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新垣結衣主演『逃げるは恥だが役に立つ』が快調だ。

視聴率がずっと上昇を続けてきたが、第7話で初めて6話と同率の横ばいとなった。それでも下がったわけではない。これは13年夏クールに第5話と6話が横ばいだった『半沢直樹』と似ており、過去四半世紀で7話まで数字が落ちていないドラマはこの2本しかない。
しかも横ばいなのは関東地区での話。関西地区は6話より7話は3ポイントもアップして19.5%。他に名古屋地区で20.9%、北部九州地区22.8%、北海道地区では22.9%まで数字を上げている。

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サムネイル
星野源, 新垣結衣, Oct 04, 2016 : 都内にて行われたテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の出演者舞台挨拶および第1話の試写会
写真:MANTAN/アフロ


好成績は視聴率のような量的調査の上だけではない。
データニュース社「テレビウォッチャー」の質的調査でも、満足度が初回こそ3.7台とドラマ平均の少し上程度だったが2話で急上昇し、3話以降は4.2~4.4台と極めて高い水準で推移している。特にF1とF2(女20~49歳)は傑出している。F1は6話が4.50、7話に至っては4.68。F2も7話が4.56と過去に例を見ないほどの高さとなっている。

ところがこのドラマに対して例外的な存在の人々がいる。M3(男50歳以上)のオジサンたちである。
第7話の満足度は3.69と平凡な数字。男女年層別で他の層は全て4.0以上なのに比べ、ひとり大きく落ち込んでいる。

「まあまあ」男56歳
「いつも通り」男61歳
「なし」男55歳
低い評価を下した中高年の男たちに、最も多い自由記述はこうした"寡黙な"回答。

「初期に比べ、最近はつまらない」男67歳
「展開が遅い」男61歳
中には高い評価のM3もいなくはないが、半分ほど人が3以下の評価をつけ"ダメ出し"をしている。

波乱の社員旅行の帰途にキスされたみくり(新垣結衣)。淡い期待を抱いたのもつかの間、第7話は津崎(星野源)が直後から何もなかったように振る舞い、その態度に疑問いっぱいとなったみくりの悶絶(もんぜつ)が続く。朝食に焼いたキスを出す、火曜のハグを迫る、メールでキスの理由を問う、津崎の肩にもたれかかるなど、彼の"真意を探る"あるいは"ハートに火をつける"ために、あの手この手で信号を発し続けた。

いっぽう「プロの独身とは、発展しない、発展させないが鉄則」と考えていた津崎も、「初めて知ったその場所が暖かくて、凍えた体を温めに帰ってきてしまう」と感ずるようになる。明らかに自尊感情の壁が揺らぎ始めていた。2度目のキスも意識し始め、ネットで注意事項を夜遅くまで調べてしまうほどだった。

じれったい関係がしばらく続いたのち、心の声に素直に従うみくりが、気持ちをうまく言葉にできなかった末に津崎にもたれかかると、ついに津崎は自ら2度目のキスをしかけた。

ところが"どんでん返し"が直後に起こる。
キスだけで、津崎は思いを言葉に紡げない。それ以上の行為で示せない。これに対してみくりは「いいですよ、私は......平匡さんとなら、そういうことをしても」とささやく。すると津崎の自尊感情が"閉店! ガラガラ"と一挙に後退してしまった。「ご、ごめんなさい。無理です。僕には......」

「ハラハラドキドキした」女31歳
「最後の最後でみくりの言葉を突き返した時、平匡~!!!!って思わず叫んでしまいました」女34歳
「ヒラマサ~がんばれ!」女52歳
「なかなか一筋縄でいかないところも、見ていて飽きない」女26歳
全て満足度5点満点の自由記述だ。

"やきもき""ハラハラ""どきどき""じれったい" ......いろんな表現が出て来るが、こうした展開に大半の視聴者は高評価を与えている。ところがM3の中に、反応しないオジサンたちが少なからずいる。
『逃げ恥』が視聴率を下げないまでも、『半沢直樹』のように大ブレークしない最大の要因は、こうした"胸キュン不感症"のオジサンたちかもしれない。

筆者はこの拙稿のタイトルに「草食カップル」の言葉を入れたが、明らかにみくり(新垣結衣)は肉食化している。"草食をこじらせている"のは明らかに津崎(星野源)の方だ。"3歩進んで2歩下がる"展開を繰り返す『逃げ恥』に残された放送時間はあと4回。
ある種のオジサンたちが見たくない"男の現実"を乗り越えて、ドラマがどう着地するのか、楽しみだ。オジサンたちよ、勇気を出して"自分の中の津崎"あるいは"ずっと昔に忘れてしまった津崎"と向き合いなさい。


文責・次世代メディア研究所

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