ここから本文です

 沖縄が生んだ国民的バンド、BEGINのギタリスト島袋優と、米国ポストロックバンド、マイス・パレードのヴォーカリストとしても活躍するシンガー・ソングライターCaroline(キャロライン)による異色のユニット、ISLAND BAGが今夏デビューを果たす。バンド名は、2人の名字「島袋」を英語表記にしたもの。つまり、「島=ISLAND、袋=BAG」(キャロラインの本名は、Caroline"島袋"Lufkin)。実は再従兄妹(はとこ)という2人が、東京、沖縄、ボストンと遠距離で音源を送り合いながら、丁寧に作り上げたファーストアルバム『Stars in the Sand』は、島袋の生み出す南国の温かみを持った美しくも素朴なメロディと、キャロラインの北欧を思わせる、優しくも凛(りん)とした歌声が混じり合った全く新しいサウンドスケープである。
 そこで今回は、ユニット結成の経緯やお互いの印象、8月24日にリリースされるアルバム制作のエピソードなどを本人たちに聞いた。

サムネイル

BEGINの名曲セルフカヴァーやオリジナルを加えたアルバム『Stars in the Sand』を8月24日リリース


島袋優が作曲し、TVCMで桐谷健太が歌い話題となった「海の声」のISLAND BAGカヴァー>>


■ 「もし、将来コラボをするならBEGINさんしかいない!」ってずっと思っていました(キャロライン)

ーーISLAND BAGは「親戚ユニット」なんですよね?

島袋:はい。僕とキャロラインは、いわゆる「再従兄妹(はとこ)」なんですよ。二人のおじいちゃんが兄弟、つまりキャロラインのお母さんと、僕の父がいとこ同士。だから僕はキャロラインのこと、ほんと小さい頃からよく知っていて。キャロラインのお母さんのことも、「ゆみこネエネエ」って呼んでいるくらい、親戚の中でも親しい関係だったんですよね。

キャロライン:小さい頃から、BEGINのライブもよく行っていました。ソウルフルでオーガニックなサウンドが大好きで、「もし、将来コラボをするならBEGINさんしかいない!」ってずっと思っていました。

ーーお互いのことで、印象に残っていることはありますか?

島袋:20年くらい前に、僕らBEGINが沖縄でライブをやったとき、家族で見にきてくれたのが、小さい頃のキャロラインを見た最後だったかもしれない。その頃はもう、彼女のお姉ちゃんのOLIVIA(シンガー・ソングライター。現在はロサンゼルスに在住)はデビューしていた。あれから随分たって、2012年にSummer Sonicのバックステージで、本当に久しぶりに再会しました。最初、声かけられたときは誰だかわからなかった(笑)。こんなお姉さんになったんだ、って。

キャロライン:そのとき私は、LITEのフィーチャリング・シンガーとして出演していたんです。今は、「キャロライン」名義でおこなっているパーマネントなソロ・プロジェクトと、マイス・パレード(アダム・ピアーズ率いる米国ニューヨーク州のポストロックバンド)のメンバーとしての活動が中心です。マイス・パレードとしての新作も現在進行中で、こちらは来年あたりリリースできるかもしれません。

ーーそれは楽しみです。現在、キャロラインさんは東京に、島袋さんは沖縄に住んでいるんですよね?

島袋:そうです。遠距離バンドなんです(笑)。だから、楽曲制作もファイルのやり取りをメールで行いながら進めていきました。現在のテクノロジーだからこそできることですよね。自分たちの作品を客観的に見られるし、本人から直接曲が送られてくるのも新鮮だし、なかなか面白い体験でした。

ーーまるで、手紙のやり取りをするうちに曲が出来上がっていくような......。

島袋:はい、まさにそんな感じでした。

■ BEGINではできないようなことも、いろいろ試せるかもしれない(島袋)

サムネイル
BEGINの名曲セルフカヴァーやオリジナルを加えたアルバム『Stars in the Sand』を8月24日リリース


ーー島袋さんは、BEGIN以外でこういったサイドプロジェクトを本格的にやるのは初めて?

島袋:以前、「シモブクレコード」というユニットを宮古島出身のシンガー、下地勇くんとやったり、ディズニーのインストカヴァーを、「一五一会オールスターズ」という名義でやったりしたくらいですかね。ちょこちょことはやっているんですけど、女性シンガーと、こういう本格的な形でユニットをやるのは初めてかもしれないですね。

ーーキャロラインさんの神秘的で透明感あふれる歌声と、島袋さんの沖縄っぽいメロディの相性が抜群でびっくりしました。実際に一緒にやってみて、どんな印象を持ちましたか?

島袋:最初は打ち込み中心のオケをキャロラインに聞かせたんですけど、彼女の方から「もっと優のギターをフィーチャーしてほしい」って言ってもらって。それで、一から作り直してギター中心のアレンジにしたら、彼女の声も僕のギターも生き生きと聞こえるサウンドになって。「あ、これからBEGINではできないようなことも、いろいろ試せるかもしれない!」って思いました。

キャロライン:そうなんです。二人それぞれの個性が出せるような、そんな音楽にしたいと思ったんです。私の声と優のギターが、こんなにも相性いいとは思わなかったので、私も最初に聞いたときはびっくりしました。

ーーキャロラインさんの「Where's My Love」をセルフカバーしています。オリジナルのエレクトロニカなアレンジも大好きだったのですが、ISLAND BAGヴァージョンは沖縄っぽいアレンジで、印象がまたガラッと変わってとても印象的でした。

キャロライン:はい! わたしもとっても気に入っています(笑)。

■ ライブでは生の楽器で再現してみたい(島袋)

サムネイル
BEGINの名曲セルフカヴァーやオリジナルを加えたアルバム『Stars in the Sand』を8月24日リリース


ーーISLAND BAGでの曲作りは、おそらくBEGINのときとは全く違うと思うのですが、いかがでしたか?

島袋:僕はコンピューターでの曲作りとか全くわからないので、BEGINのツアーをいつも手伝ってくれているマニュピレーター/エンジニアと一緒にスタジオにこもり、一から音作りをしていったんですけど、もうメッチャ楽しかったです!(笑)BEGINの場合はほとんどバンドでの一発録りですからね。

ーーアルバムの中では、ビートルズ「Something」のカヴァーをしていますが、どんなところにこだわりましたか?

島袋:この曲は、キャロラインからのリクエストで取り上げることにしました。作曲者はジョージ・ハリスンで、ビートルズのヴァージョンももちろん素晴らしいのですが、個人的には彼がビートルズを解散した後、エリック・クラプトンと一緒にセルフカバーしているヴァージョンが、ブルージーで大好きなんです。あんな感じの雰囲気に仕上げたいと思いながら作りました。

ーーキャロラインさんは、ソロのときとボーカルスタイルは変えましたか?

キャロライン:私のソロ・プロジェクトは、エレクトロな機材や楽器を用いて作り上げていくけど、ISLAND BAGはもっとオーガニックなサウンドなので、自分の声もいつもよりナチュラルに出すことができたんじゃないかなって思います。それに、ソロ・プロジェクトは全て自分一人でコントロールしているので、1音1音のこだわりが尋常じゃなくて。それに比べると、ISLAND BAGはプロデューサーとしての優に身を委ねて、もっと自由な気持ちで取り組むことができたのも大きな違いだと思います。

ーーPVは沖縄で撮影したそうですね。

キャロライン:そうなんです。久しぶりに帰省して、バケーションの延長みたいな感じで撮影に臨めたので、とってもリラックスできました。前日まですごい雨だったので心配していたんですけど、当日は快晴でホッとしました(笑)。

ーーお気に入りのスポットとかありますか?

キャロライン:やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃんが住む那覇が一番好きですね。市場に行って、野菜を買ったり。あと、北谷(チャタン)のビーチは高校生の頃から大好きで、時間があるときは立ち寄るようにしています。

ーー今後の展望は?

島袋:ぜひともライブをやりたいですね。音源は打ち込みを使っていますけど、ライブでは生の楽器で再現してみたい。キャロラインはまだ、沖縄で歌ったことがないというので、ぜひとも沖縄で!

キャロライン:はい、私もそれが夢です!


◆ ISLAND BAG
沖縄が生んだ国民的アーティストBEGINのギタリスト島袋優と、ドリーミーな歌声を持つ、インディーエレクトロニカシーンの歌姫Carolineによる異色のユニット。

サムネイル
島袋優


● 島袋優
沖縄県出身。言わずと知れた国民的アーティストBEGINのギター/ボーカル。プロデューサー/ソングライターとしてもヒット曲を多数輩出し、最近ではauのCMで桐谷健太が "浦ちゃん" として歌う「海の声」が大ヒット。多彩な音楽性で、国内外のファンを魅了し続けている。座右の銘は、「やーなれーる・ふかなれー」(家での習いが外での習い:家庭での行いや習慣は、外に出たときに表れる)

サムネイル
Caroline (キャロライン)


● Caroline (キャロライン)
沖縄県出身。バークリー音楽大学(作曲科)を卒業、アメリカでデビューした経歴のあるシンガー・ソングライター。ポストロックバンド "マイス・パレード" のメンバーでもある。姉はシンガー・ソングライターのOLIVIA。
凛として透明感がある、北欧を連想させるガーリーな歌声が魅力。
座右の銘は、「Be the change that you wish to see in the world」(あなたが望む世界になるよう、あなた自身が変わりなさい)

(取材・文 & 写真/黒田隆憲)

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ