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"毒親"という言葉の認知が高まっている。過干渉など"子の人生を支配する親"として、親が子供に与える影響は必ずしも良いものとは限らないという意識が広がる中、日本テレビ系「愛を乞うひと」、NHK「お母さん、娘をやめていいですか?」という2本のドラマが続けて放送されたことが話題をよんでいる。

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篠原涼子, Nov 21, 2016 : スペシャルドラマ「愛を乞うひと」で主演(写真:MANTAN/アフロ)


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■いち早く"毒親"問題に取り組んできたNHK

毒親とは、医療機関のコンサルタントでセラピストのスーザン・フォワードの著書『毒になる親 一生苦しむ子供』から広がった言葉で、子供に悪影響を与える親を意味している。明確な身体的・精神的虐待をおこなっていなくとも、「あなたのため」と言いながら子供を支配するような教育も毒親の範囲となる場合がある。国内では2012年に、田房永子が自身の母親との闘いを記録したコミックエッセイ『母がしんどい』が出版されて、毒親問題の一般認知度が高まるきっかけのひとつとなった。

NHKは、2014年の時点で「あさイチ」で「母が重たい」特集を組み、母子関係に深刻な悩みを抱える人々の実態を伝えるなど、いち早く毒親に関する問題提起をおこなってきた。そんなNHKが満を持して放送するドラマが、1月13日よりスタートした「お母さん、娘をやめていいですか?」(毎週金曜22時~)だ。

ひょっとすると、主人公・美月(波瑠)の母親である顕子(斉藤由貴)の振る舞いの何がいけないかわからないという視聴者もいるかもしれない。劇中で描かれる母親の"毒"は、それほどまでにさりげない。「あなたのことを思って言っている」と母親はあくまで優しく、助言という形をとって娘をコントロールしようとする。斉藤は、そのような顕子の言動を"フリルのついた暴力"と表現している。

■苛烈な虐待シーン描いた「愛を乞うひと」

一方、1月11日に放送されたスペシャルドラマ「愛を乞うひと」では、誰もが嫌悪感を抱くだろう苛烈な虐待シーンが描かれた。同ドラマでは、主演の篠原涼子が、愛し方を知らない母親・豊子と、愛され方を知らない娘・照恵の2役を演じている。照恵の幼少期は、天才子役と名高い鈴木梨央が演じており、彼女が理不尽に折檻(せっかん)を受けるシーンは、思わず目をそむけたくなる。

成長して母親となった照恵は、凄惨(せいさん)な幼少時代を思い出す中で、母親の真実と向き合うことになる。ラストシーン、豊子と対面した照恵の「ちっちゃくなっていた」から始まる一連のセリフは、"親"という存在について考えさせるものだろう。

前クールで放送されたTBS系ドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」でも、毒親がひとつのキーワードになっていた。毒親にスポットを当てたドラマが続けて放送されているのは、それだけ親子関係の負の面に対する世間の意識が高まり、一概に「子は親に感謝して当然」とは言えないという考えが広がっているからだろう。今後、フィクションの中での"親子"の描かれ方はどんどん変わっていきそうだ。

(文/原田美紗@HEW

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