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斬新さと懐かしさが絶妙に入り混じる音楽性を掲げ、ロック・シーンにおいて独自のポジションを築いてきたフジファブリック。彼らが昨年11月28日、デビュー10周年を記念する、初の日本武道館ワンマン公演を成功させた。この10年の集大成ともなったそのライヴの模様が2月23日からGYAO!で独占配信されることが決定。それに先駆け、メンバー3人にこれまでの歩みを振り返ってもらいながら、ライヴの見どころ、さらには武道館で初披露した新曲「はじまりのうた」から始まる、フジファブリックのこれからを尋ねてみた。

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フジファブリック:左から金澤ダイスケ(Key, Cho)、山内総一郎(Vo, G)、加藤慎一(B, Cho)
写真:トレンドニュース


――2014年は8作目のアルバム『LIFE』のリリースやその後のツアー、そして日本武道館公演、とデビュー10周年というアニバーサリー・イヤーにふさわしい一年でしたね?

山内総一郎(Vo, G):月並みなんですけど、節目になった一年でした。09年に志村(正彦)君のことがあっても、それでも(バンドを)続けていこうと決心し、僕らは10年続けてこられたわけです。アルバムに関しても、この10年のフジファブリックのことや自分たち自身のことを思い返しながら作れた曲もあります。武道館という場所も10年目にふさわしいということで選びました。振り返ってみると、区切りを一つつける一年だと感じながら過ごしていました。

加藤慎一(B, Cho):一年があっという間だった気がするんですよ。いろいろやっていたせいか、スピードがこれまでとは違ったような一年になった気がしますね。

――それだけ充実していた、と?

山内:シングルも2枚リリースしましたしね。

加藤:2枚?

山内:「LIFE」と「ブルー / WIRED」。

加藤:ああ。

山内:忘れてるんじゃない(笑)。それぐらいのスピード感があった加藤です。

加藤:...です(笑)。

■音楽が好きなんですね、3人とも

――昨年9月にリリースした8枚目のアルバム『LIFE』はファンの間でもフジファブリックの最高傑作じゃないかという評判が高いようですね。

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山内総一郎(Vo, G)
写真:トレンドニュース


山内:そうだと思います。いや(笑)、やっぱり最新アルバムが一番いいと自分たちも思いたいですし、そのためにやっているってところもあります。もちろん、それは志村君が歌っている曲よりもいいということではなくて。
10年、このバンド名で続けてこられているのは幸せなことだと思うんですけど、それを感じながら、毎回、自分たちで何かしらハードルを設けて、作品作りに臨んできました。自分たちが納得できるラインもちょっとずつ変化があります。だから、一番新しい作品をそういうふうに言っていただけると、本当に勇気が出ると言うか、がんばろうと思いますね。

――『LIFE』を聴いたとき、とても純粋なものを感じて、心が洗われるようなすがすがしい気持ちになりました。

山内:ありがとうございます。曲を書きながら、自分の心が浄化している感じはありました。言葉から出てきた曲がほとんどで。モヤモヤしている気持をつらつらと書けば、自分セラピーじゃないですけど少しは楽になるかなと思っていたら、本当に楽になったんです。それを聴いてそういうふうに言ってもらえると、うれしいですね。

――10年間、メジャー・レーベルに所属してやってきたバンドがここまで音楽を作ることを楽しめているってことがすごいと感じました。

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金澤ダイスケ(Key, Cho)
写真:トレンドニュース


山内:いやいやいや、それはもう優秀なスタッフのおかげです。ね、そうだよね?

金澤ダイスケ(Key, Cho):うん。すべてそのたまものだと思います(笑)。

――しかも、ただ楽しんでいるだけではなくて、冒険心にあふれ、いろんなハードルも越えている......。

山内:そのハードルもビビりながら目をつぶって飛んでいるところもあるので、越えられているかどうかはリスナーやライヴに来てくれるお客さんの反応によって変わってくると思うんです。メジャー・レーベルで10年っていうのも、本当に人との巡り合いに、僕らは恵まれていると思います。おもしろい人が多いよね?

加藤:そうだね。それもよかったと思う。

山内:この10年の間には試行錯誤や悩むこともいろいろありました。僕らってそんなにヒットした曲があるというわけではないから、いろいろ言われることもあったんですけど、それだって「ダメだよ。こんな売れ線の曲を書いてたら」という言った人もいましたし、「もうちょっとちゃんとやって」と言った人もいましたし(笑)。

いろいろな人がいましたね。いや、いますね(笑)。それと、自分たちではなかなか見えづらいんですけど、志村君も含め、メンバー間のバランスもあります。メンバー個人個人が聴く音楽もデビュー前は今よりも離れていたと思うんですけど、それが段々、音楽に対する接し方も含め、似てきたっていうのも続けてこられた理由の一つかもしれない。わかるでしょ? 違う?

金澤:そういうことだと思います。

山内:まったく一緒じゃないですけど、何て言うか、音楽が好きなんですね、3人とも。そういうところがいいのかな。

加藤:うん、そうだね。

■2015年のテーマは、これまでやっていないことをやっていこう

――ところで、日本武道館はバンドマンにとって憧れの一つでもありますが、みなさんにとって目標の一つではあったんですか?

山内:到達点の一つではあると思っていましたけど、武道館を目指すぞみたいなものはなかったです。ただ、歴史のある場所ですし、自分たちにとっても節目のライヴだから、これはヘタできないぞと思いながらステージに立ったわけなんですけど......あのステージに出た瞬間はやっぱり感動したと言うか、これが武道館かという洗礼を受けましたね。イベント出演という形では何度か立ってはいたんですが、ワンマンはそれとはまた違ったものがありました。その時の光景はいまだに目に焼きついています。
今回のGYAO!での配信でも、その雰囲気は味わっていただけるんじゃないかな。実は武道館公演をDVD / Blue-rayでリリースするんですよ。だから、今回GYAO!で見て、いいと思ってもらえたら、ぜひ買っていただきたいです(笑)。MCもほぼカットしないで、そのままその場の空気をパッケージした作品になっています。

――武道館公演のセットリストはどんなことを考えながら組んだんですか?

山内:『LIFE』のツアーのファイナルという位置づけではあったんですけど、僕らがどうやって生きてきたか、その集大成を、その日一日でみせようと......もちろん『LIFE』のツアーでも各会場でそういうことをやっていたんですけど、見にきてくれるみなさんに届けたいと思って、自分たちの歩みを考えながら作りました。

――志村さんのヴォーカル音源を使った「茜色の夕日」をはじめ、志村さんも一緒にステージに立っているという思いを感じさせるようなところもありましたね?

山内:なかなかできることではないですよね。やっぱりデビューして10年という節目でもあり、また武道館という場所でもあるからこそできたことだと思います。

――その他、見どころと言うと、どんなところでしょうか?

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加藤慎一(B, Cho)
写真:トレンドニュース


金澤:映像という意味では、僕は普段からけっこう映像チームにカメラを発注したり、こういう画が欲しいと言ったりしているんですよ。

山内:自分専用カメラがあって、自分がよく映る、いい角度に置くんですよ(笑)。なんでダイちゃんのところはカメラがこんなに多いんだろうっていつも思います。

金澤:それはやっぱり見ていただく方が同じような映像ばかりで退屈しないように。

山内:キーボーディストってなかなか自分の立ち位置から動けなかったりするんでね。

加藤:序盤と終盤の(3人の)顔はけっこう違って見えると思うので、そういうところも楽しんで見ていただけたらと思います。

金澤:それぞれにいろいろな表情していると思います。

山内:自分でも思うだろうね。俺、こんな顔してたのかって(笑)。

金澤:ね(笑)。

加藤:ステージに出た瞬間は、やっぱり圧倒感があったんで、うわーって顔してる。

山内:えーー聞いてないよ、みたいな(笑)。

金澤:ステージに上がった時はお客さんの熱気に応えると言うか、それに負けられないぞという感覚がありましたね。

加藤:それが最後には......後半、テンポの速い曲が多かったせいか、見ているお客さんも演奏しているこちらも気持ちが高ぶって、よりいっそう、一体感が増している。

――武道館で披露していた新曲「はじまりのうた」から始まる今年2015年を含めた今後の活動について教えてください。

山内:コンセプト・アルバムを2枚リリースします。『BOYS盤』と『GIRLS盤』。何曲入るかはまだ決まってないんですけど、作品のテーマとしてはおもしろいんじゃないかと思ってて。少年少女ってざっくりはしているんですけど、それを楽しんで作りたいです。
「はじまりのうた」も、今までのフジファブリックが終わって、これから新たに始まるんだぜってことではなくて、また新しい面を見てもらいたいという曲なんです。だから、もっともっとみなさんの期待に応えながら裏切りたい。独自性を意識しながら、よりいい作品を作っていきたいっていう、まぁ、当たり前のことなんですけどね。その始まりがまたやって来たという感じです。

――3月27日からは全国17カ所を回る「フジファブリック LIVE TOUR 2015 "はじまりましツアー"」もスタートします。

山内:ライヴが年々楽しくなってきてるんです。もともと楽しかったものがより楽しくなってきている。今度のツアーは行ったことがないところが多くて、スタートが福井なんですけど、これも初めてやるところで。これまでやっていないことをやっていこうっていうのも今年のテーマでもあります。

金澤:10年やってきましたけど、まだまだ経験していないことはたくさんあるので、いろいろトライしていきたいですね。

加藤:ですね。トライしたいことを見つけるところから始めたいと思います(笑)。

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3月27日からは全国17カ所を回る「フジファブリック LIVE TOUR2015 "はじまりましツアー"」もスタート
写真:トレンドニュース



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【フジファブリック】
2000年、志村正彦(Vo/G )を中心に結成。2004年シングル「桜の季節」にてメジャーデビュー。2009年末、志村が急逝。2011年より山内総一郎(Vo/G)、金澤ダイスケ(Key)、 加藤慎一(B)の3人体制で活動。2014年11月、日本武道館での初ワンマンライブを開催した。

(取材・文/山口智男@HEW、撮影/蔦野 裕)
(写真:トレンドニュース)

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フジファブリック 「若者のすべて」(「Live at 日本武道館」より)

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