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暑苦しいほど過剰な演劇風ネタなど、独自の世界観で笑いを生み出すお笑いトリオ、ジャングルポケット。その"暑苦しさ"を引っ張る大ボケの斉藤慎二と、斉藤のボケに馬鹿正直なほどに熱く応える小ボケ&リーダーの太田博久、そしてそんな熱中症になりそうな2人をスッと冷やす、いやツッコむおたけ。8月2日(日)より全国ツアーを開始している彼らが今、"変化"しはじめている。誤解を恐れずに言えば、均衡が"崩れ"はじめているのだ――。

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8月2日(日)より全国ツアー開始 ジャングルポケット単独ライブ「ゲートイン」


芸歴9年目。斉藤のピンでの活躍もあり、デビューからわりとスムーズな道を歩み、「ジャンポケ」の名はすでに全国区となり世間のイメージもかなり定着してきた。ただ、やはりアクの強い斉藤のイメージが先行している、「ジャンポケ=斉藤+2人」。しかしいま、その王道の数式を自ら打ち破ろうとしている。

■立ち位置を取っ払い、"メチャクチャ"やりたい太田

トリオの要となる太田。手に負えない斉藤を鋭く真剣なまなざしで"猛獣使い"のように操る......のかと思いきや、同じ土俵に降り、過剰なまでの熱血ぶりで渡り合う、というのがジャンポケの笑いの王道パターン。それを作り上げてきた信頼できるリーダーだ。しかし、世間的には斉藤の影に隠れる存在――。そんな構図に太田は、「嫉妬心とかはあんまりなくて。斉藤が1人で出て、何かがあれば僕らも呼ばれるわけで。斉藤が売れている限り僕らにもチャンスがある。だからありがたいという気持ち。もちろん、俺らも出たいなっていう気持ちはありますけど」と、一歩引いたスタンス。もともと芸人を目指したきっかけは、とんねるずだという太田。「ああいうメチャクチャをやる人が好きで、なんか面白くて、心がぐっと惹(ひ)きつけられるんです」と"メチャクチャ"をやりたい願望。生来の目立ちたがり屋でありながら、「3人でのバランスもある」と自分の立ち位置を決めてきた。それがある時、事務所社員から、デビュー当初に感じていたという自分の魅力について聞かされた。「突進力と度胸というか、ある意味空気読めてない感じ」――今それが消えていることを指摘されショックを受けたという。「確かにうまくやろうとする部分がすごくあった。ポジション的に俺がしっかりしてる、ってイメージにいつの間にかなってたんですけど、じつは全然そうじゃなくて...」、心の中で何かが動き始めたようだ。

■恋愛順調で"変わってしまった"斉藤

一方、テレビや舞台では大きな声と圧力で笑いをねじ込んで行く斉藤。しかし「テレビとかバラエティとか、僕は今くらい出られていたら満足というか、これ以上さらに野心を持って、というほどではないんですよね。ありがたいことにたくさん出させてもらっているので」と謙虚だ。「ひな壇の一番後ろの端っこで良いんです。ただとにかく誰よりも元気な声で、その番組を盛り上げる意味で中心人物の1人でいたいなとは常に思っている。バラエティでコイツがいたら場が明るくなるよね、っていうような存在になれたら。『この中で一番結果を残してやろう』というのはないですね」。自分の立場をわきまえている、血気盛んな若手芸人には消極的過ぎるほどだが、それとは対照的に本番で見せる爆発力。それこそがジャンポケの核を成している。
そんな斉藤もメンバーから言わせれば、最近少し変わってしまったという。きっかけはタレント・瀬戸サオリとの交際発覚。某番組で公開プロポーズをさせられたがその時、"むちゃぶり"に激しく抵抗したのは、芸人としての"お約束"ではなかったという。「付き合ってまだ1年とかで、結婚を意識したりとかもなかったのに......結婚ってなったらいろいろ考えなきゃいけないので」と恋愛にも真面目だ。その後も交際は順調で、太田いわく、斉藤は最近めっきり"遊ばなくなった"という。斉藤自身「引くくらい遊ばなくなって、真面目になっちゃった。面白くなくなったんじゃないかと不安ですけど......」

■ジャンポケ最大の異変の兆し!? 秘密兵器 おたけの存在

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8月2日(日)より全国ツアー開始 ジャングルポケット単独ライブ「ゲートイン」


そんな中、一番大きな変化の兆しを見せているのが、おたけだ。正直、これまでは3人の中では一番印象が薄かった。しかし、そのおたけに"異変"が起きている。自身の役割がないことを悩み「ネタを提供するポジションになりたい」との思いからおととし、目と顎(あご)を整形。さらに昨年、旧芸名・本名の「武山浩三」から改名した。しかし本当の"異変"はそんなことではない。
メンバーは以前から彼のことを「天然」だと評しているが本人は頑なに認めない。また、今年になって出演番組での言動がきっかけとなり、ネット上では「クズっぷり」が話題になった。欲しがっていた「ネタ」が舞い込んだわけだ。ここがチャンス、と感じているのかと思いきや、本人は「クズじゃないと思ってるんでね」と、"天然でクズ"キャラを全否定。また、メンバーいわくおたけはとにかく遅刻魔。そのせいで幾度か解散の危機もあったという。しかし当人は「遅刻はしていました(笑)。先輩と飲む機会が増えて、それが楽しくなって、朝まで飲んで、っていうのが多くなって......そうなると自ずと遅刻しますよね」と悪びれない。
そんなおたけにも目標はある。「ロンドンハーツはやっぱり出たいですよね、若い子がいっぱい見てますし」。しかし「でもなんで出られないのかな、って考えたってちょっとわかんないというのもありますし、理由はあるんでしょうけど......そこまで考えないですけどね」。考えろよ! とツッコミが聞こえそうだ。

しかし、8月2日から始まっているジャンポケの全国ツアー「ゲートイン」では、そのおたけこそが"見どころ"だと太田は言うのだ。3年連続となる全国ツアー。「パドック」「パドック2」を経て「ゲートイン」。競馬ファンならお分かりだろうが、コマを前へ一つ進めた形だ。全て新ネタで挑む。
「今までは『こんなのが受けそうだ』というものを作ってたんですけど、今回はそうじゃなくて、自分たちが笑っちゃうようなネタを作った。メンバーと即興でやりとりして笑っちゃったものを採用したんです。原点回帰じゃないですけど」と太田。自分たちの"笑い"への信頼。原点回帰という名の一歩前進。その中で、太田が自信を持って推すのが、おたけによる初の「リズムネタ」だ。おたけは「リズムネタって今旬ではやってるんで。やっぱ憧れますよ。はやったりしたら、うれしいんだろうな」とほくそ笑む。


なんだかわけの分からない未知数の魅力を秘めている......ようにも思えるおたけ。ジャンポケのさらなる飛躍の鍵は、彼が握っているようにも思...えなくもない。大化けするその瞬間を見届けたい。

■ジャングルポケット
NSC東京校の同期だった3人で2006年結成。フジテレビ系「爆笑レッドカーペット」などネタ番組出演で頭角を現し、その後もバラエティ番組に多数出演。斉藤は趣味の競馬を生かしテレビ東京「ウイニング競馬」にレギュラー出演中。単独ライブ「ゲートイン」は8月2日(日)東京を皮切りに、沖縄・広島・福岡・沼津・大阪・名古屋と全国ツアーを開始。
3人の座右の銘は、太田「一期一会」、斉藤「人生何があるかわからない(だから面白い)」、おたけ「運」

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

(取材・文/花@HEW
(写真:トレンドニュース)

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