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 映画『HERO』や『プリンセス トヨトミ』を手掛けた鈴木雅之監督の最新作『本能寺ホテル』が1月14日に公開を迎える(出演:綾瀬はるか、堤真一)。元OLと織田信長との「本能寺の変」前日の奇妙な遭遇を描く歴史ミステリーという、最近では珍しい完全オリジナル脚本で臨んだ本作。その製作方法は非常に個性的で、これまで多くの作品を手掛けてきた鈴木監督をして「初めてのやり方だった」と語る。そんなチャレンジングな作品である『本能寺ホテル』の魅力について聞いた。

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鈴木雅之監督=1月14日公開『本能寺ホテル』(出演:綾瀬はるか、堤真一)


『本能寺ホテル』劇場予告編映像>>



――この規模の作品で完全オリジナルというのはなかなか珍しいと思いますが、どういった経緯で企画がスタートしたのでしょうか?

鈴木:『プリンセス トヨトミ』(2014)のプロデューサーの石原が『本能寺ホテル』というタイトルをひらめいたので、何かできないかなと言ってきたんです。そこで脚本家の相沢友子さんを交え、紆余曲折(うよきょくせつ)しながら進めていったんです。そのタイミングで、綾瀬(はるか)さんと、堤(真一)くん、濱田(岳)くんにオファーしたら、みなさん受けてくれました。

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2017年1月14日(土)全国東宝系公開 映画『本能寺ホテル』出演:綾瀬はるか、堤真一 ほか
(C)2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ


――台本もない状態で快諾してくれたのですか?

鈴木:そうなんです。もちろん過去に一緒にやったことがあるということもありますが......。そこでこの3人と本能寺、ホテル、現代、過去というキーワードで話を作っていったのです。

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2017年1月14日(土)全国東宝系公開 映画『本能寺ホテル』出演:綾瀬はるか、堤真一 ほか
(C)2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ


――タイトル、キャストが決まってから、企画が動き出すまではどのぐらいの期間を要したのですか?

鈴木:1年近くはかかっていますね。本能寺というからには織田信長の話で、現代の人はどうするのか、信長というすごい人物と、現代のたわいのない人が交わる感じがいいんだろうなって。オリジナル作品って、いろいろ無駄話をしながら、みんなでゼロから作る楽しみがありますよね。

――ゼロから生み出す楽しさがある一方、大変さもありますね。

鈴木:もちろんありますね。オリジナルってどこにでもいけるから、そのぶん、選択していく大変さもあります。何かを決められるのって幸せである半面、苦痛も伴いますよね。

――タイトルから発想して物語を作っていくことは今までもあったのでしょうか?

鈴木:完全にタイトルだけで企画をスタートさせるのは初めてでした。でも面白いなって思いました。タイトルって力を持っているんです。おざなりにタイトルをつけた作品って、全体もなんとなくそうなっていってしまうんです。僕らが若いころは、結構大胆なタイトルがついた作品が多かったんです。例えば(織田裕二主演の)「お金がない!」とかストレートなタイトルですが、つけてみるといろいろな意味が備わってくる。タイトルって何かを左右するものというイメージがあるので、そこから企画をスタートさせるのは面白いなって思いましたね。

――堤さん、綾瀬さん、濱田さんは最初から決めていたのでしょうか?

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2017年1月14日(土)全国東宝系公開 映画『本能寺ホテル』出演:綾瀬はるか、堤真一 ほか
(C)2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ


鈴木:気持ちとしてはね。岳ちゃんは大好きなんですよ。あの年代の俳優さんのなかでは、個性的という意味では群を抜いている。オリジナル作品なので、キャラクターを作っていかなくてはならないと考えたとき、彼は最高ですよね。綾瀬さんは、普段話をしていても面白いのですが、彼女ってなんでもできるんですよね。世の中で普通じゃないよということでも平気で乗り越えてくる人間力があります。お芝居の域が広いんですよね。堤さんに関しては、目の前でお芝居をしていると刺激を受けるし、撮っていて何かをもらえる俳優さん。

――オリジナル作品ならではの怖さもありますか?

鈴木:人のせいにできないですよね(笑)。大きな原作があればそれは大きな武器になると思います。ものを作るとき、それを作る意味だったり、何かよりどころみたいなものが欲しいのは正直なところなので、怖い部分はあります。一方で、オリジナルをやれるという喜びもあります。

――長くテレビ業界にもいますが、時代と共に変化していった部分はありますか?

鈴木:僕はフジテレビに在籍していますが、よそから入って来た人間なので、本道と言うより、側道を走ってきたタイプ。ものを最初から作り出す楽しさみたいなものを常に腹のなかに持っているべきだと思います。

――そういった意味では、本作のような映画がヒットすると活気づきますね。

鈴木:確かにヒットしてくれると、こうしたオリジナル企画というのは次にも続くんでしょうね。

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2017年1月14日(土)全国東宝系公開 映画『本能寺ホテル』出演:綾瀬はるか、堤真一 ほか
(C)2017 フジテレビジョン 東宝 ホリプロ


――作品の楽しみ方のヒントを教えてください。

鈴木:街に行って歴史を知っていると楽しくなりますよね。京都でも「ここで本能寺の変があったんだ」とか「坂本龍馬が殺されたのはこの場所なんだ」とかね。ストーリーとは別に、そういった部分を楽しむこともできる作品だと思います。

(取材・文・撮影:磯部正和)
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鈴木雅之(すずき・まさゆき)
1958年9月6日生まれ、東京都出身。共同テレビに入社後、「世にも奇妙な物語」や「白鳥麗子でございます!」などで注目を集め、1994年にフジテレビに移籍。その後も「29歳のクリスマス」や「王様のレストラン」、「ショムニ」などの人気ドラマを手掛ける。さらに『HERO』や『プリンセス トヨトミ』などのヒット映画も手掛ける。

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