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前作『The Entertainer』からおよそ2年ぶり、通算5枚目のアルバム『FEVER』を今年9月にリリースした三浦大知。自ら作詞・作曲に挑戦した楽曲も含まれる本作は、モータウン調の〈Music〉をはじめロックチューンやEDM、正統派Jポップ、しっとりとしたバラードまでさまざまな音楽スタイルに挑戦した非常にバラエティ豊かな内容となった。また12月16日には、ミュージックビデオ&コレオビデオ(振付ビデオ)を集めたシリーズ第2弾『Choreo Chronicle 2012-2015 Plus』もリリースする予定。

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通算5枚目のアルバム『FEVER』を今年9月にリリースした三浦大知


タイトルチューン「FEVER」を独占先行配信 >>


11月22日・23日に東京・渋谷で行われる国内最大規模のストリートダンスの祭典『Shibuya Street Dance Week 2015』のテーマソングに〈Music〉が選ばれ、現在は全国ツアー真っ最中の三浦大知。そんな彼にダンスへの熱い思いを語ってもらった。

■自分の中の"楽しい!"をいろんな角度から観察した

――新作のタイトル『FEVER』には、"熱狂"や"興奮"といった意味がありますが、この言葉に込めた思いをまずは聞かせていただけますか?

「熱狂や興奮にも、いろんな種類があると思うんですよ。単純に楽しく踊ったり騒いだり、喜びを感じたりすることもあるでしょうし、心に秘めた熱い思いもある。音楽を聴くことで目の前の悩みが少し軽くなったり、背中を少し押してもらえたような気持ちになったりすることもありますよね。そんな前向きなアルバムが作れたらいいなと思いました。

表題曲〈Fever〉のデモを初めて渡されたとき、タイトルからしてアップテンポなのかと思いきや、すごくファンキーかつドープなサウンドで驚いたんです。『そうか、こういうフィーバーの仕方だってあるよね!』って。それがこのアルバムの方向を指し示してくれたように思いますね。自分の中にある"楽しい!"っていう感情を、いろんな角度から観察してみようって」

――本作収録の〈Music〉は、11月22・23日に開催される『Shibuya Street Dance Week 2015』のテーマソングに選ばれましたが、どんな心境ですか?

「とても光栄ですし、音楽は理屈じゃないっていうこの曲のテーマにも合っていると思います。ダンスも音楽と同じように理屈じゃないですよね。僕は英語が全然話せないんですけど、ダンスを通じて世界中の人たちとコミュニケーションが取れる。そんなコミュニケーションツールとしての魅力はもちろん、単純にダンスを見たり踊ってみたりすることの楽しさを『Shibuya Street Dance Week 2015』は多くの人に伝えてくれる。素晴らしいイベントだと思います」

■日本のダンスは"行間"の美?

――同イベントで上演される、若手クリエイターと90年代生まれのダンサーが演出する舞台『A Frame』では、s**t kingzが演出を手掛けるなど、三浦さんとも縁の深いプログラムがめじろ押しです。見どころや、最近注目しているダンスチームなどは?

「やっぱり、s**t kingzは、『ダンスの可能性や裾野を広げる』という意味では、若手の中でもっとも貢献しているグループのひとつだと思います。日本と海外のダンスシーンをつなぐパイプ役というか。本人たちはあまり意識していないのかもしれないけど、『日本にはs**t kingzがいるんだ』っていうのを、向こうのダンサーも認識しています。ものすごく大きな存在ですよね。同世代として嫉妬するところもたくさんありますよ(笑)」

――日本のストリートダンスのレベルは、世界的にも高くなってきているそうですね。

「ええ。日本人って、細かいニュアンスや、行間みたいなものを表現するのがすごく得意ですよね。例えば『動いていないときの説得力』とか、その辺を積極的に表現するダンサーが多いです。海外のダンサーとはまた違った趣があると思いますね」

――日本でお茶の間にまでダンスが浸透したのには、三浦さんの貢献も大きくあったと思います。三浦さんがダンスを始めた6歳の頃とは、環境もだいぶ変わったでしょう。

「それは圧倒的に変わったと思います。僕がソロで歌って踊ろうと決心した頃は、ダンサーがメンバーにいるグループとか、ダンサーを引き連れてパフォーマンスするアーティストがまだまだ少なかった。地域密着型のダンススクールも、ここ最近でとても増えました」

■"自分に対する興味"が原動力

――三浦さんは6歳でダンススクールに通い始めたそうですが、ダンスをやっていくうえでの苦労や、辞めたくなったりしたことはありますか?

「あまりないんですよね。とにかく『楽しい!』っていうのが常にあって。もちろんやりたいワザがなかなかうまくできなかったときの悔しさなどはありますけど、それを乗り越えたときの喜びや達成感が全部消し去ってくれます」

――本当にダンスが好きで、いつも前を向いて進んでいるのですね。

「前向きというか、楽観的なんですよね(笑)。常々思っているのは、『悩むよりも考える』っていうこと。悩んでいるときって思考も姿勢も下向きになってしまい、動けなくなっていくじゃないですか。それよりも『じゃあどうしたらいいのか?』と考え次の行動に移したいんです」

――今は「誰かと競う」というより「自分との戦い」という感じですか?

「それと、『自分に対する興味が尽きない』っていうのもありますね。『この先、三浦大知はどんなことができるのだろう』『こんなことしたら面白いんじゃないか?』って。ダンスだけでなく音楽にしても、自分のいろんな可能性をもっともっと知りたいし、試してみたいっていう欲求は強くあります」

――28歳になった三浦さんの、これからのダンスの可能性は?

「最近、同世代のダンサーとよく話をするんです。『30代、40代となっていく中、その歳でしかできないダンスを、ずっと同じ仲間で踊っていけたら最高だね』って。ダンサーの大先輩には、いろいろなステージに立って、いろんな経験を経てきたからこその踊りをされている方が、たくさんいらっしゃいます。そういう踊りは今の自分にはまだできません。ひとつの手の動きで空間の色を変えられるくらいの、『人生が見えるようなダンス』っていうのは、歳を重ねていかないとできないことだと思う。これから先、そういう領域まで突き詰めていけたらと思っています」

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◆ 三浦大知(みうらだいち)
1987年8月24日生まれ、沖縄県出身。Folder のメインボーカルとして1997 年にデビュー。
2005年3月にシングル「Keep It Goin' On」でソロデビュー。ミュージックビデオの祭典「MTV VMAJ 2014」では"ベストR&Bビデオ"、「MTV VMAJ 2015」では"ベストR&Bアーティスト"を受賞し、ヨーロッパ最大の音楽授賞式「2014 MTV EMA」にて"ベスト・ジャパン・アクト"に選出されるなど国内外で高く評価されている。
座右の銘は、桐子職人から聞いた「ひとつ前の工程を大事にする」。失敗しても前に戻せないという覚悟で、今自分が取り組んでいることのひとつ前の工程を大事にしていく。

(取材・文/黒田隆憲@HEW
(写真:トレンドニュース)

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