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「冬のソナタ」日本初放送から10年、"韓流コンテンツ"は昨年10周年のメモリアルで一時的に盛り上がりを見せた。しかし、韓流人気が低迷しているのは紛れもない事実。ソネットエンタテインメント(株)代表取締役の中野秀紀氏が、今後の戦略について語ってくれた。10周年を終えた今、突入した第2フェーズとは?


<視線の先>ソネットエンタテインメント 中野社長が語る「アジア企業共同事業体としてのアジア展開」


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ソネットエンタテインメント株式会社 代表取締役社長 中野 秀紀氏


■韓流は"終わった"のか


通常、10年間ひとつのジャンルが続けば十分だと思います。特に韓流の場合は、その人気が一時期バブルのようになっていましたので終わったように思われてしまうと感じています。


韓流に限らず、パッケージビジネスの市場は縮小しています。放送というものの視聴スタイルが若い人を中心に変化して、有料チャンネルも伸び悩んできています。その中にあって、実は韓流は一定のマーケット規模を保っています。ただ、ピーク時の数字から考えれば規模縮小している状況になっています。またコンテンツ供給が過剰だったためにお客様に飽きられてしまったところもあると思います。一時期は韓国のドラマがすべて日本で見られるほど飽和状態でした。今はある意味"普通"の状態に戻っただけと考えています。しかし今後を考えると、これまでと同じことをやっているだけでは難しいと感じています。


■舞台をアジアに


こうした複合的な要因により、「韓国のコンテンツを単純に輸入して日本国内で展開する」という輸入モデルではこれ以上の成長が望めなくなりました。日本国内だけではダメなのではないかというのがテーマになってきました。そこでソネットエンタテインメントが韓流ビジネスの第2フェーズとして展開しようとしているのが、"アジア全域での共同ビジネス"です。
具体的には、2000年代にわれわれは韓国コンテンツの安定供給を目的に韓国の音楽事務所、韓国の俳優事務所、そして韓国ドラマ制作会社と資本も含めた提携を行いました。これらの会社との提携を基軸に日本へのコンテンツ供給からアジアを舞台にしたビジネスの展開へと事業変化をしていきたいと考えています。われわれも含めて各出資会社が、それぞれの強みを生かしマーケット開拓を実行する。そしてそれぞれの強みを生かし彼らと共同でアジア諸国で商売をしようということです。


■韓国はアジア各国にルートを持っている


例えば中国には、とてつもない大きな市場が広がっています。そして今まさに中国では"韓流バブル"が起ころうとしています。
台湾では韓国と台湾の共同制作によるドラマづくりが既に大なり小なり積極的に行なわれていたり、タイでは音楽の年間チャートの上位をK-POPが占めたりなど、アジア全域で韓流コンテンツの人気が熱さを帯びています。
もともとわれわれは日本国内を中心に事業展開をしていたので海外へのルートに強みがありませんでした。そこで既に海外展開に慣れておりルートも構築している彼らの強みをこの点は生かしたいと考えています。
あまり日本だ韓国だと意識せずに共同事業体としてアジアに入っていこうという考え方です。韓国はアジア各国に対する販路、インフラをすでに持っている。それをビジネスパートナーとして使わせてもらおうというわけです。


韓国は国内市場が小さかったので海外に出て行くしかなかったと聞いています。それは最近始まったことではなく10年以上前から始まっています。われわれが独自の力で今から始めても正直この時間の差を埋めるにはそれなりの時間を要すると考えています。この時間を一気に縮める方法、その結論が日韓共同事業体という形です。


■"アジア企業"という新しいカタチ


先ほどお話しました韓国のドラマ制作会社と提携した時に、「これからは韓国の作品、日本の作品ということではなく、アジアの作品を一緒に創っていきましょう」という話がでました。


海外進出というと各国から海外へというイメージがあると思いますが、われわれが考えているのはそうではなく、「アジアの企業」が「アジアでビジネスをする」という単純なことです。日本国内の韓流ビジネスを10年続ける中で、いろいろなご縁ができましたので、資本も含めた提携という形をとりながら一つのアジアの企業連合としてアジア市場でさまざまなビジネスができればと考えております。


やってみないとわからないこともたくさんありますが、長年事業をともにおこなってきてパートナー会社との間に信頼関係を築けているというのが最も大きなポイントです。提携の第1ステップは彼らの作品を日本国内で展開する事でしたが、第2ステップとしてアジアをマーケットに共同でビジネスができればと考えております。


(取材・文/大木信景@HEW)
写真:トレンドニュース


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中野 秀紀(なかの ひでき)


1965年生まれ。神奈川県横浜市出身。
早稲田大学理工部卒業後、ソニー株式会社入社。2000年からソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(現 ソネット株式会社)にてコンテンツ事業、映像事業を担当。ソネット株式会社エンタテインメント事業部長を経て2013年よりソネットエンタテインメント株式会社 代表取締役社長。


ソネットエンタテインメント株式会社


ソネット株式会社100%出資のコンテンツ・メディア事業会社。韓流・華流コンテンツを中心としたCSチャンネル「アジアドラマチックTV」を、スカパー!やケーブルテレビ、ひかりTVなどで放送展開。そのほか韓流ドラマを主とした放送権やDVD共同事業、VOD権を販売し、近年では韓流スターをはじめとするアーティストマネジメント、日本公式FC運営、DVD企画販売にも着手している。
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表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。 それぞれの立場にスポットをあてたコーナー展開を実施。インタビューを通して、"情報"にとどまらない「エンタメの真髄」に迫ります。

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