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「M-1グランプリ」は青春だった――。
お笑いコンビ・タイムマシーン3号は、今年の「M-1グランプリ2015」で実に10年ぶりに決勝進出を果たした。出場資格のボーダーである芸歴15年目、ラストイヤーでとうとう手にした2度目の切符だった。

トータルテンボスをして「なんで毎年タイムマシーン3号が決勝に行けないのかわからない」と言わしめた実力にも関わらず、何度も挑み、破れてきた。ボケ担当の関太は今年8月に交際11年の恋人と結婚したばかりで、ツッコミの山本浩司とともに「今年こそ!」と闘志をめらめらと燃やしているはず......と思いきや、ふたりは意外にも肩の力が抜けた状態で「とにかく楽しみたい」とほほ笑む。初出場からの10年間、彼らがもがき、諦め、そして得たものとはなんだったのだろうか?

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12月6日おこなわれる、『M-1グランプリ2015』出場 「タイムマシーン3号」山本浩司(写真左)関太(写真右)


タイムマシーン3号M-1グランプリ2015 準々決勝ネタ >>


タイムマシーン3号M-1グランプリ2015 3回戦ネタ >>


■関の妻は勝利の女神!?

山本: 「おととしまでハロー!プロジェクトと同じグループのお笑い事務所にいたんです。だから決勝進出して、里田まいちゃんからお祝いの連絡がきました。あと有吉(弘行)さんは今所属している太田プロの先輩なんですけど、『おまえの顔はBPOに違反するんじゃないか』とか『優勝できなかったらどんな罰をするか』ということを......。でも僕は愛のムチと、お祝いとして受け止めてますよ!」

関: 「有吉さんは『お前たちは6位だ』と予想しています(笑)」

山本: 「決勝進出が決まってから、2007年チャンピオンのサンドウィッチマンさんと一緒にお仕事したんですけど、『上位3組残るくらいの気持ちでいけば大丈夫だから』と応援してくださいました」

関: 「サンドさん含め、優勝狙ってというよりは楽しんでって声をかけてくれる方が多いんで助かります。嫁もM-1気にしてる様子なんですけど、何か言うとプレッシャーになって悪いかなと心配しているみたいで、ちょっとアイロンかけてくれたりとか、ほんのりサポートしてくれています。ネタ合わせだなんだで家にいないことも多かったし、賞金1000万円で恩返しできたらいいな。今、ボロい家に住んでるんですよ。階段で4階まで上がらなきゃいけなくて、すきま風もひどくて、多分アスベストまみれ。だから賞金で引っ越ししたいですね。彼女と付き合った年に決勝進んで、結婚した今年も決勝進んでるんで、勝利の女神様なのかもしれません」

■「尖(とが)ったことは僕らにできない」

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12月6日おこなわれる、『M-1グランプリ2015』出場 「タイムマシーン3号」山本浩司(写真左)関太(写真右)


関: 「トータルテンボスさんの言葉は本当に支えになっています。でも決勝に進めた今年からすると、やっぱり今までは迷いがありました。チュートさんが優勝したら、チュートさんみたいな漫才したいなと思っちゃったし、サンドさんが優勝したら、パンチのあるボケとツッコミで金髪にもしたいななんて、フラフラして」

山本: 「おべっか使うわけじゃないですけど、今までの審査結果にまったく不満はありません。やっぱり決勝レベルには全然到達できていなかった。でも今年は全然迷いはないです! 太田プロに移籍したことで、ネタというか、お笑いへの考え方自体が変わったんじゃないかな。昔は芸人としていろんな夢を見てましたけど、大きい事務所ですごい先輩を間近で見るようになって......。自分たちにできないことが何か、良くも悪くもわかりました」

関: 「諦めるって言ったら変な感じですけど......」

山本: 「客観的になれたことが、今年の結果につながったのかもしれません。尖(とが)ったことへの憧れはあるんですけど、どんなにうらやましくても結局僕たちにはできない。僕らにできることっていったら、明るいもの、皆に伝わるポップな漫才なのかなと。万人ウケするものは一時代を築かないんじゃないかとか、葛藤はすごくありましたけどね」

関: 「いまだ答え見つからずなところはありますけど。でもお客さんはキョトンとしてたのに優勝っていうのも変な感じですから」

山本: 「準決勝のときも、審査員なんていないもんだと思っていました。とにかく客席を盛り上げようと。もっと言ったら絶対優勝しなきゃとも考えてないですね。目の前のお客さんにウケりゃいいやって気持ちで、決勝でもまず舞台を楽しみたいです」

■自分たちへのリベンジ目指す

関: 「ラストイヤーだし、迷うくらいなら楽しみたいですよね。いろんなコンテストに出てきたけど、やっぱり青春っていえるものはM-1」

山本: 「他の賞レースは傷つくことがそこまでなかったからね。でも青春って傷つくものだと思うから。2005年に決勝進出したときは、まだ結成5年で、ラッキーパンチみたいな感じでした。たまたま振ったら当たっちゃったっていう。何かを積み上げて到達したなんて感覚は全然なかったです。でも変な時期に1回下手に進んじゃっただけに、僕ら難しい立ち位置なんですよね。憧れの場所ともちょっと違うというか」

関: 「昔見た幻にまた来たというか......。M-1をやり直している感覚なのかな。自分たちへのリベンジというか」

山本: 「今年は、これでダメだったらもうダメだろうっていうくらい、出しきれてるし、その場を楽しめてるんです。2005年は目隠しされて決勝に連れてこられたみたいな感覚でしたけど」

関: 「あのときはウケなきゃ頑張らなきゃっていうので頭がいっぱいになっちゃって、準決勝から決勝までの期間とか、慌てすぎててコントみたいになっていたと思いますよ。もったいないことしましたよね、なかなか来れない場所にせっかく来たっていうのに。だから今年は、ひとつひとつの景色を噛(か)みしめていきたいなと思います。今年は全然目隠しなんてしていない」

山本: 「今年はすごくよく見えています」

「M-1グランプリ2015」決勝は12月6日、テレビ朝日系で18時30分より生放送される。10年ぶりに立った大舞台で、タイムマシーン3号のふたりは一体どんな景色を目にすることになるのだろうか。

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12月6日おこなわれる、『M-1グランプリ2015』出場 「タイムマシーン3号」山本浩司(写真左)関太(写真右)


◆タイムマシーン3号(たいむましーんさんごう)

2000年結成。山本浩司(写真左)は1979年6月22日生まれ、新潟県出身。関太(写真右)は1979年8月5日生まれ、群馬県出身。NHK『オンバト+』2代目チャンピオン。太田プロ主催のお笑いライブ「月笑」でも観客投票の結果、今年9月・10月には連覇を果たすなど好成績を残している。
座右の銘は、山本が「負ける楽しさを知った」、関が「すべてのことがこれからの布石になればいい」。


(取材・文/原田美紗@HEW
(写真:トレンドニュース)

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