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1月24日に放送されるフジテレビ系「ウチくる!?」で「小さいころは絶対専業主婦になろうと思っていた」という意外なエピソードを明かした女優・山村紅葉。今やサスペンス系2時間ドラマには欠かせない存在で、母親は日本のアガサ・クリスティとも言われた、ミステリー作家の故・山村美紗さんだということでも知られる。昨年11月にはPHP研究所から、書籍『京都ミステリーの現場にご一緒しましょ』を出すなど今もなお母とのつながりは深い山村紅葉に、愛する母、そして母の小説の舞台によく出てきた京都について話を聞いてみた。

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1月24日(日)放送の「ウチくる!?」(フジテレビ系)にて、女優・山村紅葉が出演


■女優引退からの再デビュー

「私はもともと女優になりたいと思ったことは全然なかったんです。大学生のころ、母と打ち合わせをしていたドラマのプロデューサーが私を見て、お世辞で『奇麗なお嬢さんですね。女優になればいいのに。一回ドラマに出てみませんか?』と言ったんです。そうしたら母は喜んで『じゃあ一回出してもらえばいいじゃない!』なんて言い出したのが女優の始まりでした。脇役をやると思って出たら、結婚式の当日にウエディングドレスのまま焼き殺されるという役で(笑)。演技の勉強なんかしたことがないのに、前と後ろにはバーナーがあって、火がとても近い......という状況のなかで初演技をしました。監督が『そんなんじゃ人間は死なないんだよ! 死んだことないのか!!』なんて怒鳴っているのも聞こえて(笑)。

でも、やっぱりもともと演技の勉強をしていた人にはかないません。だから国税庁国税専門官試験に合格したあとはマルサに勤めたのですが、これが自分にしっくりきて『天職だ』と思いました。でも夫が『家に居て欲しい』と言うので、結婚退職。そうしたらピンチヒッターでドラマの仕事のオファーをもらって、そこからポツポツと女優業に復帰させてもらうことになったんです。その後も女優か家庭かでもめたこともあったけれど、そうやって選択を迫られたことによって、より女優をやりたいという気持ちが強まりました。夫は、私が専業主婦をやることはもう諦めていると思います(笑)」

■コネと揶揄(やゆ)されたこともあった

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書籍『京都ミステリーの現場にご一緒しましょ』を出版


「だから母がいなかったら私は女優になるということはなかったと思います。若いころは『お母さんのコネだけね』とか『七光り』なんてこともたくさん言われました。いきつけのお寿司屋さんに入ろうとしたら、中から『七光り』って声が聞こえてきて、『私のことだ!』って思ったら、実は魚の"光り物"の聞き間違いだったりして(笑)。でも今となっては、母がいなかったらデビューしていなかったということは『事実だしな』と思って、もう使えるものは使わせてもらおうと思っています(笑)。

そうやって女優を続けてきて、『京都ミステリーの現場にご一緒しましょ』を書くことになりました。もう母も亡くなって20年近くたちますが、いまだに『本のなかに出てきた場所に行ってみました』なんて読者がいてくれるんです。それで、京都の名所や母がいいと思っていたお店を、母の本の一部分を抜粋しつつ、母との思い出も絡めて一冊の本にまとめました。執筆していくうちに、母との思い出がたくさん蘇(よみがえ)って......。『ここであったお祭りやお店にはこんな思い出があった』なんていうことがどんどん明確に思い出されていった。そうしたらその晩に、小さいころの夢を見たんです。母がいっぱい出てきてくれてうれしかった。夢のなかで母はニコニコしていて、本を書いたこと喜んでくれたのかなと思いました」

■覚えている読者がいる限り、母は生き続ける

「『京都ミステリーの現場にご一緒しましょ』は、母の小説のなかに出てくる京都の名所やお店、レストランを紹介した本です。母が生きていた時代には、女子大生が実際に本のなかに登場した場所に行ってみて『先生の小説に書いてあったとおり、お弁当がおいしかったです』なんてお手紙が来たそうです。それを見た母は『私の本が京都のガイドブックになっているんだ』と思い、それからはますます事実に忠実にものを書くようになりました。本の中に登場するお店は母も実際に行ったし、そこに登場するお弁当も本当にちゃんと食べておいしいと思ったものを書いています。

よく京都はミステリーやサスペンスの舞台になりますが、殺人事件は陰湿なので、せめて舞台は華やかなほうが良かったんでしょうね。それから歴史や文化、芸術の積み重ねがあるから、謎を紐(ひも)解く鍵が地域に組み込みやすいという要素も大きかったと思います。それに、映像化されるときに視聴率が良かったそうです(笑)。ドラマを見ている視聴者が実際に旅行をした気分になれるということで、京都ものを書いてくださいっていうリクエストも多かったそうですよ。最近は『お母さまの本読みました。お元気ですか?』なんて聞かれることもあったりして、死んだなんて言えないから『相変わらずです』と返すこともあります。でもそうやって思い出してくれる、覚えていてくれる人がいるだけで、母は生き続けていると思います。本当にありがたいです」

女優、マルサ、そしてまた女優への復帰と意外にも山村の人生は波乱に富んだものだ。「ウチくる!?」では、母・山村美紗さんの話はもちろんのこと、そんな今までの女優人生も振り返っている。

◆山村紅葉(やまむらもみじ)
1960年10月27日生まれ。京都府出身。母は作家の山村美紗さん。1984年には国税庁国税専門官試験に合格し、国税局に勤務。結婚退職を機にふたたび女優の道へ復帰した。座右の銘は「今からでも遅くはない」。

(取材・文/おきざきみあ@HEW

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