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怪談の語り手、"怪談師"という職業がある。現在日本には、怪談トークライブなど怪談師としての仕事だけで生計を立てられるのは稲川淳二ともうひとり、ファンキー中村だけ――。

自身の体験談を中心とした実話怪談を得意とし、話のストックは実に700以上。もし異形の世界に足を踏み入れたくないなら......。夏の夜、心霊のエキスパートである中村に現世をさまよう幽霊たちについて指南してもらった。

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(GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」出演 怪談師・ファンキー中村)


■語ることで浄化される魂もある

「怪談師になったのは、小さな頃から霊的なものをよく見ていたからなんです。一番古い記憶は3歳のときのもの。お盆に親戚が集まってお墓参りをしていたとき、子供たちで遊んでいたら、ふと見ると白いあごひげをたくわえたおじいちゃんがニコニコしながら墓石に乗っているんです。母親に『あのおじいちゃん、なんであんなところにいるの?』って聞いてもその場では取り合ってもらえなかったんだけど、その夜、親戚で宴会をしていたとき、おじさんに『昼間見たって言っていたじいちゃん、どのじいちゃんだった?』って広間に飾ってある歴代じいちゃんの写真を指されて......。端から見ていったら、一番右側にあったカラーの一番新しい写真に写っているじいちゃんが、まぎれもなく昼見たじいちゃん! ......そのおじいちゃん、その年が新盆だったんですって。それが自分としては最初の不思議な体験だけど、うちの親からは『あんたもっと昔から、あそこに○○がいるなんて変なこと言ってたよ!』と言われているけどね(笑)。

不思議な体験をすると、やっぱり誰かに話したくなるものなんですよ。それで人に聞かせていたら、19歳のときに友達から『お前の話面白いじゃねえか。俺が友達集めてやるから、金とって話そうぜ』と持ちかけられたのが今思うと初めての怪談ライブだった。使命感っていうと大げさな感じかもしれませんが、霊のなかには語られることで浄化される魂もあるのかなという思いで今日まで怪談を続けています。

怪談というのはやはり人間の死、人生のアフターを扱うものだから。なので怪談を披露するとき『茶化さない』ということはつねに心がけています。人の生や死にちゃんとリスペクトの念を持つというのがモットーですね」

■"出ない"物件探しのポイントは!?

「『霊感がある』っていう表現は使いたくないんだよね。僕自身は、見えるか見えないかというのは、そのときのタイミングというものが大きいと考えているんで。そのときたまたま発信する側と受信する側の波長があった。そういうときに"見える"んじゃないかな。だから5人いて、僕以外の4人は見えていたけど、僕だけ見えていなかったなんてことも普通にあります。四六時中見えっぱなしっていうわけじゃないんです。なので今自分は霊感がないと安心している人は、これまでたまたま波長が合わなかっただけ。なにかのタイミングで急に見えちゃうかもしれないね......ふふふ。

でもできるだけ怖い目に合う可能性を避けたいってことだったら、気をつけたほうがいい物件みたいなものはやっぱりあるよね。線路の近く、あと池や湖みたいなたまり水の近くは避けた方がいい。霊っていうのは水がたまっている場所に集まりやすいんです。あと自殺者の霊はとくに怖いね。なぜかって、自殺っていうのは人生の最低最悪な時期で"生"をストップさせる行為ですから。自殺者の霊っていうのはその最悪な時期の情念を残しているわけだから怖いですよね。事故物件のなかでも自殺があった部屋っていうのは要注意だね。

逆に築年数なんかは、そこまで神経質にならなくてもいいかな。もちろん年数が長ければ長いほど部屋でなにかあった確率は上がるだろうけど、新築でも事故が起こるときは起こるし、もっと言うと建設中の死亡事故なんていうのもあるからね。こうした条件っていうのは気にしていくとキリがないし、最終的には気にしないことが一番肝心です(笑)」

■心霊現象はご先祖様のメッセージ?

「霊っていうのは、ただ人恋しいだけで、悪意を持っているってことはほとんどないんです。事故現場なんかを通りがかったせいで、まったく赤の他人の霊に取り憑(つ)かれてしまうなんてことは、まずないんじゃないかな。なにか最近変な物音が聞こえるな~、枕元になにか気配を感じるな~ってときはね、ご先祖様の霊だったってときがほとんど。だから僕は、『最近金縛りによくあうんです』なんて相談を受けたときは、必ず『お墓参りしてる?』って聞くようにしているよ。それでお墓参り行ってみたら、その日がおじいちゃんの命日だった......なんて話も過去にありました。

万一、無関係の霊に出くわしてしまったときはどうしたらいいか? 『お経を唱えるといい』なんてよく言うけど、それは逆効果だと思いますよ。だって怖そうな人とすれ違うときに、わざわざファイティングポーズをとったりしないでしょ? お経は挑発になりかねない。だから見て見ぬふりが一番。もし気付かれてしまったときは、下手に情を見せたらつけこまれちゃうから、ただただ『自分はあなたになにもしてあげられません』と念じるのがいいね。それでもだめだったときは地元の神社やお寺に行ってみましょう。

ところで、こんな怖い話をずっとしているとね、霊が自然と集まってきてしまうんですよ......。だから今日は家にまっすぐ帰らず、コンビニなんかで寄り道してから帰ったほうがいいですね。あと家についたらすぐ粗塩で肘まで手を洗って。じゃないと居着いちゃうから。......今、今日来たこと後悔しています? あはは(笑)」


「霊には情を見せるな」と訴える中村だが、その口ぶりはあくまで優しい。けして霊を化け物として扱うのではなく、ただ死んでしまっただけの"人間"としてとらえる――。それが怪談師である彼なりの誠実さなのだろう。ちなみに筆者が家に帰ってから、塩でひたすら手を洗ったのは言うまでもない。


◆ファンキー中村(ふぁんきーなかむら)
北海道出身。怪談師のなかでも、本人自ら体験した実話怪談を語るという分野の先駆者。著書『不安奇異夜話 不明門の間』が竹書房から発売中。大沢樹生の主演映画『呪いのドライブ しあわせになれない悲しい花』の原作を担当するなど活動は多岐にわたる。
怪談ライブ「不安奇異夜話 長月夜会 薄野幽霊話」を9月5日、北海道・札幌コンファレンスホールで開催。沖縄公演、福岡公演も予定しており、詳細は随時公式サイト(http://funky-nakamura.com/index.html)で発表していく。
座右の銘は、山本五十六の名言である「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば、人は動かじ」。

◆GYAO! トークバラエティ「ぶるぺん」とは
今まさに世に出ようとしている「あったまった人々」が次々登場。A級のトピックスを持つ芸人、マニアックすぎる専門家、不思議系アイドルなど、幅広いジャンルの人物と笑撃トークを繰り広げる。
生配信は毎週火曜日20時~USTREAMにて配信中。

(取材・文/原田美紗@HEW
(写真:トレンドニュース)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~

エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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>> ファンキー中村が出演する、GYAO配信番組「ぶるぺん」

心霊スポットに行ってはいけない理由 ぶるぺん(00:03:14)>>


心霊スポットで絶対にやってはいけない事 ぶるぺん(00:01:48)>>


実話怪談「びっくりしたんだけど」 ぶるぺん(00:04:53)>>


その他の出演番組>>

・実話怪談「俺が怖いすか!?」
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