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10代で経験したイジメ、引きこもりについて隠さず語り、つらい経験も音楽に昇華して歌うシンガー、ななみが7月6日に2ndアルバム『Light in the Darkness』をリリースする。傷ついた心を音楽に助けられてきたななみは、今や自身の音楽でリスナーを勇気づける立場になった。10代の頃の夢も叶(かな)い、8月から10月には"白と黒の世界"と題したツアーも決定した、ななみの新たな目標とは?

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7月6日に2ndアルバム『Light in the Darkness』をリリースする、ななみ


7月6日発売『Light in the Darkness』リード曲「サイレン」>>



■昔のフォトアルバムのような2ndアルバム

「今回のアルバム『Light in the Darkness』は、いろんな要素を詰め込んだと言うよりは、自分が持っている1つ1つの世界観を1曲1曲に分けて、それぞれストイックに突き詰めました。すごく前に作った曲をたくさん収録したので、今とは違う人格の時に作った曲も入っています(笑)。個人的には昔のアルバム写真をめくっているような感覚ですね。すごく心が楽しいと思える楽曲ばかりになりました。デビューしてからいろんなことを学んで成長して、ちょっと隙を出すような歌い方にもトライしています」

■作ったことを後悔した曲『サイレン』

「アルバムのリード曲『サイレン』は、上京したての2年前くらいに渋谷のスクランブル交差点で感じたことが反映されています。その頃は"助けて"と叫びたい気持になることもありました。私たちの世代は歌詞にある"防空壕"にこもったことはないんですが、外に出られないくらい自分の心の中に閉じこもっていた状況を表現したくて"防空壕"という言葉を使いました。すごく傷ついていたことも伝えたくて、武器の名前も出しています。この曲は、ボーカロイド(音声合成技術)のイメージで作っていたので人間が歌うにはすごく難しくて、レコーディングのとき、作ったことを一番後悔しました(笑)。へこみながら工夫して何回も歌って完成できました」

■10代の夢が叶(かな)った瞬間

「今回のアルバムには、作曲家の澤野弘之さんの曲でテレビ朝日系テレビアニメ『機動戦士ガンダムユニコーンRE:0096』の1stエンディングテーマにゲストボーカルで参加した『Next 2 U』のオリジナルVer(Aimerさん Ver)をカバー収録させていただいております。澤野さんは子どものころから大好きで、10代のとき、東京まで澤野さんのライブを見に1人で行ったこともあるくらいなんです。一緒にレコーディングしているところも勝手に妄想していました(笑)。澤野さんには本当に好きで聴いてきたというのが伝えられて、『できあがったCDは墓場にも持っていきます!』と口走ったほど信じられないくらい幸せな瞬間でした。ガンダムのテーマと言うことで、私のおばあちゃんにも説明しやすかったですし(笑)。年上のファンや地元のリアルタイムにガンダム好きだった方たちにもすごく喜んでもらえました」

■心の中で悲鳴をあげるような気持ちを忘れたくない

「ファンから、 "ななみの曲を聞いて、学校に行けるようになりました""家から出られるようになりました"という声をもらいました。当時の自分が音楽で救われたように、自分も誰かを助ける音楽を作れたんだという実感が持てて、すごくうれしくなります。心の中で悲鳴をあげるような気持ちを忘れたくないので、あえて1人になって孤独を忘れないようにしています。それが私の曲作りの糧になっているので、私は幸せになったら絶対曲が書けないと思うんです。悲しみは大歓迎ですね(笑)。私はつらいことがあっても友達と遊んで気持ちを紛らわせたりしません。家に帰って1人で泣きます。自分をごまかさないでいると、自然と曲が出てくるんです。10代のころの悩みを音楽に助けてもらってきたので、東京に来てからもそうしています。ゲームに例えると、まるで何回もゲームオーバーしながらコンティニューボタンを押して復活している感じですね」

■悲しみの歌が現実に

「すごく悲しかった出来事は最近たくさんあったんですけど、プライベートで今回のアルバムに収録されている曲の通りになってしまったことがありました。以前から曲を書くと現実になっちゃうことが、たびたび起こっていたんですが、よりによって曲のリリースタイミングのときにリアルタイムで重なるとは思っていませんでした......。自分の曲を聞いたリスナーの気持ちになれて、自分が自分の曲に励まされました(笑)。そんなとき何と言われたいのか、自分で自分の勉強になりましたね。創作で書いた曲が現実になりやすいとわかってはいても、やっぱり今の私にハッピーソングは書けません......(笑)」

■2面性を愛せるライブ

「以前から"黒と白"2種類の内面を持って生きている自覚があるんです。それで、"暗闇の中の光"という意味のアルバム『Light in the Darkness』を作りました。色で言うと"黒と白"なので、今回のツアーは人間が持っている黒い部分と白い部分を表現するライブにしたいです。同じように2面性を抱えているお客さんも、どちらが悪者とは決めずに"黒と白"両方を愛せる温かいライブにしたいと思っています。アルバム前半の6曲が黒で、後半の6曲が白をイメージした曲なので、ライブでも"黒タイム"と"白タイム"で分けるつもりです。黒い人が白い人に変わっていくという物語も隠れているんです」

■安心して泣ける空間作りを目指して

「笑顔は気軽に作れるけれど涙を実際に流すのは難しいから、ライブで涙を流してもらえると、自分の歌が響いてくれたと実感できてうれしいです。前回大阪でワンマンライブをやったときに歌った『愛をください』で、すごくたくさんの方が泣いてくれたんです。そのときはじめて自分がやりたいライブのイメージが固まりました。もっとたくさんのお客さんたちを泣かせたいんです(笑)。
座右の銘と言うか、私にとって心の中にある"涙のバケツ"という悲しみのバロメーターを大事にしています。"涙のバケツ"に悲しみが蓄積されていくような感覚があるんです。10代の私はそのバケツを自分でひっくり返して空にできませんでした。それで"涙のバケツ"から水が溢(あふ)れちゃって、人に迷惑をかけたりしていました。最近の自分は、"涙のバケツ"を自己管理できるようになっています。みんなの心の中にある"涙のバケツ"をひっくり返す役割を私のライブが担いたいですね。『ななみのライブに来ると自然と泣けちゃうわ』という空間にしていくのが今の私の目標です」

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◆ななみ
1993年8月13日生まれ/A型/大分県出身
2013年、ヤマハグループ主催『The 6th Music Revolution JAPAN FINAL』にてグランプリを獲得。2014年10月8日に「愛が叫んでる」でメジャーデビュー。デビュー曲は全国AM・FM41局でパワープレイを獲得し、10月度オリコンFMパワープレイランキングで1位を獲得。2015年には1stアルバム『ななみ』、ミニアルバム『Lovin' you あなたと繋がる6つの方法』をリリース。圧倒的な歌唱力だけではなく、その歌声に乗せたメッセージを聴く人々の心に深く、やさしく、時に鋭く届けられる、まさに稀代(きたい)のシンガー。

(取材・文/岩木理恵@HEW
(写真:トレンドニュース)


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