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このところ、10年以上前の古い漫画・アニメ作品がリメイクされることが増えている。

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写真:アフロ


言わずと知れた90年代少女漫画の金字塔「美少女戦士セーラームーン」は、リメイク版「美少女戦士セーラームーンCrystal」が昨年より放送されている。また7月には、90年代に連載されていた漫画「うしおととら」がアニメ化。11月にも、99年に放送されていた「デジモンアドベンチャー」の新作映画「デジモンアドベンチャー tri.」の上映が控えている。さらに田中芳樹の大河小説「アルスラーン戦記」も過去に一度アニメ化されているにも関わらず再度アニメ化され現在放送中。同著者のSF小説「銀河英雄伝説」も再アニメ化が決定している。

■リメイクラッシュの裏に、アニメ視聴者の高齢化か

まさに空前のリメイクラッシュ。なぜ一昔前の作品がこうも脚光を浴びるようになったのだろうか? 漫画編集者に話を聞いてみたところ、その理由に"お金を落とすユーザーの高齢化"と"晩婚化する社会"があるのではないかという。

「若年層はYouTubeやニコニコ動画などでアニメを無料で見ることに慣れてしまっています。そのため、グッズを購入するほどの強い嗜好性のある、いわゆる"オタク層"も残ってはいますが、どちらかというとタダでアニメを楽しむライト層が多くなってきています。
なおかつ、晩婚化というのも理由にあるでしょう。かつては多くのアニメ視聴者が30代になると家庭を持ち、趣味にお金を使えない傾向がありました。ですが、2000年代以降は晩婚化が進み、とくに近年30代~50代で独身というアニメ視聴者が増えているんです。独身で自由にお金を使える、なおかつアニメにお金を使う習慣のある30代~50代の人々に合わせるとなると、どうしても彼らのドンピシャである10~20年以上前の作品をリメイクしたほうが売れやすいのではないでしょうか」

つまり、アニメに多くのお金を使ってくれるユーザーの年齢層を考えると、どうしても昔の漫画をリメイクしたほうがヒットしやすいということだ。また、根強い人気を持つ漫画をアニメ化するのは、当時ファンだった30代以上の人々のみならず、作品名だけをなんとなく知っている若年層の興味も引くかもしれない。

■"確実に売れる"じゃないとアニメにできない

さらに、制作側としても原作が"売れた"という後ろ盾がないと、なかなかアニメ化しづらいところがあるのだという。

「アニメを制作している側としても、『仕掛けて大当たりを狙う』よりは『確実に当たるものを出していく』戦略の傾向が強くなっているのかもしれません。だから、興行成績や売上できちんと好成績を残しているもののアニメ化が増えていると思います。
そして、コミックを売る際に、アニメ化した/しているというのは最大の宣伝効果があります。アニメ化した時点で漫画の連載が終わっていれば、そのぶん書店に並ぶ巻数も多い。1巻でも多く出ているほうが売上も大きくなりますよね。また、未完結の作品をアニメ化した場合は、連載が続いていてもアニメの終了とともに"オワコン感"が出てしまう危険性がありますが、既存作品の場合にはそれがありません」

比較的計算しやすいことに加え、過去作の掘り起こしも期待できるリメイク作品。今後オリジナルアニメは影を潜めていくのだろうか。

(文/おきざきみあ@HEW

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