ここから本文です

12月21日にメジャーデビュー20周年を迎えるゴスペラーズが、過去と未来を語るインタビュー。その後編では、12月17日リリースの20周年記念ベストアルバム『G20』と12月21日から始まる全都道府県ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2014~2015"G20"」について、そしてゴスペラーズのこれからについて聞いた。


サムネイル
【前編】ゴスペラーズ20周年インタビュー「僕らは未完成な状態でデビューし、必死だった」/<視線の先>


■投票結果から、ファンの僕らへの愛も感じられた


――ベスト・アルバム『G20』の選曲はファン投票をもとに決めたそうですね?

『G20』収録曲

サムネイル


安岡優:10周年記念のベストアルバム『G10』の時は楽曲全体で投票だったんですけど。


酒井雄二: 今回は、「シングル」「カップリング」「カバー・ソング」「アカペラ」「アルバム収録曲 前期」「アルバム収録曲 後期」と部門を設けて、できるだけたくさんの曲を投票できるようにしました。


安岡: すべての楽曲から1曲、2曲を選ぶのは難しいというお手紙をいただいたんですよ。


北山陽一: そうすることで、『G10』とのダブりも避けられるんじゃないか、と。


安岡: その結果、20年分のいろいろなゴスペラーズ――僕らがしようと思っていた見せ方やファンの受け止め方とか、さまざまな表情のゴスペラーズが反映されました。ファンの人たちはテレビで一番流れた曲とか一番売れた曲とかではなく、ライヴで聴いて好きだと思う曲を選んでくれたんだなって気がします。その意味ではこの20年間、直接会える"ライヴ"という存在の大きさを、今回投票の結果を見て改めて感じました。


黒沢: ライヴは僕らがすごく大事にしてきた部分なので、うれしかったですね。


――中には「これが入るのか」という意外な選曲もあったんじゃないですか?


安岡: 全体の1位は、シングルの表題曲じゃなくてカップリングだったんですよ。それってつまり、みんなかなり聴きこんでくれているってことじゃないですか。すごいと思いました。


北山: 『G10』の時もそうだったんだよね。


安岡: あ、そうだったね。しかも、ラブソングが必ずしも1位ではないんですよ。総合の1位はさすがにラブソングでしたけど、でも、表題曲じゃないっていうね。


村上: なんとなくテレビの向こうにいるイメージで僕らをとらえている方からすると、へぇ、こういう曲が(ランクの)上のほうに入るのねって結果かもしれない。


安岡: 街頭で「ゴスペラーズと言えば?」とアンケートを取ったらこういうランキングにはならないだろうという結果でした(笑)。


北山: 好きな曲はあるんだけどアルバムは買わない、でもベストなら買うっていうような人たちに対して、「ぜひこの曲も聴いてほしい」「ゴスペラーズにはこんな一面もあるんだよ」と知らせるような選び方をしてくれる。今回の投票結果から、ファンの僕らへの愛も感じられましたね。ネットのコメントを見ていると、そんな印象がある。


――20年のキャリアがあると、これからゴスペラーズを聴こうと思っても、何から聴いていいかわからないんじゃないですか?


酒井: アルバムの大人買いはさすがにつらいみたいなね(笑)。


――そういう意味で、今回手に取りやすい選曲となったのではないでしょうか?


安岡: そうですね。僕らも自信を持って、最初の1枚目にこれを聴いてくださいと言えるベスト盤になったという気持ちはあります。まずは今回のベスト盤から聴いてもらって、その中で気に入った曲が入っているアルバムをという順番で聴いてもらえたらうれしいですね。


黒沢: オリジナル・アルバムという意味では、全部のアルバムから入っているんで。


■ツアー初日は20周年のその日「ものすごい曲数を歌うことだけはお約束します」


――12月21日のさいたま市文化センター大ホールから、ベストアルバムをひっさげての全都道府県ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2014~2015"G20"」が始まりますね。


北山: 初日の12月21日は20周年のその日なんですよ。


――ツアーではどんなステージを見せてもらえるんでしょうか?


村上: もちろんベストアルバムを軸にしたものにはなると思いますけど、そうは言ってもベストアルバムから全曲やってたら、それ以外の曲が全然できなくなってしまうんで。


北山: 全曲やったら4時間かかりますからね(笑)。


村上: こんなのもあった、こんなのもあったって、みんなで思い出しながら懐かしんで、そのうえでちゃんとこれからが見えてくるようなライヴにしたいと思っているんですけど、ちゃんと考えるのはこれから(笑)。


安岡: ただ、ものすごい曲数を歌うことだけはお約束します。たぶん、長い間、おつきあいしてくださっている方にとっても、全曲知っているかどうか問うぐらいの曲数をやる予定です(笑)。


北山: これ絶対知らないでしょっていう曲もきっとありますからね。


酒井: 地味な曲を1曲混ぜるとか(笑)。


安岡: 外でやった仕事の曲を混ぜるとかね(笑)。


■30周年を目指したこれから


――新たに30周年を目指して、これからどんなことに挑戦していきたいと考えていますか?


酒井: まず全都道府県ツアーの本数を考えても一つの挑戦であるんです。


村上: 20年ずっと応援してくださってありがとうという気持ちを、どういう形で伝えるのがいいか、僕らもいろいろ考えました。普段ではありえない大きな場所に集まってというやり方もあるし、作品の出し方で感謝の気持ちを伝えるというやり方もある。僕らは僕らなりに考えて、"できるだけ多くのステージに立つ"ってことを、一つの覚悟と言うか、感謝の気持ちの表し方だと考えました。
お客さんにしてみれば、ライヴの本数はそんなに関係ないのかもしれないけど、僕らがそういう気持ちでやっているってことは伝わると思うんですよ。トライを続けるのは本数のためではなく、「いろいろな町に行きますよ」ってこと。全都道府県やったら、今度は一つでも多くの町を目指したいっていう、今後もゴスペラーズの活動の柱になると思います。


あとはやっぱりソウル・ミュージック/ブラック・ミュージックを柱にしながらも、これだけいろいろなスタイルでアメーバ的に(笑)、いろいろな曲を作ってこられたことも、20年間、人前でやって来られた大きな理由だと思うんですよ。いろいろな人とセッションなり、コラボレーションなりをやってきたという強みは、まだまだ生かせると思います。まだ一緒にやっていない人との出会いがあるんじゃないかと思える楽しさは、どんどん追求していきたいですね。


――ひょっとして、新たなコラボレーションが決まっているとか?(笑)


村上: いやいやいや、それはまだ決まってないです。コンサートみたいなことはちょっとあると言えば、あるんですけど、「和太鼓グループとセッションします!」みたいなことが決まっているわけではないです(笑)。


・・・・・・・・・・・・・・
ゴスペラーズ
安岡優、村上てつや、黒沢薫、北山陽一、酒井雄二の5人からなるヴォーカル・グループ。1991年、早稲田大学のアカペラ・サークル<Street Corner Symphony>で結成。メンバーチェンジを経て、1994年にキューンレコードよりシングル「Promise」でメジャーデビュー。2000年8月リリースのシングル「永遠(とわ)に」、10月12日リリースのアルバム『Soul Serenade』のヒットでブレイクを果たす。その後も「ひとり」「星屑の街」「ミモザ」など多数のヒット曲を世に送り出している。


ゴスペラーズ 「ギリギリSHOUT!!」(LIVE ver.)無料配信>>


(取材・文/山口智男@HEW、撮影/神谷渚)
写真:トレンドニュース


■「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている"視線の先=考え、狙い、戦略"を一緒に見てみたい。


表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。 それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通して、"情報"にとどまらない「エンタメの真髄」に迫り、読者の皆様にお届けいたします。


【バックナンバー】
【前編】ゴスペラーズ20周年インタビュー「僕らは未完成な状態でデビューし、必死だった」/<視線の先>
<視線の先>山中さわおインタビュー「the pillowsの25年とこれから」
<視線の先>私が『夏祭り』を歌い続ける理由......歌への愛憎に揺れた日々

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ