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能年玲奈から改名した女優・のんが主演声優を務めるアニメ映画『この世界の片隅に』(監督:片渕須直)の公開が11月12日よりスタートしたが、ネット上では有名人も含め絶賛の声が相次いでいる。また「広島国際映画祭2016」では、ヒロシマ平和映画賞を受賞した。

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のん, Sep 09, 2016 : 東京・スペースFS汐留にて開催された劇場版アニメ「この世界の片隅に」の完成披露試写会
写真:MANTAN/アフロ


『この世界の片隅に』劇場予告編映像>>


『この世界の片隅に』は、第13回メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した、こうの史代の同名漫画が原作。1944年に広島・呉へと嫁いだすず(声:のん)は、戦時下でも工夫を凝らして毎日の暮らしを積み重ねていく。しかし1945年3月、呉は空襲にさらされて、すずの大切にしていたものも失われていく。そして昭和20年の夏がやってくる――。

11月12日についに公開された同映画だが、ネット上では早くも絶賛が巻き起こっている。『君の名は。』に『聲の形』と今年はアニメ映画が盛り上がっているが、その中でもナンバーワンに挙げる声も多い。「ぴあ映画初日満足度ランキング」では、満足度95.2点で第1位を獲得している。

また有名人からも同映画を評価する声が上がっている。お笑い芸人の水道橋博士は「『君の名は。』に比するアニメ表現の豊さ。『火垂るの墓』に比する哀しさ。『あまちゃん』に比する愛おしさ」とTwitterでコメント。現代美術家の会田誠氏は「能年玲奈さんの声が良かったのは言うまでもなく。死や悲惨の、あくまでも日常ベースにした描き方がものすごく注意深い。そしてあの時代の生活のディテール描写がすごい」とツイートした。

さらにヴィジュアル系エアーバンド・ゴールデンボンバーの歌広場淳はブログで、「アニメにも戦争モノ(といったら悪いけど...)にも普段食指がほとんど動かないのですが、ずっと集中が途切れず、合間には笑ったり、堪えても堪えても涙が溢れたり」とブログに感想をつづり、「あと何回か観るつもり」と宣言した。

『この世界の片隅に』の大きな魅力のひとつに、繊細な日常描写が挙げられる。何気ない街並みにもリアリティがあり、主人公のすずたちと同じ時代を生きているような気分に浸ることができるのだが、それを可能にしたのは片渕監督による徹底した考証だった。膨大な史料とロケハンから当時の呉の風景や人々の生活を丹念に再現し、なんと準備作業だけで4年間を費やしたことが明かされている。

その思いが伝わったのだろう。11月11日~13日に広島市内で開催された「広島国際映画祭2016」では、ヒロシマ平和映画賞を見事受賞。のんも公式Twitterアカウントで、「受賞おめでとうございます! すごい。素晴らしい事ですね!」と喜びを示した。

上映館は全国で100館にも満たず、のんの知名度に反して、『この世界の片隅に』の公開規模はそれほど大きなものではない。またテレビでの宣伝もほとんどされていない。しかしSNS上では、同映画の素晴らしさを熱弁する感想が続々と投稿されている。口コミの力で、どこまで伸ばしていけるか......。なんにせよ、のんは復帰作で十分にその魅力と実力が健在であることをアピールできたようだ。

(文/原田美紗@HEW

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