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モーニング娘。の第1期メンバーで、現在は歌手・女優の安倍なつみ。高校生のときにグループで5万枚のインディーズCDを売り切り見事アイドルデビューしたエピソードを覚えている人は多いのではないだろうか。モーニング娘。を卒業してから10年が過ぎた今、その華やかな舞台の裏に隠された思い出を語ってくれた。

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【90sTV マンスリーインタビュー】安倍なつみ


■モー娘。時代は精神的にいっぱいいっぱい

「モーニング娘。をやっていたころは本当にハードでした。夜中までダンスレッスンをしたり、曲を覚えたりしていたので睡眠時間は2、3時間くらい。おもに移動中に寝ていました。それでもやることがたくさんあったから、休憩時間に生放送の前フリを覚えていたりしていた。そうしたらマネジャーさんにスタジオの電気を突然消されて、『今から15分くらい寝てください』って強制的に固い床の上で寝かされたことも(笑)。起きたら強い栄養ドリンクとかを『飲め』って出されて......今から思うと本当に人間的じゃないといいますか。常にやるべきことが目の前にあって、精神的にいっぱいいっぱいになってしまっていたと思います。私以外のメンバーも大変だっただろうな。

初期メンバーは特にそうなんですけど、常にお互いがライバル意識を持っていたせいか、干渉することは少なかったですね。本当にソロのアーティストになりたいと思っていて、歌が大好きで集まっているメンバーだったので、本番前も各々集中してるから話さない。それ以外でも、みんなで会話したりとか、例えばプリクラを交換するとかそういう友達付き合いはあまりなかったです。その後もしっかりやらなくっちゃなっていう責任感とかプレッシャーを背負いながら戦ってきたイメージなので、私にとっては友達というよりも戦友というイメージの方が強いです」

■多忙ななかで支えてくれたのは家族

「仕事と生活のバランスが取れなくなったりしたときにふと実家に電話すると、お母さんが『今日のうちのご飯はロールキャベツだよ。なっちゃんも食べにおいで』なんて言うんですよ。その向こうで愛犬が鳴いてたりとか、妹が『なっちねーちゃん』って喋(しゃべ)ってる声が聴こえる。そういうときは涙が込み上げてきました。すぐにでも帰ってお母さんのご飯が食べたいって思うんですけど、口から出る言葉は『そんなこと言わないでやー』とか『行けるわけないっしょやー』なんですよね。親にはそうやってごまかしてきたけどやっぱり寂しかったし、ホームシックにもなりました。北海道から家族が遊びにきてくれて、帰るときの電車を見送るのもつらくて。自分の部屋に帰ったら手紙とかが置いてあって、『もうやめて!』って思いました(笑)。だけど、両親や家族がいてくれたおかげで『頑張ろう』って思えたんだと思います。挫けそうになっても、『よし、まだまだ自分はやれる』って」

■自分はずっと晩婚だろうと思っていた

「恋愛については、禁止だよっていうルールは特になかったんですけど、地元が北海道だったっていうこともあって恋愛する時間が全くなかった。本当に忙しかったしスタジオに入ってもトイレに行くにしても常にマネジャーさんが付いてきて......なんて感じでした。人と会う機会も会話することもなかったので、出会いの場がなかったんです。

そのころは恋愛したいとも思っていなかったですね。私はなんとなく晩婚なんだろうなあって思っていました。しかも結婚したいとか、お嫁さんになるのが夢なんて思ったことが正直なくて。周りからもなぜかずっと、『あなたは晩婚だろうね』って言われていました(笑)。
それと同時に会社の人から『モーニング娘。の顔としてお前は頑張るんだぞ』なんて言われていたので、正直恋愛どころではなかったです。みなさんが思うほどキラキラしたプライベートはおくっていなくて、実際は本当に地味で寂しいものでした。あのときは『これが普通なんだな』って思っていたけれど。

90年代は、自分の人生を振り返ってみても本当にすごい時代だったと思います。普通に学生として生きていたのに、オーディションに応募して、デビューさせてもらって、プロとして東京に出てきて活動するっていう。予想だにしなかったことがたくさん起きた。
レコード大賞新人賞をいただいたり、紅白に出させてもらえたり、初のオリコン1位を獲得したり......それまでは普通の高校生だったのに日本中のいろいろな人が見てくれる番組に出たり、みんなが知っている人に急になってしまった。だけど今となっては『これはなかなか面白い人生だな』と思います。90年代は私にとって人生が大きく変化した時代でした」


グループアイドルでありながらも、意外な孤独を明かした安倍。人々に元気を与える華やかなイメージの後ろには、ひとりで戦う女性の姿があった。

(文/おきざきみあ@HEW
(写真:トレンドニュース)

◆安倍なつみ(あべなつみ)
1981年8月10日生まれ。北海道出身。1998年に「モーニング娘。」としてデビュー。2003年にはソロ活動を開始し、2004年に「モーニング娘。」を卒業した。現在は舞台女優・歌手として活躍している。

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