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2015年が明けた途端、ビッグニュースがアイドルミュージック界に飛び込んできた。それは「昨年解散したBiSの仕掛人が、もう一度新たなBiSを始める」というもの。新たなグループ名は「BiSH」で、早くもメンバーオーディションが始まっている。

発表されるや音楽業界の話題をさらったこのプロジェクトの真相を探るべく、BiSの元プロデューサーであり元マネジャーの渡辺淳之介氏を直撃。解散からわずか半年、元メンバーたちの次なる活動も見えてきたタイミングで何を起こそうとしているのか、話を聞いた。

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「BiSH」プロジェクトを開始した元BiSマネジャー渡辺淳之介氏


■"新生アイドル"BiSHはじめます

思いついたのは2014年の12月終わり。BiS解散と前後して、プロデュースの中心だった僕と松隈ケンタがそれぞれ新しい会社を起こしたり、元BiSメンバーによるプラニメやBILLIE IDLE(R)といったグループを新たにマネージメント、プロデュースしたりしていましたが、僕がすべて好きなようにできるものって実はないことに気がついたんです。プラニメはマネージメントこそ僕がやっていますが、一応プロデュースはプラニメ自身ということになってますし、BILLIE IDLE(R)は僕とNIGO(R)さんの二人で共同プロデュースしている。もちろん楽しくというか最高なことやらせてもらってるんですが、そんなことをサウンド・プロデューサーの松隈ケンタと話しているときに、「独立してからワガママで好き勝手なことやってなくね?」という話になった。そうしたら急に焦燥感が出てきて。12月末に「これは来年、なんかやらなきゃだめだ」となったときにすぐ思いついたのがBiSHプロジェクトでした。

「ああ、俺バカだなあ」と自分でも思いましたが、もう楽しくなっちゃったんで、とりあえず企画書作って松隈ケンタに「自分たちが震えるプロジェクトをもう一度一緒にやりませんか」って投げたんです。そこから、ロゴデザインとか2週間で全部準備して、先日の発表になりました。僕せっかちなんで、すべて最速で事を進めたいってところがあるんですよ。

■目標は「武道館」

BiSHをやるのは僕と松隈ケンタ、衣装デザイナーの外林健太、アートディレクターの真田礼(Studio-Novel)の4人。BiSを始めたこの4人で、一からみんなで作っていくというのをもう一度やりたいんですよ。プロモーションなども含め、そのときそのときにやりたいことで一番おもしろそうなことをやっていくというスタンスはBiSと変わらない。オーディションの質問でも「(BiSと同じように)脱がされますか?」ってよく聞かれるんですけど、まあ脱がされるかもしれないし脱がされないかもしれない。メンバーが集まってみて、そこからですよね。

メンバーに関しては現状、まっさらです。会ってみないとわからないですから。すっごい歌がうまい子が来るかもしれないし、全員うまかったらアカペラグループになるかもしれない(笑)。それはわかんないですね。ただ、BiSが最初4人だったので、BiSHも4人で行きたいなとは思っています。結構ゲン担ぎするほうなんで。

ただ、目標に関してだけは、日本武道館でのライブが達成できなかったので武道館でやりたいですね。そこまで何年かかるかわからないですけど、とりあえずそこに向けて頑張っていきたいなと。あと、5月にCD出すことは決まってるんですが、フルアルバム出します。BiSのファーストアルバムが14曲だったから、それくらいのボリューム感でやっとかないといけないかなと。

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■アイドルシーンの"ボトム"を作る

今のアイドルシーンって、次の世代を狙ってひしめき合う、いわゆる"ボトム"がいないんですよ。
僕が最初にBiSを始めた頃って、いわゆる地下アイドルの黎明(れいめい)期で、ボトムしかいなかった。今をときめくでんぱ組.incだって3年くらい前にはじめてBiSとツーマンやったくらいで、そのときも100人くらいしか入ってない。ほかにもいろんなライブアイドルがいて、みんな「なんかやってやろう」と思ってたし、いわゆる"ド地下"と言われてたところには「なんか新しいの見つけ出そう」という熱気があった。

今そういうボトムがほとんどいなくなってしまって、それこそ300人規模くらいでワンマンライブができるような子たちが、慣れ合いみたいな感じでいろんなイベントに複数グループが一緒に出る、みたいな状況になってしまっている。そこがすごくつまらないですよね。新陳代謝がない。それって終焉(えん)に向かう現象なんじゃないか、やばいなって思います。BiSが出てきたときって、どんどん面白いアイドルがいっぱい出てきていて、「わっ! 今度はこっちが面白いらしいぞ!」みたいなのがすごくあったんですよね。でも今はそれがない。だから、ボトムを作ってみたいなと。

グループ名もBiSHだし、BiSと比較されるのは避けられないと思いますよ。僕の中ではBiSは終わったものなんですが、ただ、意識しないと言ったらウソになる。でもそれは、BiSの良かったところはまたやればいいし、悪かったところは直せばいいということ。おんなじことやってるクセに「これはまた別の新しいアプローチなんだよ」みたいなこと言うの、バカだなと思って。人間なんて変わらないのに、そういうのカッコ悪いんですよ。だから、BiSが好きだった人は期待してくれていいんじゃないですかね。もちろんあのメンバーだからこそのストーリーはありましたが、BiSを作ってきたのは僕でもあり松隈ケンタでもあるので、そういう部分でも、ファンは好きになってくれたんじゃないかって思うので。きっと怒るやつは怒るやつでいるだろうけど、好きなやつは多分好きなんじゃないかなと思います(笑)

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【プロフィール】
渡辺淳之介
1984年生まれ。東京都出身。つばさレコーズにて音楽プロデューサーやA&Rを務めBiSの仕掛人として知られる。2014年7月の横浜アリーナでのライブをもってBiSが解散した後、独立し株式会社WACKを設立。音楽関係の"なんでも屋"としてプロデュースやマネジメント等、幅広く活動。
座右の銘は「人生やったもん勝ち」。

☆『劇場版 BiSキャノンボール2014』
2014年7月8日、横浜アリーナで行われたBiSの解散ライブ前後を6人のAV監督が6人のBiSメンバーそれぞれに密着し、その素顔と本音を追ったドキュメンタリー映画。アイドル史上、最もヘンテコで不条理なドキュメント。2015年2月7日(土)からテアトル新宿を皮切りに全国ロードショーが決まっている。

(取材・文/大木信景@HEW
写真:トレンドニュース

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