ここから本文です

木村カエラが約2年ぶりにリリースするオリジナルアルバム『PUNKY』(10月19日発売)。根底にパンクな反骨精神が流れ、エレガントなポップさも融合させた"今のカエラ"を表現する楽曲がそろった。橋本愛と宮崎あおいが母娘を演じた映画『バースデーカード』(10月22日公開)主題歌「向日葵」も同アルバムに収録。映画のストーリーに深く感情移入しすぎて、号泣しながら歌を制作するという初めての体験も経て最新アルバムが完成した。

サムネイル

オリジナルアルバム『PUNKY』10月19日発売
(C) JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp.


木村カエラ 「BOX」>>


■男同士のバトル演奏に参戦したリード曲「BOX」

「Microsoft『Surface Book』のタイアップソング『BOX』は、H ZETT Mさんが曲を作ってくれたんですが、デモテープを聞いたときに大海原へ海賊が宝探しの冒険に出かける映像が思い浮かんだんです。デビュー当時からずっと"心"をテーマにした曲を作ってきているので、私が海賊だったらと考えると、必然的に"心の冒険"に出かけるというのがテーマになりました。そこから"心は宝箱"という歌詞につながっていきました」

「ピアノのヒイズミマサユ機さんは『手が4本あるの?』と思うくらい豪快な弾き方をされるんですが、この曲ではその弾き方が特に炸裂(さくれつ)しているんです。ドラムの柏倉隆史さんもレコーディングのときに『絶対に苦しいでしょ!』とツッコミを入れたくなるくらい激しくたたいていました(笑)。『2人はガッツのある音のイメージを目指しているんだ』と思ってあえてそのまま黙っていたら、激しいサウンドに仕上がりました(笑)。ひそかに三三七拍子のリズムになっていることもあって、応援団みたいな曲になりましたね。歌詞やボーカルも、その力強い演奏にも影響を受けて完成しました」

■キラキラと上品に輝くパンクなアルバム『PUNKY』

「アルバム『PUNKY』は、まず先に完成していた曲『BOX』を作るときに、自分らしくいるときに人は輝くし、常にみんなキラキラしていたいという希望を持っているんじゃないかと思ったので、"キラキラしたものを身に着けた写真を撮る"というコンセプトがあったんです。スパンコールやスタッズのようなキラキラするアイテムを取り上げていく中で、アルバムのジャケットに選んだ、顔にスタッズをつけたアートワークができた瞬間に、『私、きっと今パンクなんだな』と、自分が何を表現したいかはっきりと気づきました。それで、ストレートなパンクの要素以外にも意味を含ませたくて、アルバムタイトル用に "PUNKY"という言葉が出てきました。言葉の意味を調べたら"熱がある状態"とか"火口"という意味もあったんです。みんなそれぞれに心の中に熱い思いを持っていると思うし、私もそれをちゃんと作品にしたいと思っているので、今の私にぴったりなタイトルだと思いました。強くありたいという思いも込められています。『今を生きる』というのも私の中にずっとあるテーマなんですけど、今回のアルバムの中にもあちこちにキーワードとして入っているので、『ウォーリーをさがせ!』みたいに探してほしいです」

■意外な制作秘話のアルバム収録曲

「アルバム収録曲の『好き』は、一発録りするパンクな曲を収録したいと思っていたときに、ロックバンド・シャムキャッツの曲を聞いて、共演をすぐ決めました。もともとあった曲よりも、さらにパンクな感じにしてもらったんです。いつものシャムキャッツとは違うタイプの曲なんですけど、『うまくなっちゃうとつまんないから、勢いのある感じにしよう!』と言いながらレコーディングしました(笑)。後半に向かってだんだん壊れて速くなっちゃって、みんなで興奮しながらレコーディングできましたね」

「急きょアルバムに収録することになった『Happyな半被』は、毎週欠かさず見ている大ファンの番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で、芸人・宮川大輔さんの"お祭り男のテーマソング"の募集をやっているのを見て、作らずにはいられなくなったんです。やって良かったんですけど、この曲を作ったことによって、アルバムの制作進行が本当にすごく大変になりました。それが悔しくて、アルバムに入れることにしました(笑)。普通に応募したら宮川さんの前で歌うことになって、思っていた以上に世間で話題になっちゃったから、ちょっと恥ずかしかったです(笑)」

■涙が止まらなかった映画主題歌「向日葵」の制作

映画『バースデーカード』(10月22日公開)主題歌「向日葵」>>


「主題歌を担当した映画『バースデーカード』の劇中にはキーワードとしてよく向日葵が出てくるんです。花言葉も"あなただけを見つめてる"なので、"子どもにはいつになっても太陽でいてほしい""親は絶対にあなたから目をそらさずに、ずっと見ているんだよ"ということを歌詞にしたいと思って書きました。
映画の制作スタッフの方から聞いた『母親は娘の紀子にきっと触れたいはず』という話も頭から離れなかったので、その言葉を発端に作っていきました。歌詞を書く間は、すっかり宮崎あおいちゃんが演じたお母さんが乗り移ったみたいで(笑)、息が苦しくなるくらいずっと号泣しっぱなしだったんです。普通に生活するのもつらいくらいの状態で歌詞を書いたのは初めてでしたね。曲の方は、映画の内容を聞いて思い浮かんだ音のイメージで、くるりの岸田繁さんにお願いしました。今回の曲を作ってもらって、改めて岸田さんは変態だと思いましたね(笑)。サビを繰り返す部分は普通に聞くとメロディーが同じに聞こえるんですけど、実は細かい所でリズムも違っていたりするので、歌詞の言葉が足りなくなったりして、パズルみたいでした。でも、そこが岸田さんらしさですね(笑)」

■宮崎あおいとの約束が実現!

「ちょうど映画の話をいただく前に宮崎あおいちゃんとプライベートでちょっとだけ会う機会があったんです。私はあおいちゃんが出る映画の主題歌が歌えるように、あおいちゃんは私が歌う映画に出られるようにと、お互いにメールのやりとりをしたんです。そしたら1年以内にこの話がきて夢が叶(かな)ったので、お互いにすごく驚いて大喜びしました。『これは神様がくれたチャンスだ』と思ったことも、感情移入しすぎた原因の一つかも(笑)。でもそれで、役者さんの大変さを痛感できたのですごく良い経験でした」

「映画で私が特に印象的だったのは、紀子(橋本愛)が19歳のときに、親に反発するシーンです。それまでは親の強さしか見えてなかったのに弱さも見えてきて、子供が大人になるすごく貴重な瞬間が映像になっているなと。自分自身の体験にも重なります。映画を見終わった後は、近くにいる人を抱きしめたいとか大切にしたいなという気持ちがわいてくると思います。温かくて切なくて悲しさもある映画なので、私は見ている間、ほぼ泣きっぱなしでした。大切な人がいる方全員におすすめできる作品です」

「今後の活動も自分自身にうそをつかず、自分がやりたいことに集中して作品を作っていきたいです。海外での活動や、広い世界に対して、自分自身にもっといろいろな刺激を与えていきたいです」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


サムネイル
オリジナルアルバム『PUNKY』10月19日発売
(C) JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp.


◆木村カエラ
2004年6月にシングル「Level 42」でメジャーデビュー。2013年、自身が代表を務めるプライベートレーベルELAを設立。2014年、10周年を迎え、ベストアルバム「10years」、8枚目となるアルバム「MIETA」をリリース。同年10月、横浜アリーナ2days公演を成功させた。2016年、
10月19日にアルバム「PUNKY」をリリース。
座右の銘は「今を生きる」。

(取材・文/岩木理恵@HEW
(写真:トレンドニュース)

※文中の「宮崎」の「大」は「立」表記

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

Facebookコメント
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。
PR

最新記事

rss

もっと見る

本文はここまでです このページの先頭へ