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初対面の男女ふたりの芸能人が"最後に必ずキスをする"というルールのもと1日デートする擬似恋愛ドキュメント「ラストキス~最後にキスするデート」(TBS系)。番組上のこととはいえ本当に芸能人同士がキスまでしてしまう様は見る者に衝撃を与えたようで、10月の番組開始以後ネットでは「こんなディープにキスするの!?」といった声があふれ盛り上がりを見せている

"ついつい感想をつぶやきたくなってしまう"番組作りの秘密はどこにあるのか。番組プロデューサーのTBS三島圭太さん、総合演出の冨田雅也さんのふたりに話をうかがった。

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12月22日放送回はクリスマス拡大版「ラストキスXマススペシャル~最後に恋するデート」(TBS系) よる11:53~1:08放送 ※一部地域を除く
(C)TBS


LAST KISS ~最後にキスするデート~ 2015/12/22放送分 >>

■スタッフも予想していなかった濃厚キス

「ラストキス」が一躍話題の番組となった大きなきっかけは、そのキスの濃厚さ。"チュッ"というような軽いものではなく、元モーニング娘。・久住小春とモデル・ロビン(4月放送の特番)や愛人キャラでブレーク中の橋本マナミと俳優・久保田秀敏(12月1日放送)など人気芸能人の男女が強烈に唇を重ねるシーンには、番組MCのタレント・DAIGOでさえ「番組タイトルをラスト"ディープ"キスにしたほうがいいんじゃない」と驚きの様子だった。

スタッフは一体このキスについて出演者にどのように指示しているのだろう?「キスはしっとりじっくり」のような演出がされていてもおかしくないところだが、意外にも現場でも本当に「最後にキスをする」以上の演出はほとんどないという。

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番組プロデューサーのTBS三島圭太さん(右)、総合演出の冨田雅也さん


「キスまでどのように雰囲気を盛り上げていくか、どのように肩を抱くかのようなささいな部分にも人柄は表れるんです。そこを取りこぼしてしまうことはしたくなかった」(冨田)

「『このセリフを言ってください』とか『ここでこう動いてください』みたいな指示を入れていったら、うそくさい感じになって、面白さが半減するんじゃないかな。よかれと思っていろいろ演出していっちゃうほうが、つまらなくなってしまう気がするんですよ」(三島)

そのためスタッフ側にとってもここまでキスが濃厚になるのは予想外だった。カメラが回っている前だとしても、それだけ彼らの気持ちが盛り上がったということは、うれしいハプニングだったことだろう。三島さんによると、「万が一、いざキスをする段階になって出演者が『どうしてもこの人とは嫌だ』と泣き出したとしても、それはそれでアリ」だという。ちなみにデートプランも、出演者が本当によく行くスポットなど、本人たちの希望をふんだんに取り入れて立てられている。

■あえて女性ゲストだけにインタビューを

素の表情を丁寧にすくい上げられるように採用した手法が"長回し"(カットせずにカメラを長時間回し続けること)だ。とにかく"リアル"を見せたいスタッフたちは、出演者にカメラを意識させない現場作りに、息をひそめて注力した。

少女漫画的な見せ方も意識した。たとえばボートや車に乗り込むときなど、なんでもないような部分だとしても、ふたりの体が最初に近づくようなカットは編集で残すようにしている。

「あと出演者の方にデート後、インタビューするんですけど、そこで話を聞いてみたら、『えっ、そこ?』と驚くようなところが、心が動いたポイントだったりするんです。そういうところも残すようにしていますね」(冨田)

このインタビュー時の映像は、番組が放送される際、デートVTRの合間に流される。男性ゲストをインタビューした映像はないようだが......?

「女子側の気持ちしかわからないからこそ、『あのときどうだったんだろう?』みたいに話題が生まれるということを期待しています。やっぱり見た人たちで、きゃーきゃー盛り上がってほしいですから(笑)。それに女性目線の番組を作りたいっていうのもありました」(冨田)

■女性スタッフの間でカンカンガクガク!?

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「ラストキス~最後にキスするデート」(TBS系) ※一部地域を除く
(C)TBS


見ている人に"きゅんきゅん"するようなときめきを与えたい。その点については試行錯誤の日々だ。

「ただなんとなくわかってきたのは、"背伸び"という要素の重要さ。最後にキスをするルールですが、例えばカラオケボックスのような場所で、というのはやめようと。普通屋外でキスすることなんてないかもしれない。それでも"夜景を見ながらのキス"というシチュエーションが鉄板なのは、リアルさと同時に"憧れ"を求めているからだと思うんです」(三島)

「こだわっているポイントはただひとつ、"とにかくキスをキレイに撮る"ということ。物語のワンシーンのような光景を切り取りたいんです」(冨田)

とはいえ、"女性目線"というのは、やはり難しい。女性スタッフも多く関わる番組だが、ひとつのデートを見ても「すごくよかった」「ここまで強引なのは私はちょっと」と意見が分かれるそうだ。男性出演者にしてみれば大変な話だが、浮き彫りになった出演者たちのリアルな人間性と、特別なシチュエーションにより、「ああでもない、こうでもない」と言いたくなってしまう。見終わってついつい感想をツイートしてしまうというのは、実に正しい盛り上がり方なのだ。

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12月22日放送回はクリスマス拡大版 モデル・鈴木あやが出演  ※一部地域を除く
(C)TBS


なお「ラストキス」12月22日放送回はクリスマス拡大版で、"ザ・クリスマス"なデートをするそう。女性はモデル・鈴木あやが出演。男性ゲストは当日までの秘密。"リアル少女漫画"な同番組が提案する、ちょっと背伸びした憧れのクリスマスデート――。今年のクリスマスは、擬似デートで"きゅんきゅん"する人が続出するはずだ。

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12月22日放送回はクリスマス拡大版 モデル・鈴木あやが出演 ※一部地域を除く
(C)TBS


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三島圭太
1998年TBS入社。「ガチンコ!」「恋するハニカミ!」ディレクター、「ひみつの嵐ちゃん!」総合演出プロデューサーなどを経て現在「私の何がイケないの?」「マツコの知らない世界」「ラストキス~最後にキスするデート」「アリよりのアリ」プロデューサー。
座右の銘は「置かれた場所で咲きなさい」。

冨田雅也
1978年生まれ。フリーディレクター。「恋するハミカミ!」「ザ・イロモネア」「ひみつの嵐ちゃん!」などのディレクターを経て、現在「私の何がイケないの?」「マツコの知らない世界」演出。「ラストキス~最後にキスするデート」総合演出。
座右の銘は「人生暇つぶし」。

(取材・文/大木信景@HEW
(写真:トレンドニュース)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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