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2016年の音楽シーンは「復活の年」だったという人が多い。東北大震災以降、数々の大物バンドが復活をしたが、今年はTHE YELLOW MONKEYの復活、そして震災以降ライヴ活動として復活していたHi-STANDARDが16年ぶりの新曲をリリースするなど、時代を彩ったバンドの再出発が遂げられた、メモリアルな年だった。その中でも国民的な話題として一番大きく日本が湧いた復活が、宇多田ヒカルの復活である。

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宇多田ヒカル、生中継イベント「30代はほどほど。」を12月9日に開催


■社会現象という言葉に近い話題を降り注いだ、宇多田ヒカルの復活

 総じて言えば、復活が大きな話題になるのはバンドやグループなどが多く、ソロアーティストは一旦活動が止まってしまうと、なかなか再び活動することがないなど、以前と同じように陽の目を見るのが難しいので、話題になることが少ないのだが、今回の宇多田ヒカルの復活は社会現象という言葉に近い話題を降り注いだ。これは一重に宇多田ヒカルという特別な存在のなせた技なのだろう。
 彼女がもたらした記録と記憶は、この国の音楽のものとしては突出している。圧倒的なのは、間違いなく今後誰もが破ることはないであろう最多CD売り上げをデビューアルバム『First Love 』で遂げていることだが、10代であれだけの表現を歌い鳴らしたこと、独特の血筋、音楽の中に含まれた比類なき慟哭、そして多幸感、さらにいきなり「人間活動宣言」というキャンディーズの「普通の女の子に戻ります」以来のインパクトのある言葉を残して活動休止に突如入るといった、独自の哲学による生き方は、今も生きる伝説を残し続けている。

 そんな才能と孤独と孤高を極めた宇多田ヒカルの音楽は、今まではリスナーにとって決して自分に近いものではなかったし、ある意味この国の最高級の音楽サラブレットの活躍と孤独を鑑賞しながら楽しんだり心配したりするものだった。それほどまでに彼女の音楽は、誰もが感じられる大衆に訴えかける特異にして美しいドキュメンタリーそのものだったのだと思う。
 しかし今年の復活後の宇多田ヒカルを多くのリスナーは「近い」と感じられたのではないかと思う。それは彼女が「母親の死」、「第一子の誕生」というまるで輪廻ではないかと錯覚してしまう経験を経た上で、そのことが色濃く歌われている楽曲を抱えながら戻ってきたことが大きいだろう。人間活動を文字通り満喫し、しかも死と生の圧倒的な力を新たに授かった宇多田ヒカルが再び音楽を作り、そして歌い鳴らしたいと思ったということは、生活という人間活動に日々追われている、われわれにとって彼女の中にリアリティーを感じるという「初体験」を得ることとなった。
 フィンランドやアジア圏各国のiTunesのチャートで1位を獲得し、世界的な成功を含めて大きなセールスを今も記録し続けているアルバム『Fantome』は、必然的に2016年の日本のポップミュージックの記録と記憶を記すものとなった。YouTubeを観ながらマネできるシンプルでインパクトを残す音楽が重宝されがちな現在の中で、極めて異質にして本質的な音楽の醍醐味とストーリー性を感じられる『Fantome』は、改めて宇多田ヒカルがなんなのか? いかに圧倒的にして生命の神秘と残酷さを直感的に紐解くメッセージを彼女だけが放てるのかを証明した金字塔となった。

■宇多田ヒカル、生中継イベント「30代はほどほど。」を12月9日に開催

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宇多田ヒカル、生中継イベント「30代はほどほど。」を12月9日に開催


 そんな30代に突入した宇多田ヒカルが、復活の年の瀬に「30代はほどほど。」という生中継イベントを12月9日に行う。
 これは2003年の1月19日、彼女の20歳のバースデーに「20代はイケイケ!」というネットイベントを開催し、述べ100万人のアクセスユーザーと当時もっとも新しいスタイルによるコミュニケーションを果たしたものの「続編」にあたるものでもある。
 日本を代表する音楽アーティストとして敏感でいたいという気持ち、そしてカルチャーの最先端を堪能したいという貪欲な気持ちが重なり合った「20代はイケイケ!」は当時大きな話題となったが、今回の「30代はほどほど。」という控えめなタイトルの生中継イベントも前回同様、それ以上の話題とアクセスユーザーを集めることが必至のイベントである。ちなみに「20代はイケイケ!」時に、そのイケイケのまま「30代になった時にまたやろう!」と、当時はまさか自身が活動休止などすることになるとは思っていない勢いのまま公言したことを今回果たすという素敵な裏エピソードが、このイベントにはある。と共に、98年の12月9日に"Automatic / time will tell"でデビューした彼女の「デビュー18年祭」という意味合いも含まれる素敵な日に開催されるコミュニケーションパーティーでもあることを忘れてはならない。

■3Dで立体的な宇多田ヒカルに触れるように鑑賞できる「3DVR」を採用

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宇多田ヒカル、生中継イベント「30代はほどほど。」を12月9日に開催


 今回のネットイベントは「3DVR」という、今もっとも注目を浴びて数々の実験的な挑戦が試みられているメディアを通じて生中継される。3Dで立体的な宇多田ヒカルに触れるように鑑賞できると同時に、VRで同じ空間にいるかのような錯覚を覚える、擬似一体感をとことん味わえるイベント。今最もリッチでありニッチでもある時代のツールを用いながら、なるべくファンに「近い」感覚を持って生中継で語り合えるようなネットイベントを作ろうと色々なアイディアの中からピックアップされたのが、今回のスタイルだという。この3DVRという体験スタイルは、過去にビヨークが実験的なライヴとして試みたことも話題になったが、未だ殆ど耕されていないメディアでもあり、国内でいえば確実に最大級の新感覚コミュニケーションが味わえるものとなる。

「20代はイケイケ!」の時に湧き上がった多くの声は、「こんなに屈託ない女の子だと思わなかった」というものだった。当時はTwitterなどのSNSもなく、なかなか素顔の表情や内面を表すことがなかった中だからこそプレシャスな宇多田ヒカル体験が果たされたが、この1億3千万人総SNS時代に彼女がどんなパフォーマンスをし、どんなメッセージを放ち、リスナーからの意見にそう真摯(しんし)に応えるのか? とても楽しみなものだし、何よりもきっと母親となった彼女の強さ、大きさが滲み出るものになるのではないかと思う。
 今現在、3Dなどは映画やアトラクションで体験した方も多いとは思うが、ヴァーチャル・リアリティー=VRという最新スペックをまだ体験していない方は多いと思う。2Dで普通に鑑賞し、コミュニケーションに参加することもできるが、この貴重な機会だからこそ、是非3DによるVR体験をお勧めしたい。プログラムの中にはスタジオにおける生パフォーマンスも予定されている。しかもアルバムにも参加した、今最もカリスマ性のある次世代ヒップホップラッパーKOHHと、宇多田ヒカルファンとして名高いマルチアーティストPUNPEEの参加も決まっており、復活後の宇多田ヒカルの自主性がはっきりと見える貴重な時間を共に過ごすことになるだろう。

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KOHHも参加が決定! 宇多田ヒカル、生中継イベント「30代はほどほど。」を12月9日に開催


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PUNPEEも参加が決定!宇多田ヒカル、生中継イベント「30代はほどほど。」を12月9日に開催



※「Fantome」の「o」はサーカムフレックス付きが正式表記。

文/ 鹿野 淳(MUSICA)


<番組概要>
タイトル  :サントリー天然水PRESENTS「30代はほどほど。」
放送日時 : 12月9日(金) 21:00~21:30 (※予定)
内容    :宇多田ヒカルが生中継(3DVR版/2Dマルチアングル版/通常版)でファンとコミュニケーションする特別番組。リアルタイムに寄せられたメッセージに回答していくほか、スタジオ生パフォーマンスも披露される予定。

<配信形態>
1) "3DVR"版
"3DVR"で、その場にいるような臨場感ある映像が楽しめる。
デバイス: スマートフォン 
視聴方法: 事前の視聴申し込みを完了後、無線LAN(Wi-fi)の通信環境と、スマートフォンが装着できるVRスコープを用意のうえ、「GYAO!」アプリ(iOS/Android)から視聴可能。

"3DVR"版 受付期間 :~2016年12月3日(土)23:59まで
※Yahoo! JAPAN IDが必要。
※"3DVR"版の視聴申し込みは「GYAO!」特設ページより。

2) "2Dマルチアングル"版
いろいろな角度から撮影された映像を自身で選択して楽しめる。
デバイス: スマートフォン 
視聴方法: 事前応募不要で、「GYAO!」アプリから視聴可能。

3) 通常版
スイッチングされる映像のみを楽しめる。
デバイス: PC/スマートフォン ※アプリ不要
視聴方法: 事前応募不要で、デバイスを問わず視聴可能。

■「宇多田ヒカル3DVRリアル体験イベント」 参加者募集中!

抽選で30名様を限定ご招待!
12月9日の生配信(21:00~21:30)をGYAO本社(東京都千代田区紀尾井町)で3DVRスコープを用いて実体験する特別企画。
※ご本人は登場致しません。
※会場までの交通費は自己負担。

日時:12月9日(金)集合20:00 本番21:00~21:30(予定)
場所:株式会社GYAO本社
募集:30名様(抽選)
(12月4日 23:59締切。当選の方には12月5日にDMにて御連絡)
詳細はGYAO!公式Twitterにて
https://twitter.com/Yahoo_GYAO

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