ここから本文です

ダンスホールレゲエをベースに、さまざまな音楽スタイルや日本語の歌詞を融合し、ジャパニーズレゲエシーンをけん引してきた大阪出身のRYO the SKYWALKER(リョー・ザ・スカイウォーカー)。上京しソロデビューを果たしてから今年で15周年を迎える彼が、8月5日にアルバム『喜怒哀楽 #RSW15th』をリリースする。タイトル通り、「喜怒哀楽」をテーマに新たにレコーディングされた、「この旅を続けよう」「YANDEL」「GIFT」「Nothing」の4曲に加え、喜怒哀楽それぞれのテーマに沿ってセレクトした、過去曲のノンストップミックスという構成の本作は、彼の軌跡をこれまでとはまた違った角度から捉え直す貴重なアルバムである。友人の死や結婚など、さまざまな出来事を経験しながら今もなお第一線で活躍し続ける彼に、変わらぬレゲエへの熱い思いを語ってもらった。

サムネイル

RYO the SKYWALKER「喜怒哀楽 #RSW15th」8月5日(水)発売


RYO the SKYWALKER「喜怒哀楽 MEDLEY」>>


■レゲエの不健全さが薄れてきた?

「こないだ10周年をいろいろやってもらったばかりなのに、15年なんてあっという間ですね。びっくりしちゃいます。年も食うし、下のやつも出てくるし(笑)。でも、TOKIWAにいた連中とか、Mighty Jam Rockとか、大阪の盟友たちがほぼ全員、今も第一線で活躍できてるんで、それは有難い話やなと感じます。それに自分がデビューした頃より、レゲエというジャンルが世間に浸透してきて、様々な種類のレゲエが出てきましたよね、細分化したというか。僕らがダンスホールレゲエをやり始めた頃は、まだまだ知名度も低かったし、レゲエといえばボブ・マーリーっていうイメージだったんですけどね。『レゲエといえば夏でしょ?』みたいな(笑)。そこに僕ら、結構反発してやってましたから。

ただ今は逆に若い子たちがルーツレゲエを知らなかったりするから、そこにはイラッとしたりして......(笑)。あと、レゲエってもともと不健全っていうか、ヤンチャな部分も含めてのカルチャーだったと思うんですけど、最近はそこが薄まってきちゃっているのがもどかしい。シーンの規模が大きくなればなるほど、そういう部分って見せづらいとは思うんですけどね。もちろん裾野がどんどん広がっていくのはいいこと。あとはそこから一歩、中に踏み込んでくれた人に、どれだけレゲエのコアな部分を見せられるかが大事かなと思っています」

■音楽仲間の死から生まれた1曲

サムネイル
RYO the SKYWALKER「喜怒哀楽 #RSW15th」8月5日(水)発売


「ニューアルバムは、喜怒哀楽にフィーチャーしてるんですが、やっぱり『喜』の曲が多かったです。踊らせたり騒がせたり笑かしたり。やっぱり聞き手を楽しませたいっていう気持ちが強いので。トニー・レベルっていうレゲエの大御所のインタビューを、だいぶ昔に読んだことがあって。『DJたるもの、トラックは常にフレッシュじゃなきゃいけない。そしてリリックは常にポジティブじゃなきゃいけない』みたいなことが書いてあったんですよ。なるほどなぁと思いました。ネガティブなことに向き合わなければいけないときもありますが、最終的にはポジティブなメッセージにしたいと常に心がけています。

この15年間で一番つらかったのは、大阪でずっと一緒にやってた音楽仲間(TERRY THE AKI-06)が亡くなったとき。そのときに作ったのがアルバムにも収録されている『EVER GREEN』(08年)っていう曲です。人が死ぬっていうのは、究極的にネガティブなことじゃないですか。それをどうやってポジティブな歌に出来るのかを真剣に考えました。完成するまでにものすごく時間がかかったけど、このつらさと正面から向き合ったことで自分自身の気持ちの整理もついたし、たくさんの人に『この曲に励まされた』『勇気をもらった』と言ってもらえたから、作った甲斐(かい)がありました」

■ジャマイカ人から学んだプライド

「"喜"の感情となると、やっぱり結婚して子供がふたり生まれたことです。子供が出来てからは作る曲もだいぶ変わりました。リリックが優しくなったというか、丸くなったかもしれない。『WONDERFUL LIFE』とか特にそう。でも今は、『あんまり丸くなってちゃアカンな』って思い直しているところです(笑)。長く活動していると、そうやってバランスをとるようになってきますね。

サムネイル
RYO the SKYWALKER「喜怒哀楽 #RSW15th」8月5日(水)発売


15年間で僕はJ-POP、ヒップホップといろんな音楽ジャンルをレゲエに取り込むことに挑戦してきました。それでも変わらず伝えていきたいのは、地元愛みたいなもの。レゲエはレベルミュージック(反抗の音楽)といわれますが、安直に『反権力』って言ってしまうのも、なんだか違う気がします。反対してりゃいいのか? っていうのもあるし(笑)。なんでしょうね? 僕はプライドというか、自尊心みたいなものをジャマイカ人から学んだんです。『俺らが一番!』っていう。それを競い合ったりしますし。負けても絶対負けを認めない、やせ我慢の精神というか(笑)。そこは学びたい。日本に生きてきて、もっと自分の国にプライドを持ちたいなって思うし、レゲエを通じてそういう地元愛『おらが町一番』精神をもっと伝えていきたいなとはずっと考えています」

サムネイル
RYO the SKYWALKER「喜怒哀楽 #RSW15th」8月5日(水)発売


RYO the SKYWALKER 「おはようJAPAN feat, トータス松本」>>


RYO the SKYWALKER 「EVER GREEN」>>



◆RYO the SKYWALKER(リョー・ザ・スカイウォーカー)
1974年1月2日生まれ、大阪府出身。ジャパニーズ・ダンスホール・レゲエ・シーンの第一線かつど真ん中でマイクを握るレゲエ界きっての敏腕ACE。 ダンスホール精神にのっとり、正々堂々とダンスホール特有の遊び方を伝授しながらも、常に進化した最新スキルで周囲を魅了するテクニカルなDeeJay ぶりは他を圧倒するほどハイレベル。シーンを代表する中心的存在であり、現行シーンのスタンダードを築き上げてきた最重要人物。
座右の銘は「ポジティブ」

(取材・文/黒田隆憲、撮影/蔦野 裕)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ