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斉藤由貴といえば、言わずと知れた80年代トップアイドルのひとり。ごくごく普通の女子学生だった彼女が、突然アイドルになり、30年間も芸能活動を続けてきた裏側には計り知れない苦労があったに違いない。そう思って斉藤にデビューから今までの道のりを聞いてみると、意外な言葉が返ってきた。

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5月24日(日)放送の「ウチくる!?」(フジテレビ系)にて、斉藤由貴が出演


■アイドルと言われることが嫌だった

「芸能活動を辞めたいなと思ったことは一度もないです。だけど、アイドルってくくりでひとまとめにされるのは好きじゃなかったな。私はアイドルになりたい、歌手になりたいと考えたことは一度もなかったので、最初はみんなから『アイドル』と言われることが少しつらかった。ずっとお芝居が好きだったんです。だから最初は女優としてお仕事を始めていくんだなって思っていたのに、気がついたらアイドルになっていて『なんで?』ってすごく思っていた。そこのギャップにはずっとずっと戸惑っていました。

デビューするまでは、ただ単に学校で目立たない人でした。1984年に『ミスマガジン』でグランプリをとって、いきなり皆から注目されるようになってしまった。自分の立場のギャップに焦りました。違和感がすごくて。ずっとひとりで芸能活動をしていくなかで、家族やスタッフさん達にいつも支えられていたなと思います」

■はじめからトップに君臨

「これ、すごく後ろ向きな発言なのですけれど、私は自分から何か夢を持って突き進んだという経験があまりないんです。どちらかというと、お仕事をしているうちに周りが動いてくれて、気づいたらここまできていた。なので、芸能界での目標みたいなものも特に持っていませんでした。幸いにも私の場合は、ここを目指すぞっていうところに最初から立っていたということがあったんですね。だから『あのポジションを目指して頑張るぞ!』って思いつきもしなかった。幸運にも当たり前のように連続ドラマの主演をやらせていただいて、朝ドラの主役になって、紅白の司会を務めて......始まりからずっとそうだったんです。これは自慢とかじゃなくて、事実としてね。いいとか悪いとか、目標とかを考える必要が一切なかった。もちろん、事務所やマネジャーさん、ファンの方々のおかげだと思います。

そうやって、無理せず頑張りすぎなかったことが30年間も芸能活動を続けるにあたって、功を奏したと思います。思い返せば体力的な無理とかはしてきたけれど、この芸能界でなんとか生き残らなければ......みたいなことは思ったことがない。なんとなく、私らしくこのまま、この歳まで生きてきただけなので『よくこの歳までお仕事を頑張ってきましたね』って言われると『言われてみればそうだな』なんてくらいにしか思わない。

あと、思うのは、時代とか求められているものとか、とにかくいろいろな出会いとの運が良かった。それ以外は私にもよくわからないです」

■歌番組が嫌いだった

「お仕事のなかでは、歌番組が好きじゃなかった。かなり人見知りだったので、知らない歌手の人とずっと一緒に居なければならないことが耐えられなかったんです。当時の事務所、マネジャーさんの方針だったのか、ファンとの交流もあまりないほうで、サイン会やファンとの集いとかも全然やりませんでした。
そのなかで、ラジオ番組『斉藤由貴 ネコの手も借りたい』(ニッポン放送)は唯一のファンとの交流の場でした。ファンの方からもらったはがきに私が答える、この形ならファンと交流することも苦ではなかった。面と向かってだと全然話せないので、こういう方針でお仕事をさせていただいたのは、私にとって非常にラッキーなことでした。はがきで、『野球チームを作るので、チーム名を命名してください』って言われて、『ポンチーズ』って名前を付けたりしました。『イカレポンチ』って言葉が好きだったから(笑)。

それから、アイドルで売れたことによって、お仕事でいろいろな場所に行けるようになったことはとても楽しかったです。特に、ベトナムとかフィリピン、タイに行ったりしたドキュメンタリーのお仕事が印象に残っています。
インドに行ったとき、現地の子ども達に『持っているものをちょうだい』って言われたんです。あらかじめ『現地の子に物をあげてはいけない』と聞いていたから何もあげなかったら、後ろから石を投げられました。かなりショックでしたね。だけど同時に、これが世界というものなんだなと思ってかなり勉強にはなりました。この仕事をしていなかったら行けなかった場所に行けたということはすごくいい経験になったと思います」


「当たり前のように連続ドラマの主演をやっていた」......そう淡々と語る斉藤の口ぶりに、驕(おご)りは一切ない。デビューから30年たった今でも、決して飾らず私らしくここまで生きてきたのだと話す斉藤のなかにはデビュー当時のあのはかなげな少女の姿が見えるような気がする。

◆斉藤由貴(さいとうゆき)

1966年9月10日生まれ。神奈川県出身。1984年に『少年マガジン』(講談社)第3回「ミスマガジン」でグランプリに選ばれてデビュー。テレビドラマ「スケバン刑事」(フジテレビ系)で主演のほか、さまざまな映画、舞台作品にも出演。女優活動のみならず、詩、小説、エッセイなども執筆。さらに歌手活動も行っており、『卒業』『夢の中へ』などのヒット曲も持つ。座右の銘は「なるようになる」。

☆斉藤由貴のデビュー30周年を記念したアルバム『ETERNITY』が発売中。「誰もが味わった特別な恋の瞬間へのオマージュ」をテーマに、JAZZバラードの名曲スタンダード・ナンバーを中心に歌い上げる。歌詞ブックレットには対訳詞、曲解説、本人コメントも掲載しており、シンガーソングライター・谷山浩子、作曲家・武部聡志のコラボレーションによる新曲も収録。

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斉藤由貴30周年記念アルバム『ETERNITY』発売中


☆5月24日(日)放送の「ウチくる!?」(フジテレビ系)には、斉藤由貴が出演。80年代トップアイドルの斉藤が、娘から「家ではあまり笑わない」と暴露されたり、ママ友とメッセージでやりとりをする際になぜか関西弁になってしまうおちゃめな姿をのぞかせた。

(取材・文/おきざきみあ@HEW
(写真:トレンドニュース)

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