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綾瀬はるか演じる女用心棒バルサの活躍を描き出し、世界中で愛される上橋菜穂子のファンタジー大作「精霊の守り人」シリーズ。全22話を3年かけて実写ドラマ化する大型プロジェクトのシーズン2が現在放送されている(NHK 土曜・後9時)。お尋ね者となった女用心棒バルサは不思議な少女アスラとその兄チキサと出会い、そして新ヨゴ国の皇太子となったチャグムは波乱の旅路につくことになる。

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トリーシアを演じる壇蜜= NHK大河ファンタジー「精霊の守り人 悲しき破壊神」(土曜・後9時)


広範なロケとVFXを組み合わせたイマジネーション豊かな描写と迫力のアクション、そしてロマンあふれるスケールの大きなドラマが話題になった本作。シーズン2の物語のカギを握るのは、アスラの母・トリーシア。娘のアスラに異能の力があることを知った彼女は、禁を犯して神域に侵入、処刑されたところからシーズン2の物語は転がり始めた。そこで今回はトリーシアを演じる壇蜜に本作の魅力、女優業に対するスタンスなどについて聞いた。

『精霊の守り人 悲しき破壊神』予告編映像>>


綾瀬はるか他、インタビュー記事一覧(Yahoo!テレビ)


■2人の子を持つトリーシアという役柄を演じてみて

――本作のオファーを受けた感想は?

壇蜜: 「いつもドラマの依頼があるときは、たいがい"何かの間違いじゃないか"もしくは"誰もいなかったのだろう"のどちらかじゃないかと思ってしまいます。そして今回はギリギリ後者かなと思っています。やはり女優さん、俳優さんで作られているドラマという世界にわたしのような者が勇んで入っていくのは、無礼なのではないかと思っておりまして。今回も僭越(せんえつ)ながらお受けいたしますという気持ちで現場に入りました」

――2人の子を持つトリーシアという役柄をどう見ましたか?

壇蜜: 「わたしの年齢的にはアスラくらいの子がいてもおかしくないですし、若い頃に子どもを生んでいればチキサくらいの年齢の子どももいるかもしれない。ただ、その一方で普段からわたしに垣間見える業の深さというか、まっとうな生き方をしていないようなところをトリーシアに見いだしてくれたならば、それは光栄なことだと思います」

神を宿す少女「アスラ編」予告編映像>>


――前シーズンはご覧になりましたか?

壇蜜: 「アクションの多さにビックリしました。あまりにも画面展開が壮大だし、民族間の気持ちのすれ違いが今の世界と似通うところがあって。昔の話なのに、なんでこんなに今っぽいんだろうと。特に、今の世界に求められているものが、バルサに現れているように思います」

――バルサ役の綾瀬はるかさんとは、何かお話はされたのですか?

壇蜜: 「舞台あいさつの時にごあいさつしたくらいですね。その時は(汚れた感じを出すために)顔に色をめちゃくちゃ塗るんです。とにかく原型が分からないくらいに塗るんですよ、というようなお話をした記憶があります」

綾瀬はるか演じる、女用心棒「バルサ編」予告編映像>>


――塗るといえば、壇蜜さんのメイクも、どこかこの世の者ならざる感じが出ていました。

壇蜜: 「でも普段、家ではあんな感じですよ(笑)。メイクおとしで化粧を落としたらあんな感じになります。アフターとビフォアみたいな感じなんですが、逆に、時間をかけてビフォアにするという作業は、すごく背徳的だなと思いましたね」

■ディーン・フジオカとの共演で描く、"禁断の恋"

ディーン・フジオカとの共演「禁断の恋編」予告編映像>>


――ディーン・フジオカさんとの共演も見どころです。彼が演じるイーハンはロタ王国の王の弟であり、トリーシアとは民族の立場を超えた禁断の恋が展開されるわけですが。

壇蜜: 「戦慄(せんりつ)が走りますよ。きっとわたしが谷村新司さんとデュエットした時以来の苦情がくると思います。あのときは歌が下手すぎて苦情がきたんですけどね(笑)」

――ディーンさんとの共演はどんな内容でしょうか。

壇蜜: 「倫理の壁はやぶっていないので、お子さまも安心してご覧になれる内容となっております(笑)。キスとか抱き合うというようなことはないですよ」

――禁断の恋を壇蜜さんが演じるということで、ものすごく期待している人もいるかもしれませんね。

壇蜜: 「大河ファンタジーですから、そんな生々しいものはないですよ(笑)。ただイーハン(ディーン・フジオカ)に対して、タルの民族としてのトリーシアは最上級の敬愛の表現はしていたと思います。ただし民族としての求愛というのも、現代のわたしたちから見るとものすごくライトで、あいさつみたいな感じに思ってしまうかもしれませんが。とにかくそこではイーハンがいっぱい映るので、それで眼福を得ていただきたいです」

――壇蜜さんを見て、眼福を得たい人もいるのでは?

壇蜜:「でも眉毛がないですけどね(笑)。普段、家ではあんな感じなんですよ。あれでうっかり宅配便に出ちゃいますからね」

――美術セットがすばらしい作品だと思いますが、実際にセットに立ってみていかがでしたか?

壇蜜:「本当にひとつの遺跡があったんじゃないかというくらい、本物のようなセットでした。おどろおどろしい沼の感じとか、こういう世界があってもおかしくないんじゃないかと思わせるくらいにスタッフの皆さんの本気モードがすごかったですね。それだけ多くの人数の方たちが試行錯誤して、一生懸命やっていらっしゃる。そこに入らせてもらえるのは、光栄ではありますが、すごく責任重大でもありました」

――常々、壇蜜さんは「女優には向いていない」と公言しています。

壇蜜:「結局、評価は世間が決めますからね。わたしは『肩書:タレント』を徹底していけばいいのかなと思っています。お互いの話が合えば、映画やドラマの仕事を受ければいいですし、そうやって取り組んだものを世間が評価してくれるのなら次の話が来る。単純な話ですよ。そもそも自分から何かをしたいと言えるような仕事ではないですからね。わたしは"自分で決めない、主張しない"と決めてからは、ずいぶん楽になりましたよ。タレントの仕事は主張しないことも仕事じゃないかと思っているんです」

――よく芸人さんなどが「爪痕を残したい」というような表現をしますが、壇蜜さんはそういう気持ちになったりはしない?

壇蜜:「わたしが爪痕を残したら化膿(かのう)しちゃうし、痛いわぁという感じになっちゃう。きっともう歳なんですね(笑)」

――とはいえ、そんな壇蜜さんのスタンスとは裏腹に、今でも女優としての壇蜜さんを求めるラブコールが止むことはないわけですが。

壇蜜:「求めてもらえるのはうれしいことです。ただ、先がどうなるかはいつもわからないものなんです。わたしが不祥事を起こせばすぐにいなくなってしまいますしね。結局、なるようにしかならないんだろうなと思います。だからとにかく現場の邪魔をしないに限りますね。大河ファンタジーを作っているわけですから、この世界観を崩さない。自分が自分がと前のめりになってはいけないと思います。ただ、撮影は時間がかかるものですから、時には気分転換をしたいと思うので、せめてお茶菓子とか、気分転換になれるようなものを持って行くようにしています。差し入れは出しても口は出さないがモットーです」

――それでは最後に、座右の銘を教えてください。

壇蜜:「自分が作った言葉でもいいですか?"憎まれっ子、世にハバネロでジョロキア"ですね」

――その意味は?

壇蜜:「ハバネロは辛いトウガラシです。ジョロキアはその最上級というか、親分です。結局憎まれっ子が勝つ仕組みになっているんですが、憎まれっ子が勝つためには辛酸をなめないといけない、という意味です」

――なるほど。その意味を噛(か)みしめてみます。

壇蜜:「噛んだら辛いですよ(笑)」

■大河ファンタジー「精霊の守り人 悲しき破壊神」

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「精霊の守り人 悲しき破壊神」(NHK 土曜・後9時)


人と精霊が共生していた世界で、女用心棒バルサと幼い王子チャグムの冒険を描く。世界中で愛される上橋菜穂子のファンタジー大作を、全編、4K実写ドラマ化し、毎週土曜日午後9時にNHKにて放送中。

プロフィール:壇蜜(だんみつ)
1980年12月3日生まれ、秋田県出身。2010年からグラビアアイドルとして活動。2012年の映画『私の奴隷になりなさい』で一躍注目を集める。2013年の『甘い鞭』では、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得した。同年には「お天気お姉さん」(テレビ朝日系)で連続ドラマの初レギュラーを果たす。現在もグラビアモデル、女優、文筆業、タレントなど幅広いジャンルで活躍している。

トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

(取材・文/壬生智裕)

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