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初回視聴率がトップで、かつ2話目で数字をさらに上積みした『A LIFE~愛しき人~』。
ネット上には毀誉褒貶(きよほうへん)がたくさん出ているが、やはりキムタクのドラマが今クールも最も注目されている。

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イメージ画像(ペイレスイメージズ/アフロ)


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東京のど真ん中にそびえ立つ壇上記念病院。
かつてここに勤務した外科医・沖田一光(木村拓哉)が、シアトルに移って10年。
院長の壇上虎之介(柄本明)が心臓疾患で突然倒れた。彼の依頼で、沖田が久しぶりに日本に帰り、執刀することになる。院長の娘で小児外科医の壇上深冬(竹内結子)は、沖田の元恋人。彼の渡米後、沖田の幼なじみで脳外科医の壇上壮大(浅野忠信)と結婚し、5歳のこどもがいる。
日本に到着した沖田は、すぐに院長・虎之介を診察。外科部長の羽村圭吾(及川光博)や、沖田に対抗心を抱く井川颯太(松山ケンイチ)の反対を押し切り、手術に踏み切る。そして手術をしてみて、看護師の柴田由紀(木村文乃)とは互いに実力を認め合うようになる。
他に、沖田の父・沖田一心は田中泯、壇上壮大の愛人・榊原実梨は菜々緒と、そうそうたるキャストでドラマはスタートした。

以上の豪華な俳優陣の熱演と、緊張感あるドラマを彩っているのが、強烈なインパクトで存在感を示す音楽だ。
音楽を手がけるのは佐藤直紀氏。アニメ、CM、ドラマと多数の映画音楽を手がけるスーパースターで、シーンに合った音楽を何よりも大切にする職人音楽家だ。シンセサイザーをベースに、オーケストラの壮大なハーモニーをダイナミックに演出する手法を得意とする。

初回冒頭は、壇上病院を東京上空からとらえるシーン。
「お! 制作予算たっぷりだな」とドーンと突きつけられた感がある壮快で気持ちが良いシーンだ。
ヘリコプターから見る巨大都市東京の映像に重ねたオーケストラの長いフレーズは、目からも耳からも壮大感を感じられる。音のボリュームもクレッシェンドの振り幅が大きく、まるで映画を見ているようだ。少々大げさな感じもあるが、派手なだけではなく、ストーリーの展開に従い「で、どうなるの?」と見ている者の気持ちを掻(か)き立て、そのストーリーを演じる豪華キャストの白熱した演技を音楽が見事にサポートしている。

例えば第2話の、沖田(キムタク)と壇上壮大(浅野忠信)が、深冬(竹内結子)の脳腫瘍についてディスカッションするシーンでは、2人の個々の思いを彩る共通の音として、鼓動にも聞こえるスモークのかかったシンセのパーカッションが、ビート感をあげギターソロのロックへと展開していく。その流れに乗るように、シーンは医師全員が集まる総会へと移っていく。シーンの展開に合わせた、音楽の転換も脱帽と言わざるを得ない。

深冬の頭痛が続いていることを、父で院長の虎之助(柄本明)に伝える時の不安感や違和感も、効果音で巧みに演出している。
沖田が実家に戻り、父が用意した朝食を食べ翌日のオペに向かうシーン。静寂が訪れた夜は、アコースティックギターが静けさと心情に寄り添う。朝はストリングスメインのオーケストラを挟み、爽快感を巧妙に醸し出す。そしてドラマの見どころのオペシーンは、ロック×オーケストラで、メインディッシュを鮮やかに華やかに仕上げて魅せる。

院長・虎之介の"LIFE"を救うことを縦軸とした第1話では、巧みな技術と大胆なボリュームで、存在感を見せつけた音楽。和菓子職人・森本(平泉成)の命より大切な腕という"LIFE"にこだわった第2話では、一転してストーリーの展開と登場人物それぞれの葛藤と、それを演じる演技力をバックアップする役割に専念し、ドラマ音楽としての大きな役割を成し遂げていた。

ネット上では「内容が薄い」「主役級のスターを勢ぞろいさせ散々番宣をしていた割にはチープ」「ドクターXのパクリ感満載」などの罵詈(ばり)雑言が飛び交っているが、本当にそんなに表面的なドラマだろうか。

"LIFE"の意味を、物理的な命からQOL(生活や人生の質)へとテーマを進化させた展開。
配役それぞれのストーリー展開上の役割とそれを着実に演じ切ろうと言う個々の役者の奮闘。
そしてドラマ特有の心理的効果音も、「この場所にこの音!」と巧みな技を見せつけ、かつ初回と2話で音の付け方に進化をみせた音楽。

SMAP解散のトピックと安易に重ねて予断を以て表面的に判断せず、本格ドラマの奥行きの深さと本領をじっくり味わうに値する出来になっていると確信する。音楽の技と併せて、ぜひ堪能して欲しい作品と言いたい。

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文責・パリ帰りのピアニスト シャロンヌ
    次世代メディア研究所

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