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芥川賞作家の柳美里氏が11月4日、原稿料未払いでトラブルとなっていた月刊誌『創』(創出版)より、未払い金の全額返済を受けたことをブログにて報告した。

10月15日、柳氏が連載中のエッセイ「今日のできごと」を『創』11月号で休載した理由を、「何年も原稿料が支払われていないため」とブログで暴露。「芥川賞作家に原稿料が支払われていない」というこの問題は、世間の注目を浴びた。その後も柳氏は『創』編集長の実名をあげながらブログで追及し続け、告白から約3週間後の11月4日、"全額返済"という形でようやく決着がついた。

ただし、2007年の連載開始当初は、「原稿用紙3枚で原稿料5万円」という依頼であったものを、結局『創』内規の最低原稿料「1枚4000円」にまで減額したうえでの、未払い金再計算となった。そのため、柳氏の当初の計算では1000万円を超えていた返済額は、税金などを差し引き、140万円ほどとなってしまった。金額を譲歩した理由について、柳氏は「1日も早く問題を解決して執筆に集中したいため」と語っている。柳氏と『創』編集長は覚書を取り交わし、「これ以上問題を長引かせると、お互いにダメージが大きくなる」という編集長の判断のもと、11月4日に全額返済に至ったそうだ。

支払われた原稿料は早速、原稿料の入ってこなかった間、柳氏が滞納してしまっていた各種支払にすべてあてられた模様。やっと手に入ったギャラが早くもなくなってしまうようだが、柳氏は「一文無しになりますが、一文無しには慣れっこです」「篠田さんが土壇場で見せてくださった"誠意"に感謝いたします」と述べた。

今回の決着について、ネット上では「解決してよかった」という声が上がっているが、一方で1000万円以上から約140万まで金額を下げられてしまったという結果を受け、「大敗北ではないか」「作家にとって最悪な前例ができてしまった」という声も聞こえている。問題自体は解決となったが、出版社と作家の関係性については、まだまだ議論を呼びそうである。

(文/青山美乃@HEW)

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