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「半径2.5メートル以内にAV男優がいないと変身できないヒーロー」という奇想天外なアイデアを持つ1本の予告編がネットを中心に話題を集めた。そのオリジナルヒーロードラマのタイトルは「マグマイザー」。一般男性とは桁違いの"マグマ粒子(精力や雄度)"を持つ選ばれし男性・神雄(カミオス)=AV男優の力を借りて、超戦士マグマイザーに変身する主人公の真熊烈(まぐま・れつ)は、日本の少子化および人類滅亡をもくろむ黒の一族と戦うのだ――。

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「マグマイザー」= 2017年3月10日(金) 21時~「BSスカパー!」放送。全5話、第1話無料放送
(C)2017 スカパー!


この予告編で烈にパワーを与える神雄(カミオス)として登場するのは大島丈、黒田悠斗、しみけん、志良玉弾吾、田淵正浩、森林原人、吉村卓という七人の精鋭たち。名前は知らなくても、顔を見れば「ああ!」と合点してしまうこと必至。まさに現代のAV男優界のアベンジャーズである。本編はないのに予告編だけを先に作り、その予告編映像をもって「連続ドラマ化」までこぎつけようという無謀なプロジェクト。一歩間違えれば一笑に付されてしまいそうな企画だが、一流のスタッフたちが「面白いじゃないか!」とばかりにこの企画にほれ込み、本気で遊んだ大人たちが、本気の映像を作り出したのだ。そしてその予告編映像は香港、台湾からも熱い視線が送られるなど世界規模で注目を集め......。

「マグマイザー」 予告編 / Magmizer Trailer>>


しかし夢はこのままでは終わらなかった。なんと2017年3月10日(金)よる21時からBSスカパー!にて、連続ドラマとして制作・放送されることが決定したのだ(全5話)。さらに、なんと制作はROBOT!「企画は面白いんだけど、ウチではちょっとね......」と尻込みする者が多い中、なぜこの企画を始動させようと思ったのか。BSスカパー!の清野正一郎プロデューサー、そして古屋雄作監督に話を聞いた。

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古屋 雄作氏(左)清野 正一郎氏(右)


■まさかの連ドラ化決定! そんな無謀な決断を下した人って一体......?

――なぜBSスカパー!さんがこの企画に参加することになったのでしょうか?

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スカパーJSAT株式会社 清野 正一郎氏


清野: 前回の古屋監督のインタビュー記事を見つけたのが、きっかけです。記事タイトルで『AV男優界のアベンジャーズが集結......!? 面白い!』と読み進めていたら、最後に『連続ドラマ化したいけど、地上波ではいろんな制約があって無理かも』と書いてあって。もしかして、これはうちのためのドラマなんじゃないかと思い始めたんです。

BSスカパー!では、20代から40代の男性がメーン視聴ターゲットとなっています。千原ジュニアさんがMCの「ダラケ!」という番組ではAV男優ダラケの放送回が人気を博し、「BAZOOKA!!!」の人気企画「地下クイズ王決定戦」ではしみけんさんが念願の優勝を果たし感動を呼びました。男優さんが出演する番組は毎回好評なので、今回の「マグマイザー」も親和性が高いのでは?と考えました」

――そこで、待望の本編制作が決定! まさに出会うべくして出会ったということですね。

清野: 「ただ正直言うと、1日悩みました......。失礼な言い方ですが、こんな作品を構想した人物はどんな人なのか......怖い変な人じゃなければいいなと(笑)。ただ、古屋さんの過去作を調べさせてもらったら、『スカイフィッシュの捕まえ方』や『ダイナミック通販』を作っている人だと分かり。それで次の日に古屋さんに連絡を入れました」

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古屋 雄作監督


古屋: 「そんな躊躇があったとは、初耳でした(笑)。清野さんからメールが来た時は『サクラサク』、受験に受かったような気分でした。ただ、私も『この作品に食いついた人物は、どんな人......?』と思っていましたよ(笑)。おそるおそる打ち合わせに行ったら、さわやかなイケメンじゃないですか! しかも清野正一郎さんという、"清い"に"正しい"というお名前の方がこの作品に興味を持ってくれたのかという意外性もあって、面白かったですね」

――会社内で企画はすんなり通ったのでしょうか?

清野: 「確かに面白がってくれる人はいたんですが、やはり企画を通すとなるとお金が関わってきますし、本当に大丈夫かということになり。でもうちの会社で一番偉い人たちがこの企画をものすごく面白がってくれ、そこで確かな手応えを感じました」

■最初は白い目で見ていた女子社員も......予告編のクオリティーに感心

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ヒ―ローが変身するためのエネルギー源、それは男優の精力(予告編より)
(C)MAGMIZER PROJECT


――女子社員の反応はいかがでした?

清野: 「最初は、みんな変な顔をしていて。AV男優界のアベンジャーズのドラマ化を熱弁......こいつはおかしくなったのだろうか、という目で見られたりもしました(笑)。ただ、予告編を見せたらみんなの顔色が変わるんです。予告編を見せる前と後では反応が違うというか。やはり古屋さんが作った予告編があったからこそ、実現したと思います」

古屋: 「企画書だけだと、どうしてもふざけた作品だと思われがちで。やりたいことを伝えるために、予告編を作って良かったです」

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登場する神雄=AV男優たちも一流どころ(予告編より)
(C)MAGMIZER PROJECT


――R指定などはなしですか?

清野: 「R指定はありません。神雄たちのリアルな仕事現場シーンを入れるようなことはないので」

古屋: 「下ネタ的なものはありますが、お色気はないですね」

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ヒーロー「マグマイザー」は、半径2.5m以内にAV男優がいないと変身できない(予告編より)
(C)MAGMIZER PROJECT


――ヒーロー作品として、子どもたちも安心して見られる?

清野: 「親が見せたいかどうかは別として(笑)、見られると思います。第1話に関しては、スカパー!非会員の方も無料で視聴可能ですし、色々な動画サイトなどで触れてもらえる機会を作っていきたいと思っています。」

――予告編に出演していた神雄(カミオス)=AV男優たちは続投ですか?

古屋: 「皆さんに出ていただきたいと思っています。何人かの方にはまた時間をもらって彼らの男優論や人生論などをヒアリングさせてもらっていますので、そういったエッセンスも脚本に織り込めたらと思っています」

■制作を担当するのは、あの「海猿」や「踊る大捜査線」のROBOT!

――予告編はハイクオリティーな映像でしたが、スタッフも続投ですか?

古屋: 「できるだけ予告編と同じスタッフさんにお願いしたいと思っています。アクションチームは続投するので、迫力ある映像に期待してください」

清野: 「なんと、制作はROBOTさんに決定しました。低予算ではありますが、こちらもハイクオリティーのものを作れる環境が整いました」

――ROBOTといえば「海猿」や「踊る大捜査線」など数々のヒット作を生み出した制作会社ですが、彼らが参加した経緯は?

清野: 「実はオリジナル連続ドラマの『破門(疫病神シリーズ)』でROBOTさんと一緒にお仕事をしていて。ちょうど別件でROBOTさんとお話ししてた時に、『面白いものを見つけたんです』と言って「マグマイザー」の予告編を見せたんです。そうしたら『清野さん......、これブームがおきますよ!!』と熱量の高い言葉をいただいて。これは......と思って、『予算はこれくらいしかないですけど、どうですかね』と誘ったら、ぜひぜひと(笑)。大人が本気で遊んだらこうなるんだぞ、というところを見せたいですね」

古屋: 「ありがたいですね。仲間が増えて、(『ONE PIECE』の主人公)ルフィになった気分です(笑)」

――予告編は台湾や香港などからも反響があったそうですが。

清野: 「いつか海外にも進出したいですね」

古屋: 「そのためには字幕版を作らないと。まずはアジア。そしてハリウッド、ですかね。どんどん夢がふくらみますね。」

――では最後にあらためて連続ドラマ放送決定、本編制作に向けた意気込みを。

古屋: 「男が手に汗握って、そして最終的には、女性も泣けるようなドラマになると思います。ご期待ください!」

◆BSスカパー!オリジナル連続ドラマ「マグマイザー」放送概要
2017年3月10日(金) 21時~(30分枠)
全5話、第1話無料放送。
放送チャンネルは「BSスカパー!」(BS241ch)、視聴方法は、「スカパー!」加入者なら無料。第1話は非会員でも無料。
※加入者限定でスカパー!オンデマンドサービス内で無料配信予定。
制作はROBOTが担当。

◆古屋 雄作(ふるやゆうさく)
1977年、愛知県出身。2004年にテレビディレクター業務の合間を縫って「スカイフィッシュの捕まえ方」を自主制作し、2006年同作をビクターエンタテインメントよりDVDリリース。以降撮りおろしのDVD作品を中心にテレビ、CM、ウェブ動画などで多数の企画を手がけている。主な作品に、累計1,000万回再生を記録し、累計15万部の大ヒットとなった「人の怒らせ方」DVDシリーズ(「温厚な上司の怒らせ方」「一番大切な人の怒らせ方」「今さら人に聞けない!怒らせ方講座」ほか)や、シルバー世代を主役に据えたフェイクドキュメンタリー「R65」シリーズ(DVD)、関西テレビで放映し話題となった「神話戦士ギガゼウス」(テレビドラマ)、TBS「ダイナミック通販」などがある。
座右の銘:「やってみないと分からない」


◆清野 正一郎(せいのしょういちろう)
1984年、福島県出身。2006年にスカパーJSAT入社(現社名)。家電営業、映画チャンネル営業などを経て、2012年にフジテレビジョンに出向しフジテレビONEの編成を担当する。2014年7月よりBSスカパー!の編成担当。2015年1月にBSスカパー!初のオリジナル連続ドラマ「破門(疫病神シリーズ)」をプロデュース。以降「PANIC IN」「螻蛄(疫病神シリーズ)」など連続ドラマ作品を中心に、「演劇人は、夜な夜な、下北の街で呑み明かす...」などバラエティー番組なども担当する。
座右の銘:「なるようになる、ために全力でやる」

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

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