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1月18日(水)TBS系で深夜0時10分に放送した『レンタルの恋』。ドラマのタイトルからもわかる、まさに恋人の代わりをレンタルする物語だ。

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剛力彩芽, Dec 02, 2016 : 「ESCADA」の2017年春夏ファッションショー (写真:MANTAN/アフロ)


剛力彩芽、『新世紀エヴァンゲリオン』初号機のコスプレ姿>>


大学生の山田公介(太賀)は、中学の時のフォークダンス以来、女の子の手を握ったことが全くない。ところが親友の橘隼人(健太郎)には、"まるっこい彼女"細井美姫(信江勇)ができてしまい、公介はカップルでいっぱいのクリスマスイブを、一人で過ごすことになってしまう。
サンタのバイトをしていたある夜、偶然知り合った、うさぎの格好をした鷲見鑑物(温水洋一)の後をついていくと、そこは恋人をレンタルする"Rental Lovers"の事務所だった。勧められてレンタルした一番人気の高杉レミ(剛力彩芽)と、3時間のデートをすることになる。ところが公介がのめり込んでいくレミの首には、なぜか包帯が巻かれていた。謎に包まれたレミの正体は? 彼女は一体誰なのか......。

レンタルしたレミが、公介の部屋に届けられ、ドラマは幕を開ける。
ここで、アップテンポのテクノベースに、ピアノのメロディが乗せられたダンスミュージックが流れ、待ちに待った金曜日の夜がやってきたような、ワクワク感が掻(か)き立てられる。またアコースティックギターが、一つのモチーフを奏で、次第にリズムパターンがプラスされ、幾何学的にリズムが織り廻(めぐ)らされているのも数学的でおもしろい。

同様に、単純に間隔を刻むスネア(ドラムセットの中の小太鼓)の上に、ピアノがリズムモチーフを連鎖していくと、空間的音楽が表現されて、この一定の音の繰り返しが次第に"心地よさ"や"スリル"などを醸し出す。

例えば公介(太賀)が初めてレンタル"Rental Lovers"の事務所を探し当てていくシーン。リズムが緊張で高鳴る公介の鼓動とシンクロする。そして事務所のドアノブに手をかけた瞬間、音楽は止まる。いきなり出てきた鷲見(温水)が「貸すよ、彼女」と唐突に提案するが、止まってしまった音楽が公介の驚きを増幅する。次に手を引っ張られて事務所に入る公介。アタック音と同時に、さきほどの音楽がより音色を増やして再開し、物語が急展開することを示す。

現代音楽と電子音楽の組み合わせで生まれた、音の動きを最小限に抑えパターン化された音型を反復させる"ミニマリスム"を得意とする作曲家なのだろう。ミニマリスムは、ハーモニーとメロディからなる音楽とは違い、空間と"間"を表現する。例えば、淡い色のデコボコのブロックを規則的に並べたり、ずらしたり、色を変えたりして組み合わせ、出来上がったブロックを少し離れて見てみると、一つの作品が出来上がる。そんな映像作品の音響作品版と言えよう。
打楽器や雑音などもモチーフとして使った、スティーブ・ライヒや、水の音を取り入れた坂本龍一のスタイルも、ミニマリスムの一つとして魅力的だ。

このドラマの劇中音楽を手掛けた安田明祐氏の音楽は、電子音のソフトなテクノやハウスミュージックとギターやピアノのアコースティック音を掛け合わせることによって、クールな音楽に繊細さが加わる作風がすてきだ。

安田氏の作品は、サウンドトラックをかけながら、本を読んだり、コーヒーを飲んだり、誰かに手紙を書いたり、部屋の掃除をしたりできる。無機質で繊細な音楽が、空間にスッとなじんで、心地よい時間を提供してくれる。ドラマをも見事に彩っているので、ストーリーの展開と音楽の造形の妙をぜひ味わってほしい。
そして『レンタルの恋』2話以降での展開に、音楽がどう呼応していくのか。ぜひ次のモチーフも探してみたい。

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文責・パリ帰りのピアニスト シャロンヌ
    次世代メディア研究所

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