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フジテレビ系"月9"ドラマ『恋仲』のヒロインや、数多くの作品で主演を務めるなど女優として活躍の場を広げている本田翼。明るく元気でさわやかなイメージを持つ彼女が、最新作『起終点駅 ターミナル』(11月7日公開)では、過去を捨てた孤独を抱える女性という役を演じる。そんな本田に「新境地」となった本作への思いや、自身のパブリックイメージについて赤裸々に語ってもらった――。

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11月7日公開『起終点駅 ターミナル』 本田翼


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■名優・佐藤浩市から学んだこと

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11月7日公開『起終点駅 ターミナル』 本田翼


 モデルとしての清潔感、今夏に放送された『恋仲』でのあかり役や、映画『アオハライド』の双葉など、元気で明るいパブリックイメージを持つ本田が、笑顔を封印して難役に挑んだ今作だが、「本当に明るくて元気な役が多かったので、こういう役をいただけたことがすごくうれしかったです」と出演オファーを受けた当時の心境を振り返る。
 実際、これまでとは全く毛色の違う役を演じることについての不安もあったというが、「釧路でのクランクインの前に、篠原(哲雄)監督や脚本家の方、プロデューサーさんにワークショップを開設してもらったので(本田演じる)敦子の地を固めることができました。それが自信につながりました」とスタッフや関係者への感謝の言葉も忘れない。

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11月7日公開『起終点駅 ターミナル』 本田翼


 劇中では、名優・佐藤浩市と対峙(たいじ)するシーンが非常に多い。
 佐藤は本田を「緊張せず堂々としている」と評していたが、本田本人は「とんでもない。めちゃくちゃ緊張していました。浩市さんと二人芝居すること以上に緊張することなんてないんじゃないかと思ったくらい(笑)」と冗談まじりに恐縮しつつも、「手の届かないすごい役者さんですが、ちょっとでも近づきたいと思ってしまう負けん気もありました。浩市さんの演技を見て、それを受けてお芝居をした時間から得たものは言葉にできないぐらいたくさんありますし、ちょっとだけ今後の自信にもなりました」と達成感をにじませる。
 撮影現場では、佐藤とこんなやり取りもあったという。

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11月7日公開『起終点駅 ターミナル』 本田翼


 「敦子の出身の街で撮影しているとき、浩市さんが『せっかくだから街中を見たら?』とアドバイスしてくださったんです。『別に何か芝居に大きく影響するわけじゃないと思うけど、感じるものはあるだろうし、芝居の糧にできるかもよ』と。実際、街に出ていろいろなことを感じました。それがお芝居に生かされたかは分かりませんが、生かされていると信じたいですね。私に声を掛けて、教えてくださった浩市さんの優しさに感動しました」

■「ネガティブじゃダメなのかな」と思う瞬間もあった

 今作で、女優として多くのことを吸収した本田だが、それは"演じる"こと以外にも多くのプラス作用をもたらしたという。

「いつも明るく元気な役が多く、私はそういう人間だと思われているって実感はあります。実際、そうなのですが、当然ネガティブな部分もあるんですよね。いつも明るく元気な面ばかりだと、孤独だったりネガティブな部分を見せるのが恥ずかしくなったり、出しづらくなってしまう。でもこの作品によって、自分のネガティブな部分も見せやすくなったのかなって思うんです」

 そこで、「パブリックイメージに引っ張られる部分があった?」という質問を投げかけてみると、本田は「自分はネガティブじゃダメなのかなって思う瞬間もありましたね。テレビなどでは元気でいた方がいいのかな、と。でも、これからは"ちょっと元気じゃなくてもいいかも"と思えるかもしれません」と今作との出合いで芽生えた胸中の"変化"を明かす。

■「嫌な役をやって嫌われても平気」

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(C)2015桜木紫乃・小学館/「起終点駅 ターミナル」製作委員会


 モデルから芸能活動をスタートさせた本田。その後、女優業へと活動の場を広げていったが、最初の頃はつらいことも多かったという。「もともと、自分が女優さんになれるなんてみじんも思っていなかったのですが、はじめてみるとやはり難しくて、基礎もなにも分からない。それなのに大きな役をいただくことがあり、プレッシャーで毎日眠れませんでしたね」。

 そんな本田も、最近になってようやく映像の世界の仕組みを理解できるようになったと言い、「だんだん役柄に向き合えるようになって、お芝居の奥深さも分かるようになってきました。今回、こういった役をいただけてすごくうれしかったし、どんな役にでも挑戦したいという意欲もわいています。根暗とか嫌な役とか、どんな役でもやりたいです」と真っすぐな瞳で力強く語る。

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(C)2015桜木紫乃・小学館/「起終点駅 ターミナル」製作委員会


 女優は役柄によってイメージが大きく変わることもある。だが、本田は「嫌な役をやって、嫌なヤツなんだろうなって思われても全然平気です」と気にもとめない。
 また、役者としてのポジションが上がっていくと、それだけ背負う重圧も大きい。視聴率や興行収入なども気になると思われるが、「あんまりそういうのは感じませんね......。まあ、"数字"も気にしないといけないんですよね」とハニカんだうえで、こう続ける。

 「もちろんまったく気にしていないと言えばうそになりますし、数字が低ければショックも受けますが、もしそうでも『次は絶対もっと良くしよう』というやる気につながるんですよね。ダメだと思ったらそこで終りだし、前向きに捉えていきたいです」

 以前、ある映画の舞台あいさつで、主催者側が本田を泣かせようとする演出があったが、その際に本田は「私は泣きませんよ!」と答えるシーンがあった。その話題に水を向けてみると、本田は「『思い通りにはならないぞ!』みたいな天邪鬼的な思いとかもあって......」といたずらっぽく笑う。
 大らかさのなかに、こうした負けん気や力強さが見え隠れするところも、本田の魅力なのかもしれない。そして「新境地」を開拓した本作と出合いを機に、女優としてさらなる飛躍を遂げることは間違いないだろう。

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(C)2015桜木紫乃・小学館/「起終点駅 ターミナル」製作委員会


(取材・文・写真:磯部正和)
ヘアメイク:牧田健史 、スタイリスト:本間園子

◆本田翼(ほんだつばさ)
1992年6月27日生まれ。東京都出身。2006年にモデルとして芸能界デビュー。2011年ごろから女優業も行うようになり、2012年『FASHION STORY -Model-』でスクリーンデビュー。その後も、『GTO』や『ショムニ2013』、『恋仲』など話題のテレビドラマ出演や、映画『アオハライド』で主演を務めるなど、活躍の場を広げる。座右の銘は「生涯現役」。

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