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 池波正太郎原作『鬼平犯科帳』のスピンオフシリーズ「鬼平外伝」の最終章を飾る「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」がBSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時から放送される。主人公の伊之松を演じるのはテレビ時代劇初主演となる歌舞伎俳優・片岡愛之助。表向きは大工でありながら、本業は「赤池の一党」という盗賊集団に身を置く伊之松の切ない運命(さだめ)を描いた、美しくも残酷な愛の物語だ。近年、映像の世界にも積極的に出演し、素晴らしい演技を披露している愛之助に作品の見どころや、時代劇に対する熱い想いを語ってもらった。

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


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愛之助が自ら撮影レポート!「メイキングスペシャル動画」を公開中(Yahoo!テレビ)>>

■いつか出たいと思っていた「鬼平犯科帳」シリーズ

――「鬼平犯科帳」という作品について思い入れはあったのでしょうか?

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


愛之助:播磨屋のおじさま(二代目・中村吉右衛門)がずっと(長谷川平蔵役を)なさっていたので、僕もいつか出演できればと心に抱いていました。その夢もかなわず終わってしまった(2017年放送のシリーズ150本目で終了が発表された)と思っていましたら、同じ池波正太郎先生原作の「鬼平外伝」を務めさせていただけることになり、とてもうれしく思っています。

――台本を読まれて伊之松という男をどのように理解しましたか?

愛之助:大工と盗賊という二面性を持ち合わせていて、女房は周囲からの信頼を得るための大工道具と思っている男。そんな男が四度目の女房と出会うことによって、その価値観が変わっていく......最後は切ない物語だなと思いました。

――二面性を出すために工夫したことは?

愛之助:最初は演じわけやすいのではと思ったのですが、あくまでも伊之松としての二面性であり、まったく別人ではないので、違う人物になったらダメだというところは難しかったですね。井上(昭)監督からも「演じわけるのではなく、伊之松の自然なふり幅で演じてください」というお言葉をいただいていたので、その部分は意識しました。

――井上昭監督は大ベテランですが、どんな現場だったのでしょうか?

愛之助:監督の頭の中には、撮りたい絵がすべて出来上がっているんです。「とりあえず撮っておこう」ということがなく、すごく的確で迷いがない。演じる側としてもとてもやりやすかったです。また、洒落心があり、冗談をおっしゃったり、余裕があるんです。楽しく大らかにお仕事をされているのが、とても格好いいですね。

■寡黙な人間を演じるのは難しいが、やりがいはある

――愛之助さんが演じた伊之松は、あまり口数が多くないどちらかというと背中で語るタイプ。現在放送中の大河ドラマ「真田丸」で演じている大谷吉継も同じような役柄に感じますが。

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


愛之助:どちらも激しく話すところがなく寡黙な人ですよね。意思がにじみ出るように演じたり、おなかの中にある思いを出さないで演じることは、難しいですが、やりがいを感じます。自分の表現したものが、映像としてどう映るのかを確認し、調節しながら作っていくのも映像ならでは。苦しい部分はありますが、楽しいですね。

――伊之松は非情な部分を持ちながらも、人を惹(ひ)きつける魅力があります。人に好かれるという部分では愛之助さんにも共通するところがあるのでは?

愛之助:いやいやそんなことないですよ。ですが魅力的な人というのは、いろいろな顔を持っていると思うんです。たくさんの顔を持っていながら、それを出し切らず、謎が残る分、ミステリアスで魅力的に映ります。芝居も、全部説明的にやりつくしてしまわず、謎を置きながらたくさんの顔を見せるキャラクターは魅力的に映りますよね。普段の僕には謎も二面性もありません(笑)。

――おりつを演じた前田亜季さんとの共演はいかがでしたか?

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


愛之助:前田さんはもう役そのもので、おりつが重なって見えるようでした。すごく自然な感じで作りこんでいないのですが、まさに台本を読んでイメージしていた通りのおりつでしたね。

――お気に入りのシーンは?

愛之助:シリアスなシーンが多い中で、おりつと一緒にお祭りにいったシーンは、伊之松の中で、唯一明るく幸せなひと時だったので好きですね。

■大好きな時代劇の良さを伝えていきたい

――映像の仕事は難しいとおっしゃっていましたが、歌舞伎俳優という軸の仕事をやりつつ、映像の仕事をなさるモチベーションは何なのでしょうか?

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


愛之助:僕は歌舞伎俳優なので、いかに人々に歌舞伎を観に来ていただけるかということは常に考えています。それには、やはり人々に知っていただくことが大切で、映像のお仕事をさせていただくようになったのも、その理由が大きかったです。ですが実際お仕事をさせていただくと、まったく歌舞伎とは違うんです。一から勉強しないとと思い、いろいろな方の演技を拝見したりして勉強していくうちに、とても楽しくなったんです。また、今回のように、大好きな時代劇に携わることができるのも大きなモチベーションです。その中で、若い人にも時代劇の持つ人の心の美しさや尊さ、風景の美しさなどを伝えていければと思っています。

――映像のお仕事の面白さはどこにありますか?

愛之助:舞台は役者のものと言いますが、映像は監督のもの。僕らは言われたことを的確にカメラが回っている何秒かの間に収められるかが勝負。この勝負の中で演じたものに、音が入り絵が入り作品が完成するのですが、それを役者としても視聴者としても楽しめることが魅力ですね。

――映像作品に臨まれるとき、愛之助さんの演技プランというのはあるのですか?

愛之助:撮影の前にプランをすべて決めることはしませんね。"生きた会話"を大事にしたいので、相手がどういったリアクションをするかで組み立てていきます。

■「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」は男性、女性、いろいろな角度から楽しめる作品

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


――劇中、四度目の女房となったおりつを「かゆいところに手が届く」と評していましたが、愛之助さん自身、理想の女性とは?

愛之助:言わなくてもわかってくれる人。1から100まで説明しなくても、あうんの呼吸で理解し合える関係が理想的です。

――夫婦関係についてはどんな考えをお持ちですか?

愛之助:自然で空気のようで違和感なく、無理なく過ごせる関係ですかね。

――「四度目の女房」というタイトルはなかなかインパクトがありますね。

愛之助:最初タイトルを聞いた時は驚きました(笑)。四度目の女房ですからね。よく読めば5度目の結婚もしていますし......。ですが、逆に言えばすごく興味を引くタイトルですよね。どんな物語なんだろうって気になりますし、「時代劇専門チャンネル」に加入しようってなると思います(笑)。忠実に池波正太郎先生の世界観が描かれていますし、男性、女性、いろいろな角度から楽しめる作品です。タイトルと世界観のギャップを楽しんでいただきたいですね。

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」



歌舞伎俳優・片岡愛之助のテレビ時代劇初主演となる「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」は、BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時から放送開始する。

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BSスカパー!にて、10月9日(日)ひる1時/よる6時放送「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」


(取材・文:磯部正和)

片岡愛之助(かたおかあいのすけ)
1972年3月4日生まれ、大阪府出身。歌舞伎俳優。1981年十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で初舞台。1992年、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目として片岡愛之助を襲名。近年は歌舞伎のみならず、舞台・TVドラマ・映画でも活躍する。2016年はNHK大河ドラマ「真田丸」に出演。

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