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恋愛事情をグダグダ報告しあう3人のタラレバ女。
倫子(吉高由里子)・香(榮倉奈々)・小雪(大島優子)のいつもの女子会だ。

初回は「こんなんじゃあ、恋愛できないよな!」って上から目線で冷ややかに見ていたこのシーンも、2~3話と話が進むにつれ見慣れてフツーに眺められるようになり、何と第4話ではうらやましいと感ずる名場面に進化してしまった!!

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「東京タラレバ娘」の各評価指標


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■量的評価と質的評価の違い

グラフにある通り、同ドラマの視聴率は13.8%で始まりながらも、2話以降は11%台でモタモタしている。
データニュース社「テレビウオッチャー」の2,400人からなる定点モニターの間では、録画数も横ばいからやや下がり気味で、見られている量としては、同ドラマは1月にスタートしたGP帯12ドラマの中では2位ながら、前クールの『逃げるは恥だが役に立つ』ほどブレークする感じはない。

ただし満足度や見たい指数など質的な評価で図ると、多くの視聴者が深く納得しているのが分かる。
定点モニターが5段階評価で評価している満足度では、マンガチックで現実離れし過ぎていることもあり、初めは3.35とかなり低かった。ドラマの平均は3.6~3.7なので、視聴率は高いが低評価の典型だった。
ところが違和感を持った視聴者も次第に慣れたようで、満足度はみるみる上がり、ついに平均を超えるところまで来ている(3話3.79・4話3.77)。
次回見たい指標(「絶対見る」2点と「なるべく見る」1点の合計)も、初回164が3話以降200台と飛躍した。期待して初回を見始めたが「ん?」と首をかしげた視聴者。ところが2話以降で次第に"タラレバ"ワールドになじんで行った様子がデータから読み取れる。

この状況は、定点モニターの自由記述からも垣間見られる。
初回「期待はずれ」と答えた41歳女性(満足度2・次回「見るかもしれない」)は、4話で「女友達いいな」(満足度5・次回「絶対見る」)に変わっていた。
「展開が予想できすぎて逆につまらなかった」の55歳女性(満足度2・次回「絶対見ない」)も、その後もなぜか見続け、4話で「テンポが良く楽しめる。内容にドキドキしてるアラサーさん多いのでは」(満足度4・次回「なるべく見る」)と歩み寄っていた。
初回で「なんか共感できる」とは答えつつ、満足度3・次回「見るかもしれない」程度だった33歳女性も、4話では「感動した」(満足度5・次回「絶対見る」)とハマってしまっていた。

■フワフワした描き方

リアルでもなく、ドラマでもなく、マンガでもなく......
最初は中途半端な感じで見始めた同ドラマだが、どうやら中間領域をフワフワ浮遊した感じが、知らず知らずに引き込む魅力となっているようだ。ビシバシと現実を突きつけるわけでもなく、かと言ってうそくさくリアリティのない話も少なくない。マンガ原作だが、原作とも微妙に変えてきている。

例えば2月14日に合わせたタイムリーな「バレンタインチョコ」。

小雪(大島優子)が、街の福引きで温泉旅行のペア券を当て、不倫相手の彼氏・丸井(田中圭)を誘ってみるが、ドタキャンされてしまう。......おいおい! 現実の世界では、そんなにカンタンに福引きは当たらないし、都合よく不倫相手の妻が入院しないぞ!

その頃、倫子は占い師に告げられた"南東に待ち人アリ"を鵜呑(うの)みにして、そこで見つけた焼き肉レストランに飛び込み「一人焼き肉」をする。しかもドラマの打ち合わせで来店した因縁のKEY(坂口健太郎)とばったり出会う。......普通ふらっと入ったレストランで好きな男にばったり会ったりはしない!

KEYがドラマの台本を読んでいるカフェから、すぐ見えるところを倫子(吉高由里子)がたまたま通り過ぎる。
......そんなに度々、偶然が重なるか?

倫子は脚本を降ろされ、「仕事があれば何でもする」と早坂(鈴木亮平)に懇願する。そんなにカツカツな状況なのに、昼間はふらっ~としているし、占い、一人焼き肉、ラストの箱根温泉に駆けつける等々。......いったい金銭的余裕は、どこから湧いてくるんじゃあ~!

つまり、フツーのアラサー女子の生活としては無理があるし、都合よくハプニングが起こり過ぎなのである。

■ドッシリとしたメッセージ

第3話で小雪と香(榮倉奈々)の恋愛がスタートした。
"好きになったら相手が結婚してた" ......要は小雪の恋愛は不倫だ。
"彼女がいる元カレとの恋の復活" ......要は香の復縁は都合のいいセカンドだ。
そして、仕事も恋も失敗続きの倫子のアラサーライフ。
描き方や話の展開にはリアリティに欠ける部分が少なくないが、自分にもあり得るかもしれないという現実は、世間の女子に強烈に興味を持たせたのであろう。

そして第4話では、いつもの女子会で絆を深めていた3人がケンカしてしまった。ついにタラレバ娘たちの関係に亀裂が入ってしまったが、自分の立場のまずさに気づいた3人は"改めて女友達の大切さを痛感"し、"さらに友情を深める"ことになる。
公私ともにどん底を見た倫子は、とうとうKEYに対して反論できるようになっていた。
「つるんでいる女はイイ女じゃない。バカ言わないでよ。あれが楽しいんじゃない。だから私は、これからもつるんでやる」
KEYにタラレバ女と言われて以来ず~っとモヤモヤしていた気分から、倫子は初めて解放された。ありのままの自分を受け入れるまでに成長したのである。

この4話に共感した人は少なくない。

「主人公たちがすごく身近に感じられておもしろかった」36歳女性
「女の友情がリアルに反映されてて良い」26歳女性
「有りがちと思いながらついつい見てしまうタイプのドラマ」51歳女性......いずれも満足度と次回視聴意欲で高い点数を投じている。

中には女の生き方や友情について、シミジミしてしまった人もいる。

「不倫とセカンドの立場は幸せになれない。両方経験したことがあるので良くわかる」41歳女性
「3人の友情を見て、最近集まらなくなった、高校の仲間で集まりたくなりました」39歳女性
「昔からの大事な友達だからこそあそこまでストレートに喧嘩することができたのかな??私にはそんな友達がいるのかな?と少しさびしくなった」41歳女性

これまで"空想する恋"がテーマだったが、次第に"恋愛の実際のあり方"や"女友達の存在価値"へとテーマが深化・発展している。一見グダグダに見せておいて、実は真面目に人生を論じている。バラエティ・ドラマという気軽さの中の重いテーマはとても新鮮な構造で、虚実皮膜の中で表現した制作陣の勝利と言えよう。

とはいえ、3人の今後が気になるのも事実だ。
タラレバする気はないのに、「次も見タラ、来週も見レバ、おもしろいかも。」と思ってしまう。今後"タラレバ現象"が静かにを起こる可能性はないとは言えない。
第5話では、倫子の新たな恋が始まりそうな予感もある。そして小雪と香は、幸せになるために不幸の恋から抜け出すことができるのだろうか。今後に期待したい。

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文責・パリ帰りのピアニスト はたじゅんこ
   次世代メディア研究所

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