ここから本文です

「半径2.5メートル以内にAV男優がいないと変身できないヒーロー」という奇想天外なアイデアがネットを中心に話題を集めている。そのオリジナル特撮ヒーロードラマのタイトルは「マグマイザー」。現段階ではYouTubeで予告編映像のみが公開されているだけで、本編映像は存在しない。このプロジェクトは現在、連続ドラマ化を目標に、協賛スポンサーや放送媒体などを募っている段階だが、早くも香港、台湾からも熱い視線が送られるなど、世界を巻き込んだ一大プロジェクトになりそうな予感を秘めている。

サムネイル

AV男優界のアベンジャーズが集結......男が熱狂するヒーロードラマ「マグマイザー」
(C)MAGMIZER PROJECT


「マグマイザー」 予告編 / Magmizer Trailer>>


主人公の真熊烈(まぐま・れつ)は、一般男性とは桁違いの"マグマ粒子(精力や雄度)"を持つ選ばれし男性・神雄(カミオス)=AV男優の力を借りて、超戦士マグマイザーに変身。日本の少子化および人類滅亡をもくろむ黒の一族ひきいる魔獣と戦う。予告編に登場した神雄は、大島丈、黒田悠斗、しみけん、志良玉弾吾、田淵正浩、森林原人、吉村卓という、現代のAV男優界を代表する七人の精鋭に加え、さらには2013年をもってAV男優卒業を表明した、あの神の手を持つカリスマAV男優まで参戦。まさにAV男優界のアベンジャーズともいうべき豪華出演陣となっている。また、スタッフも一流どころが参加。ハイクオリティーで豊かな映像が、この企画に対する"本気"を感じさせる。

サムネイル
ヒ―ローが変身するためのエネルギー源、それは男優の精力
(C)MAGMIZER PROJECT


本作のメガホンをとったのは、大ヒットDVD「人の怒らせ方シリーズ」や、異色の脱力系特撮ヒーロードラマ「神話戦士ギガゼウス」を手がけた演出家の古屋雄作。この異色の新ヒーローを生み出した古屋に、この企画への思いを聞いた。

サムネイル
大ヒットDVD「人の怒らせ方シリーズ」なども手がけた演出家、映像ディレクター 古屋雄作
半径2.5m以内にAV男優がいないと変身できないヒーロー「マグマイザー」を製作


■AV男優(神雄)のパワーをエネルギー源にするヒーロー

サムネイル
ヒーロー役を演じる、河野朝哉
(C)MAGMIZER PROJECT


――「神雄=AV男優のパワーをエネルギー源にするヒーロー」というアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

古屋「2012年に関西テレビで『神話戦士ギガゼウス』という特撮番組を手がけたんですが、僕としてはその続編をやってみたいなという思いがありました。その時に、ヒ―ローが変身するためのエネルギー源についても色々と考えて。携帯の電波とか、子どもたちの笑い声とか考えていくなかで、男優の精力というアイデアもよぎった。それが今回のマグマイザーの元になっていると思います。」

――まわりの反応はいかがでした?

古屋「飲みの席でも仕事現場でも、とにかく男にこのアイデアを話すとみんな大爆笑なんですよ。男なら、たとえ名前は知らなくても、彼らの顔はだいたい知っているじゃないですか。だから話していくうちにみんなのイメージがどんどんふくらむようで、「男優ごとに変身後の能力を変えてみたら」とかいろいろなアイデアが飛び出して、本当に盛り上がるんです。そういうのっていいアイデアなので、これはやるしかないなと思ったんです」

■予告編のみ。だが、撮影、アクション、VFX、音楽のクオリティーは一流

――そのアイデアを予告編にしようと思ったのは?

古屋「いろんな人に企画を持っていくと、『面白いね』と興味は持ってもらえるんです。ただ、現場レベルではそれで良くても、偉い人レベルになるとなかなかうまくいかない。さすがの僕も次第に、これは社内で通すことはできないのかな、ということがうすうすと分かってくるんです」

――そこで予告編を制作しようと。

古屋「そんな時、とある投資家の方の名前が頭に浮かんで。それで企画を持っていったら非常に面白いと言ってくれた。ただし僕が思い描くクオリティでこの連続ドラマを撮り下ろすとウン億円はかかる。さすがにいきなりそんな額をというわけにはいかなかったのですが『予告編を作るくらいの予算なら出すよ』と言ってくれたんです。これはイメージを形にして見せられるチャンスだと思い、予告編を作ることにしました。」

――予告編を見る限り、空撮もありましたし、意外にお金がかかっているようにも感じたのですが。

古屋「そうです。実はお金がかかっています(笑)。大人の事情で名前を明かせない方もいるんですが、撮影、アクション、VFX、音楽など、この作品のために集まってくれたスタッフというのが本当に一流の方たちなんですよ。規模もどんどん大きくなって、予算以上のクオリティーの映像になっていると思います」

サムネイル
予告編のみ。だが、撮影、アクション、VFX、音楽のクオリティーは一流
(C)MAGMIZER PROJECT


――マグマイザーの造形も非常にカッコいいものに仕上がりました。

古屋「あのスーツは本当にカッコ良かった。完成したスーツを見た時は、スタッフ全員の士気が上がりましたね。この企画はおちゃらけた感じでやってしまうとアングラっぽくなってしまうので、画面はきちんとこだわってリッチなものにしないとダメだなと思っていたのですが、幸いにも一流の職人たちがすごい技能を持ち寄ってくれて......これもやはり神雄のお導きなのかもしれません(笑)」

■AV男優界のアベンジャーズ集結! AV女優は出さない?

サムネイル
登場する神雄=AV男優たちも一流どころ
(C)MAGMIZER PROJECT


サムネイル
ヒーロー「マグマイザー」は、半径2.5m以内にAV男優がいないと変身できない
(C)MAGMIZER PROJECT


――登場する神雄=AV男優たちも一流どころがそろいました。

古屋「そうですね。初めは神雄がどういう人たちなのかも、業界のことも全くわからないので、不安や恐れがありました。けど実際会ってみるとみなさん協力的で、この企画のこともめちゃくちゃ面白がってくれて。
やはり男にとって、あのメンツがそろうというのはすごいことなんです。ある意味『アベンジャーズ』みたいなものですからね。彼らは1日に現場をいくつも掛け持ちして、多くの女性たちの相手をするわけですから。世の男たちはなかなか彼らのようにはなれない。だから神雄たちは男たちから尊敬される、リアルなヒーローなんです。僕は男たちが熱狂するドラマを作りたいんですよ」

――例えばAV女優を出そうというアイデアはあるのでしょうか?

古屋「それに関しては、最初からやめておこうと思っていました。あくまでも神雄を中心とした男の世界を描きたいわけですから。やはりそこはちゃんと線引きしておかないと、メッセージがぼやけてしまうと思ったんです。AVにするのではなく、女性にも見てもらえるような作品にしたいですからね」

――ストーリーはもう決まっているんですか?

サムネイル
現段階ではYouTubeで予告編映像のみが公開されているだけで、本編映像は存在しない
(C)MAGMIZER PROJECT


古屋「連続ドラマを前提としたストーリーはある程度出来上がっています。クライマックスはきっと女性も号泣すると思いますよ。最初は"神雄=AV男優のパワーをエネルギー源にするヒーロー"という一行だけのテーマだったんですけど、いろいろと肉付けしていくうちに、根底に骨太なテーマが流れるようになりました。ドラマとして面白いものになりそうだからこそ、これは絶対にいける、という自信にもなって、しっかりとプレゼンテーションができるようになりました」

■連続ドラマ化を目指す、「マグマイザー」今後の展開

サムネイル
現段階ではYouTubeで予告編映像のみが公開されているだけで、本編映像は存在しない
(C)MAGMIZER PROJECT


――撮影現場はどんな感じだったのでしょうか?

古屋「現場や会議は、本当に部室のような感じで。『こうした方がいい』といったアイデアが次々とわき上がってくるんです。それは大変なんじゃないですかと言っても、『大丈夫、とにかくやってみよう』と皆さんが乗り気になって。車中でもいい年をした大人たちが、『昔、こんな女優がいたよね』『いたいた!』みたいな話をしていて。みんなでワイワイ言いあいながら楽しく撮影をしましたね」

――予告編が完成して、お金を出してくれそうな周辺の大人たちの反応は?

古屋「まだ様子を見ている感じですね(笑)。国内でもじわじわ知ってきてもらえているかなと感じますが、なぜか香港や台湾あたりでも話題を集めているようです」

――まずは海外から火をつけて、逆輸入のような形でというのもありかもしれませんね。

古屋「それはあるかもしれないですね。最初からYouTubeの予告編に字幕を入れておけば良かったなと思いました。ただ、この作品の本来のターゲットは、20代から40代くらいのお笑いや特撮、AVなどが好きな男性なので、そういった人たちにはまだ届いていないような気がしているんです。そういった層にいかに知ってもらうかというのが今後の課題ですね。」

――テレビ、映画、DVD、配信とアウトプットはいろいろとあると思いますが、最終的なアウトプットはどこを目指しているのでしょうか?

古屋「やはり作っただけで満足してはダメで。きちんと見てもらうという意味ではテレビの連続ドラマでやれるのが一番の理想ですね。ただし、テレビでやることで、神雄が出せなくなったり、女優がメーンにすることが必須になったりと、表現に制約が出てくることがあるならば、無理して地上波にこだわる必要はないかなと思っています。今はアウトプットの方法がいろいろとあるので、そこに合わせていくのもいいかなと思っています」

――最後に座右の銘を教えてください。

古屋「『やってみないと分からない』ですね。取りあえずやれるものはやって、形にしてみる。理屈をこねるとなかなかやれなくなってしまいますが、やってみると思わぬ発見や出会いがあるので、なるべくやってみるように、と心がけています」

サムネイル
大ヒットDVD「人の怒らせ方シリーズ」なども手がけた演出家、映像ディレクター 古屋雄作



◆古屋雄作(ふるやゆうさく)
1977年、愛知県出身。2004年にテレビディレクター業務の合間を縫って「スカイフィッシュの捕まえ方」を自主制作。2006年同作がビクターエンタテインメントよりDVDとしてリリース。以降撮りおろしのDVD作品を中心にテレビ、CM、ウェブ動画などで多数の企画を手がけている。主な作品に、累計1,000万回再生を記録し、累計15万部の大ヒットとなった「人の怒らせ方」DVDシリーズ(「温厚な上司の怒らせ方」「一番大切な人の怒らせ方」「今さら人に聞けない!怒らせ方講座」ほか)や、シルバー世代を主役に据えたフェイクドキュメンタリー「R65」シリーズ(DVD)、関西テレビで放映し話題となった「神話戦士ギガゼウス」(テレビドラマ)、TBS「ダイナミック通販」などがある。
座右の銘:「やってみないと分からない」

(取材・文/壬生智裕)
(写真:トレンドニュース)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来 のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き 方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ