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LUNA SEAのベーシストであり、ソロアーティストとしてもシーンの第一線で活躍し続けるJ。彼が、自身のライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』をリリースする。
このシリーズも今回で第5弾、おととしは通算10枚目のアルバム『eternal flames』がリリースし、さらに来年はソロデビュー・シングル『BURN OUT』から20年という、大きな節目のときを迎えているJ。一昨年はLUNA SEA結成25周年の全国ツアーを行い、昨年6月には「LUNATIC FEST.」を開催。そんな中でのソロ制作という、無尽蔵なパワーは一体どこから来るのだろうか。「常に《終わり》を抱えながら走り続けてきた」と語るJに、この20年間を振り返ってもらい、自身のこと、LUNA SEAのことをたっぷりと語ってもらった。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(C)FOURTEEN


2015年10月10日 赤坂BLITZで行われたライヴからJ 「I know」>>


■「音楽以外に自分を支えてくれるものはなかった」

ーー『CRAZY CRAZY V』に収録されたインタビューの中で、「終わりを抱えながら走り続けてきた。対極のものが自分の中に存在している」とおっしゃっていたのが印象的でした。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(写真:トレンドニュース)


J: 思い返せば、バンドを始める前、楽器を手にした時からずっと、「音楽以外に自分を支えてくれるものはなかった」って思ったんです。音楽を選ばなかったら何もないような人間だったので......。常に0か100かみたいな、そんな思いを抱えてて。そんなバンドを始めた頃を思い出すと、目指す目標がある一方で、常に"終わり"が存在していた気がします。いつ終わるかもわからない危うさの中と、いつ終わっても構わないガムシャラな中で、ずっと呼吸していたというか。だからこそ、いろいろな経験もできたし、いろいろな仲間ができた。そんな時間の積み重ねが作品につながっていったのだと思います。

ーー 今回で5作目となったライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY』は、もともとどんなキッカケで作られたのでしょうか。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
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J: アルバムを聴いてくれた人が、その世界観をより深く知ってもらうためには、ライヴやレコーディング、それから僕の日常を見てもらうことが一番の近道なのかなと思ったんです。僕にとってライヴは切り離せない活動ですし、もしこの世の中に「ライヴ」というものが存在していなかったら、自分は音楽をやってなかったんじゃないかと思うくらい、特別なものです。なので、僕の音楽に初めて触れる人も、ずっと応援し続けてくれる人も、どちらも満足してもらえるような映像作品が作りたかった。それが、そもそものキッカケですね。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(C)FOURTEEN


ーー 現在の、ライヴのサポートメンバーについて聞かせてください。ギターのmasasucksさんが、昨年のライヴから復活するなど変化もあったと思うのですが、今の関係性はいかがですか?

J: ソロを始めるときに思ったのは、僕一人が目立つのではなく、バンドとして存在できるような関係性でありたいということでした。「バンド」といいながら、実はそうじゃなく、フロントマンばかり目立つような場合も中にはあるじゃないですか。そうではなく、僕が目指していたのは本当のバンドサウンドだったし、そういう意味では、今のメンバーは本当に「バンド」となって一緒に転がり続けてくれていると思います。メンバーはみな、百戦錬磨のバンドをやってきた連中なので、世代はちょっとずつ違うけど、とんでもないサウンドを出してくれていますね。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(写真:トレンドニュース)


ーー お客さんのリアクションは、この20年でどう変わってきましたか?

J: ソロを始めた最初の頃は、やっぱり「LUNA SEAのベーシストが組んだバンド」ということで、なんとなくそこから音を想像しながら見に来てくれた人が多かったと思うんです。そういう人たちは、とにかくビックリしたんじゃないかな(笑)。今では、僕のスタイルと、僕たちバンドのパフォーマンスをしっかり理解してくれているし、「他のバンドにはない空気感」というものが絶対的にあると思います。オーディエンスとの一体感というのかな、単に送り手と受け手という一方通行ではない、相乗効果があるんじゃないかな、と。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(C)FOURTEEN


ーー 「やろうと思っていたことは、ファーストアルバム『Pyromania』(放火癖)でやり尽くしている」といったことも、よくインタビューなどで話していますよね?

J: ええ。僕が好きなバンドって、大抵そうなんですよね。初期衝動が詰まっているというか。

ーー クラッシュやセックス・ピストルズ、ニルヴァーナのような。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(写真:トレンドニュース)


J: そうそう。まさにそういうバンドたちに撃ち抜かれた一人なので。自分自身もソロを作るときは、「もうこれで終わってもいいんだ」っていうくらいのテンションで挑みました。それぐらいの気持ちを持って自分をさらけ出さないと、作る意味がないと思ったし。そんなことをずっと自問自答していたように思います。

■ 楽曲の「余白」に、聞いてくれた人たちの気持ちが投影されればいい

ーー 最新アルバム『eternal flames』は、そのファーストを作ったときの心境にかなり近い感じでレコーディングしていたそうですね。

J: そうなんですよ。完成までにかなり時間がかかってしまったんですけど、これまでの自分、そしてこれからの自分を「しっかりと詰め込んだ作品にしたい」と思って試行錯誤していくうちに、気づけばシンプルでストレートなサウンドになっていて。ほんと、一周回ったような感覚でした。余計な音は一切削ぎ落として、むしろ足りなくて余白があってもいいくらい。そのぶん一つ一つの音を、太くて存在感のあるものにしたかったというか。

ーー 「Verity」のライヴ映像を見ると、オーディエンスがシンガロングして、そこで初めて楽曲が完成するよう、あえて「余白」を作っていたりもするのかなと思いました。

2015年10月10日 赤坂BLITZで行われたライヴからJ「Verity」>>


J: そうなんです。こういう楽曲の作り方をしていると、「余白」というものが生まれてきて。そこに、聞いてくれた人たちの気持ちが入ってきてくれればいいなと思っていました。特にライヴだったら、その日その日で形が変わっていくだろうし、それが僕の目指した「オーガニックなサウンド」ということなのかもしれないですね。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(写真:トレンドニュース)


ーー 『The Eternal Flames』は、"永遠の炎"という意味ですが、今振り返ってみて"炎"が消えてしまいそうなくらい辛かった時期もありますか?

J: そうですね。「もう、どうなってもいいかな......」って思ってしまうくらい、つらかった時期はありました。でも、いつも思うのは、そんな自分自身をも笑い飛ばせるくらいの自分を、どこかで持っていたくて。さっき、「0か100か」って言いましたけど、そういう気持ちで進んでいくと、どこかにポロリと答えが転がっていたりする(笑)。とにかく、少しでもいいから前に進んでみることが大事なのかなって思います。だって、人生なんてリスクばっかりだし、そのリスクが楽しかったりするわけじゃないですか(笑)。

ーー おととしはLUNA SEAの結成25周年の全国ツアーを行ったり。昨年の6月には「LUNATIC FEST.」を開催。今、LUNA SEAのメンバーとはどのような関係ですか?

J: すごくいい状態だと思いますよ。みんなも知っての通り、いろいろなことがあったバンドだし、仲が悪かった時期も、ぶつかり合った時期もある。ぶつかるのを避けるために「こんなもんでいいんじゃない?」なんて言うやつは一人もいなかった。バンドのことを真剣に考えて、本気でぶつかり合ったからこそ最高のモノができたし、それがまたバンドを強くして進化させていったと思う。そう考えてみると、バンドって不思議ですよね(笑)。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(写真:トレンドニュース)


ーー すでにソロでの時期はLUNA SEAの活動期間よりも長くなりました。Jさんにとって、ソロとLUNA SEAはどんなふうな位置付けなのでしょうか。

J: ソロを始めた頃は、当然LUNA SEAに対する反動というかカウンターも当然あったと思う。でも、これだけ長く続けてくると、LUNA SEAとソロを隔てようとすること自体が違うのかなって思うようになってきて。「何が違うの?」と聞かれたら、「俺は何も違わないよ」って答えるんです。もちろん、LUNA SEAの曲を書くときにはLUNA SEAのメンバーのことを考えながら作るし、ソロの曲を書くときには今のバンドメンバーのことを考えながら書くわけだから、当然それは違ってくる。ただ、ガキの頃から聴き続けてきた音楽へのリスペクトを持ちながら、等身大の自分を100パーセントさらけ出して作ろうっていう気持ちは、どちらをやっていても変わらないんですよね。なので「LUNA SEAも100パーセントだし、ソロも100パーセント」って、今は答えています(笑)。100パーセントでいられる場所が二つもあるなんて、ものすごく幸せなことですよね。

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3月16日リリース ライヴ&ドキュメント映像集『CRAZY CRAZY V』
(C)FOURTEEN


◆J(じぇい)
92年にRYUICHI(vo)、SUGIZO(g)、INORAN(g)、真矢(ds)らとLUNA SEAのベーシストとしてアルバム『IMAGE』でメジャーデビュー。97年、バンドの充電期間中にソロ活動をスタートさせ、同年にファーストシングル『BURN OUT』、ファーストアルバム『PYROMANIA』をリリース。03年にはソロ初の武道館公演を行うなど、常に存在感をシーンに示してきた。現在は、10年にREBOOT(再起動)したLUNA SEAのベーシストとして、ソロアーティストとして精力的な活動を展開。昨年は10枚目のアルバム『eternal flames』をリリースした。好きな言葉は「自由」

(文/黒田隆憲)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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