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八田鮎子原作の人気コミック『オオカミ少女と黒王子』(集英社「別冊マーガレット」連載)が、二階堂ふみと山崎賢人のダブル主演で実写映画化される。
クラスのイケてるグループに所属する高校一年生のエリカは、友人に合わせて彼氏とのノロケ話を語るが、実際は彼氏がいないどころか恋愛経験すらない。だんだんウソも怪しまれ始め、困り果てたエリカ。そんな彼女の前に現れたのは、「彼氏のフリ」をしてくれるという超絶イケメン男子、佐田恭也(さた きょうや)。ところが佐田は、ルックスとは裏腹の「腹黒ドS王子」で、見返りとしてエリカに絶対服従を誓わせるのだった......。

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5月28日公開『オオカミ少女と黒王子』二階堂ふみと山崎賢人のダブル主演


こうやって聞くと、何やら女の子の弱みにつけこむトンデモなく嫌な男、と思われそうだ。が、この佐田くんがとにかくカッコいい。ウソつきで見栄っ張りなエリカに対し、痛いところ(つまり本質)をズバズバ突いていく彼のセリフに、読んでいるこちらもついつい考えさせられてしまう。最初は反発していたエリカも、ドSの佐田くんにふりまわされるうちに、ウソから始まった2人の関係は発展して...... ? そんな細やかな人物描写に、荒唐無稽な設定のラブコメながら思わず感情移入してしまうこと必至だ。
実写映画版が5月28日公開されるにあたり、原作者の八田鮎子氏に作品に込めた思いなどを語ってもらった。


『オオカミ少女と黒王子』予告編>>


■ ドSの彼氏が、見栄っ張りでウソつき女にお灸(きゅう)を据える話

ーー『オオカミ少女と黒王子』のストーリーは、どんなときに思いついたのですか?

八田:まず「インパクトを大事にしよう」と思いました。ワンフレーズで説明した時に、「こういう話なんだな」っていうのを分かりやすくしたかったんです。そうしたら、「ドSの彼氏」っていうフレーズが、インパクトもあるし一発で説明できるし良いのではないか、と。それと同時に、「おまえは俺の犬になればいいんだよ」っていうセリフなんかもどんどん浮かんできて。「よし、これでブチかましていこう」と(笑)。その先のことは当時あまり考えていなくて、まずは最初のインパクトでしたね。

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5月28日公開『オオカミ少女と黒王子』



ーーキャラクターから考えることが多いのですか?

八田:はい。私の場合はキャラクターから作ります。まず、嘘を繰り返す"オオカミ少女"、篠原(しのはら)エリカを思いつきました。で、こういう見栄っ張りでウソつきな女には、どういう男が現れたらいいのかな? と。いろいろ考えていく中で、ドSの佐田恭也(=黒王子)にお灸(きゅう)を据えてもらうことにしました(笑)。私は女子校だったんですけど、結構エリカみたいに、自分と周りを比べる人が多かったんです。「誰々と比べて私はこう」だとか、そうやって見栄を張るようなプライドの高い子たち......自分も含め、「高校の頃ってこんなだったよなあ」「女子校時代の彼女たちに言いたい!」という気持ちで描きました。

ーー別に大して好きでもないけど、彼氏が欲しいから付き合ってる子とか。

八田:そうそう。そういう人が多かったんですよ、私の周りに。それで「描きやすいかな」って思った部分はありますね。「そんなに彼氏欲しいのかよ、おまえらそれでいいのか?」って。

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5月28日公開『オオカミ少女と黒王子』


ーーご自身を投影させた部分もあったりしますか?

八田:それもありますね。エリカの見栄っ張りのところ、周りに溶け込めず置いていかれるのが恥ずかしい、みたいなところとか、それで、「前に習え」じゃないですけど、みんなに合わせるためにウソをついちゃうところはありました。とにかくハブられるのがイヤだったんですよね。

■ 男のちっさい部分って、私は結構好きというか、愛しいなって思うんです(笑)

ーー作品の中で、特に思い入れのあるシーンは?

八田:エリカをだます男の子がいるのですが、彼が佐田くんに殴られるシーンは原作でも好きでした。彼のああいう男のちっさい部分って、私は結構好きというか、愛しいなって思うんですよ(笑)。そこが描けたのは良かったです。まあ、佐田くんをカッコよく見せるための、"踏み台"のような役回りになっちゃったけど(笑)。

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5月28日公開『オオカミ少女と黒王子』


ーー佐田くんのセリフで、エリカに対して思わせぶりなドSっぷりも結構好きです(笑)。

八田:それって、ウラを返せば「俺のこと、ずっと考えてくれよ」ってことですからね。素直じゃないんです、佐田くんは(笑)。そういう、いろんな意味に取れるセリフを考えているのが楽しいですね。「素直じゃないドSな佐田くんだったら、こういうときにどんな言い方するのかな」とか。

ーーなるほど。佐田くんとは正反対のキャラ、エリカにひそかに想いを寄せるクラスメイト日下部くんも重要ですよね。ポジティブなこともネガティブな反応しかしない彼に、エリカが怒るシーンは映画でも印象的でした。

八田:日下部くんは、私の中のネガティブな部分を全部背負ってくれたキャラです。エリカが彼に言ったセリフって、実際に私が友人に言われたことなんですよ。私のことを褒めてくれたときに、「お世辞とかいらないから」みたいなリアクションをしたことがあって。そのときに友人から、「私、本気で言ってるのに、すごく失礼じゃない!?」って怒られて。それでハッとしたんです。ほんと、彼女のいう通りだなと思ったので、「これは描こう」と。

ーー佐田くんに日本中の女子が憧れるわけですが、何か男子がすぐにできる、実践しやすい「胸キュン行動・ワード」はありますか?

八田:うーんどうだろうなあ。「お手」とかいいんじゃないですか(笑)。ナルシシストな男の子だったら言えるんじゃないですかね。ちょっと離れたところから「お手」って言って、彼女が駆け寄ってきたら撫(な)でてあげるとか(笑)。それ、すっごく喜ぶと思いますよ女の子だったら。もちろん、好きな人限定ですけどね。

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5月28日公開『オオカミ少女と黒王子』


ーー顔をプニプニするのはどうですか?

八田:あれイヤですね~「あんま触んないで」って思っちゃう(笑)。あ、でも好きな人だったらうれしいのかな。となると、なんでもアリってことですね、好きな人なら。

ーーでは、映画版を見た感想をお聞かせください。

八田:原作はポップでコメディタッチなんですけど、映画はちょっとしっとりめというか。もちろん、コミカルなシーンもあるんですけど、ちゃんとリアルなラブストーリーになっているのがいいなと思いました。映画的というか。きっと、マンガを読む習慣のない人も、受け入れやすい作品に仕上がっているし、学生はもちろんちょっと年齢が上の人が見ても楽しんでもらえるんじゃないかなと。

ーー﨑二階堂ふみさんと山崎賢人さんの役作りに関しては?

八田:撮影現場に見学に行ったときに、山崎さんがロケ中、カメラが見切れているところでもちゃんと佐田くんがしそうな表情をしてくれているところを見て、そのときに、「大丈夫だな」って安心しましたね。ドSなときの表情も難しいと思うんですけど、ふと見せる佐田くんの悲しそうな表情とか、とても良かったですね。二階堂ふみさんは、ただひたすらかわいかったです。私が彼女にしたいくらい(笑)。原作のエリカってちょっとイタイ子じゃないですか。でも二階堂さんが演じてくださったことで、イヤミのないエリカになったなって思いました。けなげだし、セリフも心にグッと入ってくるんですよね。それも、二階堂さんだからだと思います。

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◆ 八田鮎子(はったあゆこ)
2002年、別冊マーガレット(集英社)にて「ずっと君の王子様」でデビュー。その後、「ひよこロマンチカ★」「オーダーは僕でよろしいですか?」「ボクの世界 キミのリアル」「悪い子の味方」「キミを中心に世界はまわる」「ぐるぐるめぐる」と6作の短編集を刊行。2011年に「オオカミ少女と黒王子」の連載を開始し、2014年にテレビアニメ化。2016年5月28日には、二階堂ふみと山崎賢人のダブル主演で実写映画化。

※文中の「山崎」の「大」は「立」表記
(文/黒田隆憲@HEW
(C)八田鮎子/集英社 (C)2016「オオカミ少女と黒王子」製作委員会

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