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2016年8月7日にデビュー20周年を迎える音楽ユニット、Every Little Thing。96年にボーカルの持田香織とギターの伊藤一朗、そしてキーボードの五十嵐充により結成され、98年に8thシングル「Time goes by」で初のミリオンヒットを記録して以降、常にシーンの第一線で活躍し続けている。2000年に五十嵐が脱退し二人組となってからは、各々のソロ活動も積極的におこない、持田は同世代の女性にとってのファッションリーダー的存在となり、伊藤はバラエティ番組で新たな魅力を表現するなど、ミュージシャンとしてだけでなく、広くお茶の間の人気者へと変化していく。しかし、その道のりは常に順風満帆だったわけではなく、「ヒット曲を歌い続けていく」ということへの葛藤と向き合い、乗り越えたからこその今があるという。
今年10月17日から「20th Anniversary Best Hit Tour 2015-2016~Tabitabi~」と題した大規模なツアーが控えている二人に、これまでの道のりや、お互いに対する思い、ツアーへの意気込みなどを語ってもらった。

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10月17日から「20th Anniversary Best Hit Tour 2015-2016~Tabitabi~」をスタート


ーーデビューから20年という年月の中で、お互いの役割や関係性は変化していきましたか?

持田 :私の中での「一朗さん像」っていうのは、ずっと変わらないですね。音楽をやっていく上で「歳の差は関係ない」って一朗さんは言ってくださるんですけど、やっぱり私よりも10年長く生きていらっしゃる方なので、いろんなことを教えてもらってきました。
伊藤 :何をおっしゃいますか!(笑)デビューの頃から徐々に変化してきたと思っています。最初は3人グループで、女性ボーカリストが前に立って、男二人が後ろで支えるっていう。極論を言えば、男の方はメディアに出ずに「縁の下の力持ち」的な役割を担ってたんですけど、メンバーが一人いなくなり、気が付いたら楽器も持たずにテレビに出たりとか(笑)、時代や状況の移り変わりによって変わってきました。

ーーテレビで見ている限りでは、持田さんがしっかり者、伊藤さんが「ツッコまれ役」みたいなイメージなのですが、実際はどうなんでしょう。

持田 :実際は、一朗さんがすごくしっかり者なんですよ(笑)。

伊藤 :そんなわけないよ!

持田 :はははは(笑)。常にでーんと構えてくれている感じがあります。私の方は、どちらかといえば「あれもやってみたい」「これもやってみたい」と変化を好むタイプなんですが、一朗さんは「自分はこうだ」っていう確固たるものを持っているんですよね、いい意味で。一朗さんがギターを弾けばELTのサウンドになるとか、そういうところはすごく安心していられるし、だからこそ私も自由にチャレンジできるんだなって思います。

ーー20年の活動の中で特に印象に残っていることは?

伊藤 :デビューが決まってから最初の3年間というのは、自分にとって5年分くらいの経験で(笑)。いろんなことが目まぐるしく動いていて......。とにかく、流れに流されないように、3人で同じ方向へ泳いでいけるようにしていましたね。もちろん、学ぶこともたくさんあって。例えば『紅白歌合戦』に出演すれば、演歌の人たちとも共演する機会もあるわけじゃないですか。「1曲をこんなに長く歌い続けているんだ、歌うことが可能な世界なんだ、すごいなあ」って思いました。

ーーとはいえELTも、「出逢った頃のように」(1997年)や「Time goes by」(1998年)など、長く歌い続けている曲はたくさんあります。

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Every Little Thing 持田香織さん


持田 :そうですね、ELTの楽曲たちが、皆さんの思い出として残ってくれていると思います。その一方で、自分は自分の人生を生きながら、過去の曲を歌う上で気持ちの整理というか、新たな解釈が必要だと感じてきました。こだわり過ぎなのかもしれないけど、常にそういう葛藤はありましたね。

ーー例えばどの曲で?

持田 :「Time goes by」は、五十嵐さんが作詞作曲をしてくださっていたんですけど、二十歳の頃の自分が歌うには、ちょっと難しかったんだと思います。あまりにも忙しくて、歌詞の持つ意味合いまで考えながら歌えていなかったのかもしれない。もちろん、当時は自分なりに一生懸命歌っていたし、それで伝わっていたこともあったとは思うんですけど。今は時を経て、あの曲をカバーしてくださっているミュージシャンもたくさんいらっしゃって。改めて曲が持っている力みたいなものを感じることが多くなりました。歌詞の内容も、以前よりは噛(か)み締めて歌えるようになりましたね。歌っていると、フレーズの一つ一つがすごく入ってくるんです。それって、時を経たからこそ分かり得たのかなとも思いますね。

ーー活動を続けていく中で、持田さんは同世代の女性のファッションアイコン的な存在になり、一方で伊藤さんは、バラエティ番組などに出演し新しい魅力を発揮していました。そうした課外活動がELTにもたらした影響は?

持田 :例えば、小学校に通ってるくらいの子どもたちが、「あ、もっちーだ」「いっくんだ」っていうふうに名前を認識してくれてる。「ああ、(音楽番組以外でも)テレビに出るってこういうことなんだな」って思います。私たちが「音楽をやっている人」っていう認識はなくとも、「面白い人だな」と思ってライブに来てくれるようになったりすると、私たちもさまざまな分野に活動を広めてきた意味があったかなって。もちろん、本業である「歌」や「ギター」があるからこそ、そこが「よりカッコイイ」みたいな部分もあるでしょうし(笑)。

伊藤 :そういえば、プライベートで「君、ギターも弾けるんだ!」って言われたことあるよ(笑)。

持田 :でも、そうやってバラエティでふざけられるのって、母体がしっかりしていないと成り立たないものじゃないですか。

伊藤 :しっかりしているのかな...。

持田 :ふふふ(笑)。こうやって、わたしたちみたいな役割分担で、バランスを取ってやっているミュージシャンは結構珍しいのかなとも思うし、こういう環境を与えてもらっているのはありがたいことだなあって思います。

ーー時代とともにファン層も変わってきたと思うのですが、それに伴って曲作りも変化していきましたか?

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Every Little Thing 伊藤一朗さん


伊藤 :デビューしたばかりの頃は、確実にローティーンをターゲットにしていたんですね。その後、バラードが評価されるようになってくると、20代後半の人が聴いても納得してもらえるようなサウンドを目指すようになっていきました。僕らはバンド編成ではないので、楽曲のアレンジもわりと自由が利くんですよ。それで変化させやすかったというのも大きかったですね。

持田 :歌詞に関しては、デビュー当時は五十嵐さんが書いてくれていて、あれだけのヒット曲となって確立したものがあったので、そこから自分が歌詞を書くというのはすごくプレッシャーでもあったし、「何ができるかな」っていう気持ちがありました。でも、「あいのり」という番組の主題歌として書いた「fragile」を、本当にたくさんの人に聴いてもらえて。共感してもらえたという事実が、その後の作詞につながっていった部分はありますね。自分はプロの作詞家ではないので、自分が歌うことで初めて成り立つ歌詞なのだなっていうのは自覚しました。

ーー飾りのない、等身大の歌詞ということですよね。

持田 :そうですね。決して言葉遣いがうまいとか、そういうわけではないので(笑)。ただただ、そのときに自分が持っている感情だったり、それが例えば恋愛についてだったり、そういうことを、本当に日記を書くように作品として残してきている感じなんですよね。

ーーこれだけ長い間活動していると、ライブを見に来るファン層も幅広いのでしょうね。

伊藤 :そうですね。本当に活動初期から見に来てくださっているファンの方もいますし、最近ファンになってくれた若いファンも大勢います。あとは、しばらく休んでたんだけど、また最近見に来てくれたな、っていう方とか(笑)、お子さんを連れてきてくださっている方もいらっしゃいます。

ーー二世代にわたってのファンも。

伊藤 :そういう人たち、全員に満足してもらうようなステージ作りっていうのは、やっぱり大変ですよね。シングル曲を中心にしたメニューを組もうと思っても、全部やろうと思ったら3、4時間かかっちゃうし... ...。そこは毎回、悩ましいところではあります。

持田 :あと、私は人のライブを見に行っても、知っている曲があったら一緒に歌いたいタイプなんです(笑)。何千人っていう人が、一つになって歌うことなんてめったにないわけじゃないですか。だから、わたしたちのライブでもどんなふうに曲を紹介したら、どんな流れで演奏したらみんなが一緒になって歌ってくれるか、常に工夫を凝らしたいですね。伝え方っていろいろあると思うので。

ーーライブでの持田さんといえば、「オラオラ系」のMCが定評だと思うんです(笑)。今、GYAOでは2013年のツアー映像を配信しているんですが、「Dear My Friend」のイントロが流れ出した瞬間、拳を突き上げて、うわーって叫んでいる姿が(笑)。

Every Little Thing 「Dear My Friend」(from 『Every Little Thing Concert Tour 2013 -ON AND ON-』)>>


これまでのヒット曲はコチラ>>

持田 :いやー、もともとはそんな曲じゃなかったんですけどね(笑)。「わたしたち、友達でいようね」みたいな歌詞なのに... ...。わたし、下町育ちなので、なんていうか「お祭り気質」が染み付いちゃってるんですよね。「いやもう、絶対楽しもうぜ!」みたいなノリが、どうしても出ちゃう(笑)。

ーーきっと、20周年アニバーサリーツアーでも、持田さんのMCを楽しみにしてくる人はたくさんいると思います。

持田:そうですね、いつまで続けられるかわからないですけど... ...(笑)。頑張ります!

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「Every Little Thing 20th Anniversary Best Hit Tour 2015-2016~Tabitabi~」


☆「Every Little Thing 20th Anniversary Best Hit Tour 2015-2016~Tabitabi~」
デビュー20周年イヤーに突入するELTが放つ、史上最強のベストヒットツアーがついに完成。20年分の感謝を、津々浦々、全国に伝える「ありがとうの旅」として2015年10月17日から半年間のロングランを敢行。あなたの街にも、ELTがやってくる

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デビュー20周年イヤーに突入するELTが放つベストヒットツアーが、ついに完成


◆Every Little Thing(エヴリ・リトル・シング)
1996年に持田香織、伊藤一朗、五十嵐充の3人でデビュー。 1997年の3rdシングル「Dear My Friend」でブレイクを果たし、セカンドアルバム『Time to Destination』は350万枚を超える大ヒットを記録。以降も、持田が作詞を手がけた「fragile」ほか、数々のヒット曲を生み出してきた。2000年からは持田、伊藤の二人体制となり、音楽だけでなくテレビのバラエティ番組出演など、多岐にわたる活動でお茶の間の人気者となる。

(文/黒田隆憲@HEW

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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