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大ヒットを飛ばした「逃げるは恥だが役に立つ」に続き、TBS系の"火10"枠でスタートしたドラマ「カルテット」。「逃げ恥」は、社会的なテーマを扱っていても、ドラマ全体の雰囲気としては明るくポップなものだった一方、「カルテット」は、登場人物たちのセリフの裏の裏まで想像させる、クセのつよい作品となっている。多くのドラマ好きが今後の展開に期待を寄せている、今クールのダークホース「カルテット」の魅力とは?

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高橋一生, Jan 09, 2017 : ドラマ「カルテット」(TBS系)の舞台あいさつ (写真:MANTAN/アフロ)


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■愛とサスペンスに満ちた"大人の共同生活"

1月17日よりスタートした「カルテット」は、「Mother」や「Woman」、「最高の離婚」といった人気ドラマを手がけてきた"人間ドラマの名手"脚本家の坂元裕二による完全オリジナル作品。主人公であるネガティブ思考の主婦・巻真紀(松たか子)、マイペースな無職・世吹すずめ(満島ひかり)、美容室アシスタントの家森諭高(高橋一生)、自由人に憧れるドーナツ会社の社員・別府司(松田龍平)。夢が叶(かな)わなかった男女4人が、ひょんなことからカルテット(四重奏)を組み、軽井沢でひと冬の共同生活を送ることになる――。

今後の展開のカギとなるのは、4人の恋模様と、真紀は失踪した夫を殺したのか? という謎だ。また、楽器演奏者という夢が叶(かな)わなかった人間たちが集まってカルテットを結成し、今度は成功をつかむのか? それともやはり失敗に終わるのか? というのも気になるところ。またシャレの効いたセリフの妙もあり、さまざまな要素が絡まり合って織りなす、まさにタイトル通り"カルテット"のような作品となっている。

■唐揚げシーンに隠された意味とは......

しかし、「カルテット」は良くも悪くも"流し見"できない作品。登場人物たちは秘密を抱えており、セリフの裏の裏まで想像することが求められる。しかもコント的なやりとりだと思った何気ない会話が、あとから重要な意味を持っていたことが判明する。たとえば、第1話で4人が唐揚げを食べるシーンだ。

食事のとき、すずめと別府は大皿に盛った唐揚げに黙ってレモンをかけてしまう。そこで家森が「人それぞれ」「レモンかけるってことは不可逆なんだ。二度と元には戻れない」と理屈っぽく絡むという一見ギャグのようなシーンなのだが、実は後半の真紀の独白につながっていく。第1話の後半で真紀は、唐揚げをきっかけに夫婦のすれ違いに気づいたと告白して、「人生って起きたことは戻らないんです。レモンかけちゃった唐揚げみたいに」と語る。そのとき視聴者は初めて、唐揚げのシーンに込められた意味に気づくのだ。

■"テレビドラマに何を求めるか"で評価二分?

張り巡らされた伏線、裏の裏まで意味が込められたセリフ。テレビドラマは気軽に楽しみたいという層にとっては、これらの点はマイナスポイントだろう。しかし、上質な会話劇がたまらないという視聴者も多いらしく、Twitter上では、「まるで舞台を見ているようだ」と称賛する声が多くあがっている。

おそらく、"テレビドラマに何を求めるか"という考えによって、評価が二分されてしまう作品だろう。初回の平均視聴率は9.8%、第2話の平均視聴率は9.6%(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)と報じられているが、ここからどう変化していくか――。「カルテット」が成功を収めれば、テレビドラマというジャンルの幅も広がりそうなものだが。

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(文/原田美紗@HEW

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