全面的に認め、早急に話し合いのもと対処する方針を表明。「柳さん自身が書いているように、貴重な執筆の時間を妨げたことも申し訳ないと思っています」と謝罪した。

(文/青山美乃@HEW)

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