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人気作家・東野圭吾が「スポーツビジネスをめぐる医科学サスペンス」を題材に、親子の絆、才能、また真のしあわせとは何かを問う、『カッコウの卵は誰のもの』がWOWOWで3月27日よりスタートする。

 高い運動能力を秘めた遺伝子パターンを持つがゆえに、出生にまつわる危険な事件に巻き込まれる天才女子アルペンスキーヤー風美を演じるのは、近年、目覚ましい活躍を続ける土屋太鳳。現役体育大生ならではの抜群の運動神経で、風美という役柄に果敢にチャレンジしている。NHK朝の連続テレビ小説『まれ』に主演後、TBS日曜劇場『下町ロケット』、主演映画『orange-オレンジ-』など、注目度も高い土屋に、本作のテーマである「努力と才能」について、女優に対する思いなどを聞いた。

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)主演 土屋太鳳
(写真:トレンドニュース)


■東野圭吾さんの世界に入ることができることがうれしかった

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』


――原作はベストセラー作家・東野圭吾さんの同名小説ですが、お話が来た時はどう思いましたか?

「アスリートの役と言うことで、全力でぶつかろうと思い、今やらなくて、いつやるんだという気持ちでした。もともと東野さんの作品がすごく大好きで。特に『容疑者Xの献身』や『探偵ガリレオ』、『麒麟の翼』や『新参者』が好きです。透明な閉塞(へいそく)感がある作品が多く、自分の心の繊細な部分に触れられるような感じがします。今回はその世界観に入ることができると思い、すごくうれしかったです」

――『カッコウの卵は誰のもの』の原作は?

「今回のお話があってから読みました。実は高校生の時に気になっていた本だったんです。努力と遺伝と才能という、バランスの難しさをしっかり描いている作品だと思います。実写化するとお聞きして、驚きました」

――本作では、高い運動能力を秘めた遺伝子パターンを持つヒロイン、風美という役柄を演じるわけですが、現役の体育大生である土屋さんにも共通する部分も感じるのでは?

「運動をしてきたという点ではわたしと共通しているとは思うんですが、風美とは規模が違いすぎて(笑)。彼女はオリンピック選手を目指しているすごいアスリート。でも彼女は、アスリートとしての責任を背負っている。その感覚はわたしが、連続テレビ小説「まれ」のヒロインに決まった時の感覚に似ていると思ったので、それはしっかり役作りに生かしていこうと思いました」

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』


――トレーニングは相当大変だったのでは?

「もともと体力づくりはしていたので、撮影する分においては大丈夫でしたが、スキーは全身運動なので筋肉痛がすごかったです。だからストレッチは欠かさずにおこなっていました」

――現場はどのような雰囲気だったんですか?

「共演者、スタッフの皆さんといろいろと話したり、待ち時間に雪で遊んだりと楽しい雰囲気でした。
真野恵里菜ちゃんとはホテルの温泉へ一緒に入ったりして、いろんなことを話していました。共演するのは今回2回目で。恵里菜ちゃんはすごくすてきでかわいらしいんですけど、内面はすごく熱い人なんです」

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)主演 土屋太鳳
(写真:トレンドニュース)


――真野さんとはどのようなお話をされていたのでしょうか?

「役についても話をしましたけど、でも基本はお肉の話ばかりしていました。恵里菜ちゃんもわたしもすごくお肉が大好きで。ここの焼き肉屋さんがおいしかったとか、あのステーキがおいしかったよとか。ほかにもあそこのカフェが良かったとか、そんな話ばかりしていました(笑)」

■映画デビュー作で香川照之が伝えた「大事なこと」

――本作は「才能」は「努力」で得られるものなのか、「遺伝」で得られるものなのかというテーマの物語ですが、土屋さんは「才能」をどう捉えていますか?

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)主演 土屋太鳳
(写真:トレンドニュース)


「いろいろな才能があると思いますが、一番大事なのは、努力をすることを恐れない才能じゃないかと。努力をすることで自分の限界を知ることになると思うんですが、その限界を頑張って超えていこうとすることが「努力」だと思っていて。「そこまでしなくていいんだよ」という、"そこ"までやってみて初めて伝わるのかなと思います」

――土屋さんは結構頑張ってしまうタイプじゃないですか?

「"そこ"までいかないと届かないことが多かったです。オーディションでも、今ここでこの言葉を伝えなかったら絶対に後悔するという思いで。ちょっとはみ出した部分もちゃんと伝えることを意識してやったら、『るろうに剣心』といった作品でも役をつかめるようになってきました。だからこそ、"そこ"までやることが大事だと感じています」

――土屋さんはよく感謝の言葉を述べていますが、そういう気持ちはどこから育まれているのでしょうか?

「それは多分、(黒沢清監督の)『トウキョウソナタ』というわたしのデビュー作で香川照之さんとご一緒したからだと思います。香川さんとは2日間しか撮影がご一緒できなかったのですが、その時に『もしこれから太鳳が本当に女優として生きていくなら、これだけは忘れちゃいけないよ。自分たちが演技できているのは、カメラマンさんだったり、メイクさんだったり、美術担当の方だったり、本当にたくさんの人たちがいてできるものだから。感謝の気持ちを忘れちゃいけないよ』と。その言葉で今まで生きてきた感じがしています。それがなかったら違った人生になったかもしれません」

――これまでは等身大の役が多かったと思いますが、これから挑戦したい役はありますか?

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)主演 土屋太鳳
(写真:トレンドニュース)


「同情の余地のない悪役をやってみたいです。今までは、どんなに性格の悪い女の子の役でも、本当はこういう過去があったりとか、本当は優しいということが多かったので、そういったものがなく、ただの悪そのものといった役があったらやってみたいです」

――これからどんな女優になりたいと思っていますか?

「人の繊細な部分をしっかり表現するのは苦しいことだと思っていて。人の人生を演じているのに、自分自身の成長がストップするようなことになったらそれは嫌だなと思っていて。だからいろいろなことにしっかり興味を持って。一つ一つの仕事をやっていくうちに、自分の中の引き出しや愛情を豊かにしていきたいと思っています」

――充実したアウトプットをするために、インプットも充実させなくてはいけないということですね。最近は環境も変わってきているのではないかと思いますが、最近のご自身の変化はどう感じていますか?

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)主演 土屋太鳳
(写真:トレンドニュース)


「変化していたいなという気持ちは強いですが、実際の生活自体は変わっていなくて。わたしは電話をよくするのですが、友達からは、最近遠くに感じることもあるけれど、実際に話すと変わっていなくて良かったと言われます」

――「まれ」などで注目を集めた分、最近はお忙しいのではないでしょうか?

「確かに前に比べると撮影に参加している日数は増えました。以前はオーディションで役を勝ち取るのも年に2回くらいだったので、そんなにたくさんお芝居をすることもできなかった。でも今は10年やってきて、こういう風に毎日お仕事をさせていただくことができているので、うれしい反面、基礎や技術がまだまだなので、そこを張りたいです」

――朝ドラヒロインを経験したことで、たくさんの人に注目されるようになったのではないでしょうか?

「お子さんや、お母さん世代の方々など、あらゆる世代の方が『まれ』を見てくださって。いろんな場所で『まれ』から元気をもらっていましたと声をかけてくださいます。あの時は苦しいこともありましたが、しあわせな役だったので、それが伝わったと思ったらうれしかったです。ブログでもそうですが、本当にたくさんのコメントをいただいて。今まで文通だと思ってやってきたのですが、皆さんがそれぞれ頑張って生きているということがわかって。そういったブログのコメントで吸収したものを、お芝居でも生かせたらと思います」

――最後に土屋さんの座右の銘を教えてください。

「座右の銘になっているのかわからないですが、『野生』です。最近、ダンスをやる機会があって。頭で考えるより、体で感じることが大事だと思っています」

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3月27日開始 『カッコウの卵は誰のもの』(WOWOW)主演 土屋太鳳
(写真:トレンドニュース)


土屋太鳳(つちや たお)
1995年東京都出身。2005年のスーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックスにて審査員特別賞を受賞したことを機に芸能界入り。2008年公開の黒沢清監督作『トウキョウソナタ』で映画デビュー。2011年のドラマ「鈴木先生」で注目を集める。2015年に放送された朝の連続テレビ小説「まれ」ではヒロインに抜てき。女優として幅広く活躍。主な映画出演作として『赤々煉恋』『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』『図書館戦争』『orange』など。主なドラマ作品として「大河ドラマ 龍馬伝」「真夜中のパン屋さん」「リミット」「下町ロケット」などがある。4月よりドラマ「お迎えデス。」(日本テレビ)に出演、今後は映画『青空エール』(2016.8.20公開)、『金メダル男』(2016.10.22公開)の公開を控えている。

(取材・文/壬生智裕)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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