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 YouTubeに公開した「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」が世界中で大ヒットし、一躍時の人となったピコ太郎。一度耳にしたら癖になるリズムと歌詞、さらに奇抜なファッションで踊るダンスとのコラボは、なんとも言えない中毒性がある。2016年の下半期、彗(すい)星のように現れ、多くの話題をさらっていったピコ太郎の素顔に迫る。

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2016年の下半期、多くの話題をさらっていったピコ太郎


■世界中での大ヒット「飼い猫までびっくりしています」

――プロデューサーの古坂大魔王さんとの出会いは?

ピコ太郎:子供のころから歌が好きだったのですが、チャンスがなくフリーターをしていました。そのかたわら千葉の某公園(ぼうこうえん)で壁に向かって一人でライブをしていたら、古坂さんがやってきて「壁に向かってやっていると声が反射するぞ」って言われたんです。最初の印象は「顔なげーな」って感じでした。

――一緒にやるようになったきっかけは?

ピコ太郎:5年前に古坂さんの単独ライブに出てほしいって言われたのがきっかけですね。

――組んでみていかがでしたか?

ピコ太郎:ずっと笑っていますね。僕の一番のファンなんじゃないですかね。

――PPAPが世界中で大人気ですね

ピコ太郎:びっくりですよね。古坂さんもびっくりしています。家族や飼い猫もびっくりです。まあこの状況を予想できていれば、アップしてからこんなに時間はかかっていませんよね。

■ジャスティン頼りフィーバー!

――ジャスティン・ビーバーについては?

ピコ太郎:ジャスティンフィーバーですね。それからのはやりですからね。でもジャスティンがフィーバーしているみたいだから、ジャスティン頼りフィーバーですね。

――PPAPの動画を挙げている人が世界中にいますね。

ピコ太郎:こんなに多くのカバー動画があがるのは予想できませんでしたね。まねしづらいと思っていたのですが、最初にアップした中学生から始まって、古典インドバージョンとかすごいクオリティーなんです。僕が一番動画見て楽しんでいるのかもしれません。

■ある日急に世界一「本当に実感がない」

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2016年の下半期、多くの話題をさらっていったピコ太郎


――YouTubeのミュージックチャートで3週連続世界1位となり、12月20日に発表された「YouTube Rewind トップトレンド 国内音楽動画 2016」では堂々の1位となりました。

ピコ太郎:世界一と言われて、曲が短いことなのかなって思っていたら、再生数だと聞いて、びっくりしました。だって2位がザ・チェインスモーカーズの「Closer」、3位にメジャー・レイザーがいたんですからね。震えが止まらなくて逆にゆっくり見えるぐらい震えちゃったんです。本当に実感がなくて、よく謙遜とか言われるのですが、なってみてください。びっくりしますので。ある朝、急にジャスティン・ビーバーです。ある日、急に世界一です。

――ビルボードランキング77位、日本人としては26年ぶり、松田聖子さん以来です。しかもギネス最短の曲としてランクインです。

ピコ太郎:びっくりが違うところでして、今まで1分15秒が世界一だったのですが、1秒の曲とかもあるんですよ。そういう曲がランクインしてなかったことがびっくりでした。短い曲でみなさんに喜んでいただけたことが一番うれし(いんです。

■衣装は「オラオラ系、スーツ」で検索

――PPAPはどんな時に思いついたのでしょうか?

ピコ太郎:もともとテクノ体操という古坂さんがコントで使っていたトラックがあるのですが、それを作り直したものなんです。歌詞はピンポンポンポンプンパンパンパンピンポンポンポンというメロディの中で、その時ペンを持っていたので「I have a pen」、いいんじゃないって。古坂さん青森出身でリンゴが置いてあったので「I have an apple」、いいじゃない。さあどうする。「apple a pen」できた! って感じです。パイナップルに関しては缶詰があったので、「apple apple apple pet bottle~いや違う」「apple apple pen pineapple! これだ!」って刺さりました。

――衣装も個性的ですね。

ピコ太郎:これはバージョン4なんです。最初は黒の上下のジャージに犬のプリント、2つ目が白のジャージに犬のプリント、3つ目は赤の蛇柄のジャージ。バージョン4でようやくシャツセットアップ。インターネットで見つけて購入いたしました。「オラオラ系、スーツ」で検索したんです。そしてストールは「ZARA」です。

――12月7日にはアルバム「PPAP」が発売されました。

ピコ太郎:CD歌入りが20曲、カラオケが5曲。DVDもMVはすべて入っています。全部入っていても40分ぐらい。とんでもないボリュームになっていますが、あっという間に消化できます。

――オススメはありますか?

ピコ太郎:「ヒヨコ選別」という曲。普段やっているバイトでございます。「YOME」はうちの嫁を題材にした曲。そしてPPAPの日本語版アンサーソング「カナブンブーンデモエビインビン」とか、ピコ太郎の明るい部分とは違った"陰"の部分が出ている「変わりゆく女」とか「最終手段」などですね。すべて1分ぐらいで終わります。

■僕のテーマは世界平和

――海外レーベルとも契約、今後の活動は海外も視野に?

ピコ太郎:たくさんの海外の方、海外セレブの方にやってもらうチャンスってすごくすてきなこと。台湾でもものすごい歓迎でした。驚きプラス感動しました。でも古坂さんが小籠包食べに街に出ても誰も相手にしてもらえなかったんです。こんなチャンスないので、呼ばれる限り、たくさんの国に行きたい。先ほどはロシア番組の取材も受けました。なにより、こうしてブレイクしたきっかけを作ってくれたジャスティンとコラボしたいですね。でもジャスティンでどこにいるんでしょうね?

――お子さんにも大人気ですよね。

ピコ太郎:世界中のちびっこたち、特にトランプさんの孫娘さんがインスタグラムで「PPAP」をやってくれたりしました。僕はしがらみは分かりませんが、やってくれている最中はただ楽しんでくれているので、僕のテーマである「世界平和」に貢献できるのかなと。家族、いとこ、はとこへの愛、ダークマターへの存在証明、これをすべて世界中の方と共有したい。僕は、1分だけは世界を平和にしたいです。

――プロデューサーの古坂さんは10年前、歌で世界に出てみたいといっていましたが。

ピコ太郎:古坂さんは、歌だけではなく、日本が持っているお笑い、音楽、お祭りを広げたいと言っていました。その古坂さんが「おまえというフィルターを通すと世界に行きやすい」って言ってくれていたんです。

■一発屋と言われるのは光栄

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2016年の下半期、多くの話題をさらっていったピコ太郎


―― 一発屋で終わらないためにどんなことを考えていますか?

ピコ太郎:一発屋って言われるのはすごく光栄です。だって一発当てたってことですもんね。しかも、この規模ってすごいと思うんです。PPAPも5本アップした動画のうちの一つなので、当てたというよりは皆さんにチョイスしてもらったという認識なんです。今後も定期的に曲をアップしていくだけです。

――来年は酉(とり)年ですが、今年会ってうっとりした女性は?

ピコ太郎:(ハリセンボンの近藤)春菜さんですかね。すごく腰がしっかりしていて、肌もきれいで、礼儀も正しくて、ヒルトンホテルのドアボーイかというぐらいお辞儀されていたので、すごくしっかりされている方だなって思ったことと、あとは乃木坂46さん全員ですね。生駒(里奈)ちゃんです。

――どんな女性がタイプなのでしょうか?

ピコ太郎:物事をしっかり把握できて、含蓄のある人、うちの妻もそうですが「このカツ丼おいしいね」なんて言ったら、それを図解で説明してくれるような、ちゃんときちんと知識を持って伝えてくれるような人。話をしてすごく勉強になるなって言う人が好きですね。あとは大きい女が好きですね。

――世界的なブームを巻き起こしていますが、ピコ太郎さんと古坂大魔王さんの印税の取り分はどうなっているのでしょうか?

ピコ太郎:お金は戦争の元。正直、全然理解していなくて、すべて古坂さんにお任せなんです。僕は預入が月30万円上限の銀行なので、それ以上はもらえないんです。

■夢は「マディソン・スクエア・ガーデン」

――曲作りはどうやって?

ピコ太郎:まずは私の鼻唄です。お風呂かトイレで歌います。それをi-phoneに録音して、それを古坂さんに渡します。それを古坂さんが音にします。それに僕が足すという作り方です。

――夢をかなえるために大事にしていることは?

ピコ太郎:「夢はありますか?」という質問から入った方がいい。夢がなかったら現実をこなせばいいし、それも幸せだと思います。ただ憧れたもの、やってみたいものが思いついたら、思いついた瞬間に達成できるって本で読んだことがありまして。人は想像できたものはすべて実現できるという......。努力ではなく近道を探るために必要な手段を選ぶということを続けていけばいいのかなって思うんです。奥さんの言葉なんですけれどね。夢ではなく自分の中の第一次ゴール地点を作って、そこに憧れたらどうか。憧れたならば進みましょうという方がいいのかなって思います。

――ピコ太郎さんのいまの夢は?

ピコ太郎:夢はマディソン・スクエア・ガーデンですね。あそこで歌ったらすごいなって。しかもあそこを借りて10分で帰ったら最高かなって。10曲10分、大ブーイング。あとはジャスティン・ビーバーと共演してみたいですね。

――最後に何か言いたいことはありますか?

ピコ太郎:この現象はお祭りだと思っていますが、長く続ける努力をしたいです。私は日本の文化を背負っていくつもりなんて全くありませんが、でも一端ではあると思っているので、ちょっとでも理解してくれる国や人々がいたらうれしいと思っています。今後とも頑張っていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします。

(取材・文:磯部正和)

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2016年の下半期、多くの話題をさらっていったピコ太郎


ピコ太郎(ぴこたろう)
1963年7月17日生まれ。千葉県出身。2016年8月末に「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」という動画をYouTubeに投稿すると、ジャスティン・ビーバーがツイッターで紹介。世界的な広がりをみせ、2カ月で累計5億回の再生を記録し、PPAP旋風を巻き起こす。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
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