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NMB48の渡辺美優紀は、4月13日に大阪・なんばのNMB48劇場での公演で卒業を発表した際、同じグループの山本彩について「友達みたいな関係にはなれなかったけど、今まで出会った中で一番の運命の人」と語った。友達ではないけれど、間違いなく出会いは"運命"だった――。グループ結成時から"さやみるきー"としてツートップを張ってきたふたりの、これまでの物語。

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渡辺美優紀/Miyuki Watanabe(NMB48/AKB48), 山本彩/Sayaka Yamamoto(NMB48/AKB48), Jan 29, 2016 : 東京都内で行われたドキュメンタリー映画「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」の初日舞台あいさつ
写真:MANTAN/アフロ


■NMB48の初センターはみるきー

山本も渡辺も、2010年9月にNMB48第1期生オーディションに合格。そして翌年1月1日の劇場初公演で、山本はキャプテンに就任した。そして同年5月に発売されたAKB48の21枚目シングル「Everyday、カチューシャ」でふたりだけ初めてシングル表題曲の選抜メンバーに選ばれて、NMB48のメンバーの中でも抜きんでた存在となったが、実は7月発売のNMB48のデビューシングル「絶滅黒髪少女」のセンターを担当したのは渡辺だった。山本はその3カ月後、10月発売の2枚目シングル「オーマイガー!」でセンターを務めることになる。

このような流れがあり、ふたりは自然とNMB48のツートップにしてライバル同士と周囲から見られるようになってくる。ふたりを競わせるのは運営側も望むところで、それぞれのファースト写真集『さや神』と『みる神』はどちらも2012年11月20日に発売され、1週間の売り上げを競う企画が行われた。この際に勝利したのは渡辺で、見事賞品のCM出演権を手にした。今でこそAKB48グループ全体でも屈指の知名度を誇る山本だが、NMB48での初センター、写真集の売り上げ対決と渡辺に敗北を喫しているのだ。

■熱愛スキャンダルで差が広がる

山本と渡辺はグループ結成からすぐ"さやみるきー"コンビとしてグループを引っ張っていき、さらに互いの勝敗をつねに注目される立場となった。そんな「ふたりはライバルだ」という周囲からの期待にまるで応えるかのように、2012年のAKB48選抜総選挙では渡辺が19位、山本が18位、翌2013年は渡辺が15位、山本が14位とふたり並んでランクインしている。

しかし2014年3月、渡辺とモデル・藤田富との熱愛が『週刊文春』に報じられた。その年の総選挙では、渡辺が18位に対して山本は6位にランクイン。ここからふたりの差は広がっていくことになってしまう。翌2015年の総選挙では渡辺は12位で、選抜復帰を果たしたものの、山本は6位ともはや新・神7としての地位を確立していた。

■「一緒の学校だったら、絶対一緒のグループじゃなかった」

不器用な優等生である山本と、男心をくすぐる小悪魔ぶりで"釣り師"と呼ばれた渡辺。正反対なふたりだからか、渡辺は今年2月放送のNHK BSプレミアム「AKB48 SHOW!」で、「一緒の学校だったら、絶対一緒のグループじゃなかった」と率直に語っている。同番組では、AKB48の高橋みなみ(今年4月に卒業)が「みるきーがちょっと下がったりして、葛藤したと思うけど、さやみるきーってどうなの?」と直球な質問を渡辺にぶつけていたが、それを受けて渡辺は「ライバルとして意識しあってたけど、その時期はお互いすごくしんどかった」と告白した。

渡辺は「始めはお互い認めたくないっていう気持ちがあったけど、一緒にやってくと、一番近くで見てると努力もすごく見えて、すごいなと思う部分がいっぱいある」と語り、またNMB48グループ全体でもっと上を目指したいという思いから「一緒にがんばりたい」という考えになったと明かした。

■卒業発表の場には山本がいてほしかった

一緒に話していて馬が合うわけではないのは本当なのだろう。山本と渡辺、HKT48・指原莉乃で4月20日放送のラジオ番組「AKB48のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)に出演した際は、ふたりで微妙な距離感を自虐し、「指原さんがいて本当によかった」と感謝していた。

だが渡辺は同番組で、卒業発表の場には山本がいてほしいとスタッフに希望していたと告白。また山本は一緒にグループを引っ張ってきた渡辺を見送る心境について、「素直になれないですよね。感情がいろいろありすぎて」と吐露。渡辺は「家族とかにあらたまってありがとうっていうのは恥ずかしいし、あらたまるのが恥ずかしい」と語っていた。またコンビで仕事をすることが多く、一緒にいた時期が長すぎたせいで、あまり話すこともなくなったというふたりに、指原は「芸人さんみたいな感じ」とコメントしていた。

■山本彩は「並んだ時は無敵や」

指原がふたりの関係を「芸人さんみたい」と表現したのは、さすが的確な例えだと言わざるをえない。息の合ったかけ合いを見せるお笑いコンビが、プライベートでも同じように親しげにやり取りしているとは限らない。むしろ不仲がうわさされる人気コンビなんてざらにいる。渡辺の「友達みたいな関係にはなれなかった」という言葉は、そういう意味を表しているのだろう。あくまでふたりはNMB48というグループのなかでの"パートナー"という関係だった。

しかしパートナーというのは、友人同士よりも一段落ちる関係なのだろうか? そうではない。NMB48というグループの礎は、山本ひとりでもなく、渡辺ひとりでもなく、「あのグループには、さやみるきーというすごいツートップがいる」という評判でふたりで築いたものだった。たとえプライベートで仲睦まじい交流がなかったとしても、相手の才能や努力を一番理解しているのは自分だとお互いが感じている。むしろ馬の合わないふたりが、そこまでお互いを認め合っているという状況こそが、尊いものなのではないだろうか?

渡辺は山本を「運命の人」と呼んだ。山本はTwitterで、「みるきーが隣に居たから隣に居たのがみるきーやったから自分らしくいられた。子供みたいな言い方やけど並んだ時は無敵やって、心のどこかで自信さえ持たせてくれた。この関係性を何て呼んだら良いのかな。名前も付けられへん位本当に本当に特別な存在」とつづった。友達ではなくとも、かけがえのない戦友ではあったふたり。渡辺の卒業時期は未定だが、卒業が迫るにつれて、ふたりの関係がまた変化することは十分にありえるだろう。ひょっとしたら渡辺の卒業後、"NMB48のツートップ"や"ライバル"のように周囲から縛られなくなったふたりが、すっかり仲良くなって、一緒に食事をしながらたわいもない会話を楽しんでいる......なんて未来もあるのかもしれない。

(文/原田美紗@HEW

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