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今年3月にメジャー第二弾フルアルバム『TOKYO BLACK HOLE』をリリースしたばかりの大森靖子が、早くもニューシングル『ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER』を8月24日にリリースする。これは、シングルを三カ月連続リリースするプロジェクト【ワンダーロマンス三連福】の第一弾。

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大森靖子『ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER』を8月24日にリリース


WEBアニメ『逃猫ジュレ』の主題歌「ピンクメトセラ」は、Maison book girlなどを手がけるサクライケンタがプロデュースを務めており、アニメの世界観と現実世界が交錯するアッパーなガールズポップに仕上がっている。
また、ゆるめるモ!の"あの"をゲストヴォーカルに迎えた「勹″ッと<るSUMMER」は、彼女のコケティッシュな魅力が全開で話題を呼ぶこと必至だ。さらに、80年代に大ヒットしたSugarの名曲「ウエディング・ベル」のカバーを収録するなど、非常に密度の濃い1枚となっている。そこで今回は大森に、それぞれの楽曲について詳しく解説してもらった。

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■ サクライさんの変拍子と私の変拍子っぽい譜割を、ミックスしたらどうなるんだろう?って。

ーー『TOKYO BLACK HOLE』が3月にリリースされたばかりで、早くもシングル、しかも三カ月連続リリースとなります。この経緯は?

大森:アルバムを出してライブをやって、結構聞くのが「あ、もう活動再開してるんだ」っていう声だったんです。まだ産休を取っていると思っている人が意外に多くて(2015年10月に出産)。業界の人からも「やってるって言ってくれてたら、フェスにも誘ったのに」って言われたりして(笑)。なのでとにかく、「やってるぞ」感を出したいと思ったのがキッカケですね。あとは、今回の連続リリースのタイトルが【ワンダーロマンス三連福】っていって、競馬の「3連複」にかけているように「当たればラッキー」と。

ーー(笑)。1曲目「ピンクメトセラ」は、サクライケンタさんがプロデュースを務めています。これまでにも大森さんの楽曲を手がけていますが、もともとはどんなキッカケでタッグを組むようになったのですか?

大森:私がメジャー前に恵比寿LIQUIDROOMでライブをやったときに、サクライさんが、大阪から私のライブ見に来てくれたのがキッカケです。

ーー大森さんはサクライさんのことを知っていました?

大森:はい。「いずこねこ」のトラックとか大好きでよく聞いていたんですけど、友人のコショージメグミちゃん(元BiS)が、サクライさんのプロデュースするMaison book girlのメンバーになったことで、サクライさんともよく会うようになって。「自分がサクライさんの音で歌ったらどうなるんだろう?」とか、「サクライさんの特徴である変拍子と私の変拍子っぽい譜割を、ミックスしたらどうなるんだろう?」とか思うようになったんです。
それに、根本的な価値観やセンスが同じだったりするので、影響し合ったら面白くなるんじゃないかなと。あと、彼の歌詞が面白いんですよ。「許さない 許さない 許さない」って歌詞(Maison book girl「snow irony」)、なかなか書けないと思いません?(笑)てか、あの人が書いているのかと思うと「怖い!」ってなりますよね。

ーー確かに(笑)。

大森:よく、サクライさんの曲は「無機質っぽい」って言われるけど、あれだけ歌詞がエグイとサウンドは無機質にせざるを得ないんじゃないかなって思ったりして(笑)。

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大森靖子『ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER』を8月24日にリリース


ーーそれにしても、めちゃくちゃ情報量が多い曲ですよね。

大森:今回は私もサクライさんも作り込み過ぎて、何が正解なのか最後の方はよく分からなくなりました(笑)。歌詞は、『逃猫ジュレ』の世界観をちりばめながら自分に落とし込んでいます。作品自体、ちょっと哲学的で難しい話なんですけど、それをかなりわかりやすく噛(か)み砕いて、自分なりの表現に落とし込んでいます。

ーー例えば?

大森:iPhoneの中には、下書き保存したいろんなメモやら詩の断片やらがたくさんあるんですね。送信しようと思ってやめといたツイートとか、人の「ツイ消し」をキャプチャー保存したものとか(笑)。そういうのがまとまって、一つの人格となって襲ってくるっていう話が面白いんじゃないかと。でも、ネットってその一方で、すごく愛情に満ちたものが隣り合わせになっていて、それがタイムラインに一気に流れてきたりするじゃないですか。そういう世界観って面白いなと思って歌詞にしました。

■ 私の曲をあのちゃんが歌ったら完璧じゃないですか。で、「だったらやっちゃえばいいじゃん」って

大森靖子、あの(ゆるめるモ!)出演、POPで危険なサマームービー「勹″ッと<るSUMMER」>>



ーー2曲目「勹″ッと<るSUMMER」は、ゆるめるモ!の"あの"さんがゲストヴォーカルで参加しています。

大森:私の曲をあのちゃんが歌ったら完璧じゃないですか。で、「だったらやっちゃえばいいじゃん」ってあるときに思って、今回オファーすることにしました。曲の構想は前からあったんですけど、歌詞は「あのちゃんにこういうことを言わせたい」とか、彼女のツイートをさかのぼってイメージを膨らませたりしました。

ーー実際に一緒にやってみて、どんな印象でしたか?

大森:勘がすごく良くて、リズム感もいいし、強弱をつけるポイントとか、ニュアンスを加える箇所をどこにしたらいいかとか、そういうセンスがすごくよかったので、そんなにテイクを重ねることなく終わりました。

■奥野さんって音を埋める病気で、私は言葉を埋める病気なんです

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大森靖子『ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER』を8月24日にリリース


ーー1981年発売のSugar「ウエディング・ベル」をカバーした経緯は?

血まみれのウェディングに身を包んだ大森靖子「ウエディング・ベル」>>


大森:この曲はずっと好きだったんです。わたし、結婚式はやっていなくて、というのも「結婚式がやりたくない」というのが理由で、本当に嫌いなんですよ。親に手紙を読むくだりとか「最悪だな」って(笑)。親の「結婚式しろ!」攻撃から何とか逃れてここまできたんですけど、でも、「こんな結婚式ならしてみたいな」という理想がSugarの「ウエディング・ベル」なんです。

ーーええ?(笑) 好きな相手と別の女性との結婚式に招待される曲ですよ。

大森:楽しそうじゃないですかあれ(笑)。なんか結婚式って会社のためだったり親のためだったり世間体のためだったりするけど、そこへ、自分のため"だけ"に来ている女が現れて、「くたばっちまえ」って言葉でぶち壊すっていうのが面白くて。こんなんだったら楽しいだろうなって。

ーー「くたばっちまえ アーメン」の部分は、大森さんが歌ったことでまた違ったものになりましたね!

大森:あははは(笑)。私ってこんなに「くたばっちまえ」が似合うんだなあって思いながら、気持ちいいなあと思いながら歌いました。この曲、アレンジはいつも一緒にやらせてもらっているソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉さんにお願いしたんですけど、奥野さんって音を埋める病気で、それが全開になっていますね。すっごくいろんな音を録音してきてくれたんですよ。指輪をガラス箱の中に入れて鳴らした音だとか。ミックスのときに「こんな音もあったんだ!」って、驚きの連続でした。「どれを出して、どれを引っ込めよう?」って整理するのが大変でしたが、とても楽しかったです。

ーー他にカバーする上で気をつけたことは?

大森:この曲に限らず、例えば叫んでいても、ちょっと狂気じみたことをやっていても、「かわいい」と許容される価値観をちょっとずつ広げていきたいと私は思っているんです。この曲は、オリジナルが3人のミックスボイスがかわいいので、その「かわいい」の解釈をどこまで広げられるか、いろんな歌い方や叫び方で試行錯誤しました。

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大森靖子『ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER』を8月24日にリリース


ーー10月から始まるツアーへの意気込みは?

大森:『TOKYO BLACK HOLE』ではいろんなことを挑戦していて。歌詞は出産前に書いたもので頭があんまり回ってなくて、すごく深いことをうまく書けてはいるんですけど、後から読むとちょっと分裂しているんです(笑)。それを一つの塊としてステージで出せるようなバンドなり、セットリストなり、自分のモチベーションなりを作っていかないと、ちょっと分散しちゃうなって思うんですよね。なので、大森靖子の「核」になるような「強くて速い」ステージにしたいです。


◆ 大森靖子
新少女世代言葉の魔術師。超歌手。弾切れも気にせず畳み掛けるように言葉を撃ちまくるジェットコースターみたいな弾き語りや、ときにギターすら持たないアカペラによる夜のパレードのような空間制圧型ライブの評判が広がりメジャーデビュー直後2014年11月26日、道重さゆみさんモーニング娘。卒業、現在道重再生待ち。
斬新と不思議と諦念とワガママと創造と焦燥に生きるかわいい女の子とおっさんLOVE。
座右の銘「生きてるだけで、超エライ!」

(文/黒田隆憲)
(写真/佐々木 淳吏)

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